私はひねくれた妊婦です。

以下に該当するかたはこの記事を読んで不快な思いをされるかもしれませんので、ご注意ください。


★不妊治療中、妊活中の方

★ハッピーマタニティーライフ中♪な方

★出産、母親になることは素晴らしいこと!と思う方

★出産の痛みなんてすぐ忘れるよ!と思う方

★子供大好き!赤ちゃんのためと思えば頑張れるよ!と思う方


すみません。


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私が子供を産みたくないと昔から思ってた一番の理由は、ズバリ『痛いのが嫌だから』
そんな私が、産んでもいいかなと思った一番のきっかけは、『無痛分娩』の存在を知ったから。

"赤ちゃんへの影響が心配" とか
"痛みに耐えてこそ母" とかいう考え方は皆無。
痛いより痛くないほうがいいに決まってるじゃないか。



そんなわけで、入籍して5カ月後の新婚旅行までは避妊してたけど、それ以降は自然に任せながらゆっくり子供のことを考えよう…年齢のこともあるから産むならなるべく早く…ぐらいに考えて、避妊を止めたらすぐに出来てしまって。

検査薬で陽性が出た瞬間の、一番最初の感情は、うれしさだった。
これが唯一の救い。



だけど、いざ無痛分娩で産もうと、産院を探してみるも、私が通えるエリアで対応してる産院はひとつしかなかった。水戸市の江幡産婦人科。

早速受診してみると、妊娠6週とのことで、ぴくぴく動いている小さなまめつぶを確認。
あ~、本当にいるんだ…私も普通の女の体だったんだ…子宮とかあったんだ…と思った。

でも、激混みで無痛分娩にじっくり時間をかけられないとのことで、無痛分娩をやんわり断られる。
江幡産婦人科では無痛に対応できる医師がひとりしかいなく、しかもその医師がメインで他の普通分娩の妊婦さんもみているみたいで、それはそれはすごい混みようで。
無痛分娩はきっと手間がかかるし、さばけないんだろうね。
だって、初診で開口一番、忙しすぎるアピールされて軽く愚痴られたからね。
でも私としては、普通分娩で良いと思ってる妊婦さんは他の産院にいくらでも行けるけど、無痛を希望してる妊婦は行き場がないので、無痛分娩をぜひ優先してほしいと思う。
でもそれじゃ病院が儲からないんだろうね。きっと。腹立つわ。

断られてももっと食い下がれば良かったのかもしれないけど、この医師、熱心で厳しく本気であたってくれるのはいいんだけど、態度が高圧的で、妊娠初期の情緒不安定な状態の私は、どうしても無痛がいいんです!と訴えることができなかった。

本当は、知り合いに江幡で無痛で2人産んだ人がいて、「断られたら私の紹介と言っていいから」と言われてたんだけど、コネでなんとかしてくれなんて、この先生には恐ろしくて言えなかった。

「そんなんじゃ母親になれない」と言われるのが目に見えていたので、
当時はそんな理想論は受け止められなかった。
本当に私はメンタルが弱いと思う。





というわけで…

無痛分娩で産むことがほぼできないとわかったときの私の絶望感といったら…。
つわりはほとんど無いにもかかわらず本当に毎日憂鬱で、最初に感じてた嬉しさなんてどこかへ行ってしまった。
妊娠しても、15%の人は流産してしまうということなので、つわりも無いし、なんなら流産してもいいとさえ思った。
そうすれば誰のせいでもなく、何もなかったことに出来る。

こんなこと絶対人には言えないけど。


だけど、中絶することは考えなかった。
やっぱりそれは人として抵抗があって…
後で自分を責めそうだから。
流産してもいいだなんて思いながら自分は悪者になりたくない…ずるい考え方だと自分でも思っていた。




一応、江幡産婦人科では初診ではっきりと断られたわけじゃなかった気がして、わずかな可能性にかけて2週間後にもう一度受診。その時にはっきりと、「まずは普通で産みましょう」と言われ、落胆。
もうここではダメだと思い、完全な無痛ではないけど場合によっては無痛にしてもらえるという噂の、ひたちなか市のはやかわクリニックへ試しに行ってみる。

この時点で10週。
江幡と違って先生が超あっさりのスピード受診、問診は助産師さん任せという感じがちょっと嫌だったけど、助産師さんに無痛への思いを語る。
この助産師さんは比較的話をよく聞いてくれた。

江幡の無痛は計画無痛だけど、はやかわの無痛は完全ではなくて、陣痛が始まってから処方する感じで、陣痛を和らげるだけで産むときは痛いのに変わりなく、それも先生(1人しかいない)が空いてるときじゃないとできないとのこと。
土日・祝日・夜間・外来診療中は先生に来てもらえないみたいで…。
それってほぼ無理なんじゃ・・と思いつつ、もう頼れるのはここしかなかった。
もう10週なので、ここでの分娩予約もぎりぎりみたいだし。
いろいろ考え過ぎてナーバスになって、夫に泣きついたりしている間に、もう迷ってる時間は無くなってしまった。

「無痛分娩があるから妊娠してもいいや~♪」と軽く考えていた自分を激しく後悔した。
もっと事前にきちんと調べるべきだった。
普通にどこの産院でも無痛を選択できるものだと思っていた。
妊娠してからだと、じっくり産院を調べたり選んだりする時間って、以外に無いんだということを知った。

というか、そんなに産院によって違いがあるだなんて知らなかった。
江幡の先生は熱血スパルタだけど、はやかわの先生は、やる気あんの?って感じだし。
その中間くらいの先生がよかった…。
妊娠前にピル処方してもらってた産婦人科の先生はそんな感じだったけど無痛分娩非対応だったので最初から候補から外してたし。


それからは多少の諦めを伴い、出産の痛みのことはあまり考えないようにしていた。
妊娠の経過は驚くほど順調で。
なのに素直に喜べない、幸福感を味わえない自分が嫌だった。
妊娠の報告は身内以外にはわざわざはしなかったけど、何かのついでがあったり、悩んでることを相談しようと出産経験のある友達に連絡したりした時に報告してた感じだったけど、
そのたびに「おめでとう!!私までうれしくなっちゃった♡」と言われることさえも苦痛だった。


安定期に入って、自然分娩への覚悟…というか、理解?も少しずつ、前よりは受け入れられるようになってきて。

最近は、無痛分娩でも、計画通りにいかなかったり、結局帝王切開になったり、麻酔の効きが悪くて結局痛かったとかいう話もネットで読んだりして。
いろんな人の出産レポを読んでまた怯えて不安になったり…。
出産って、ホントに『人それぞれ』なんだなと思った。
誰の出産体験談も、いくら聞いても自分がどうなるかわからないんだと知った。
だったら無痛分娩にこだわらなくてもいいのかな…と思ったり…。
でも、誰かから「無痛分娩いいよ!」とかいう話を見聞きすると、やっぱり無痛分娩!!(泣)
となったり…。

でもやっぱり怖い事に変わりは無くて。




そんな中、私がずっと心の片隅で気になってることがあって。

阿見町にある、東京医科大医学茨城センターなら計画無痛分娩を扱ってるんだけど、自宅からは高速を使って1時間という距離…。
遠いので諦めてたんだけど、計画無痛ならできないことはない。
たとえ陣痛や破水が先に起きたとしても、1時間あれば移動してる間にいきみたくなるなんてことはほとんど無いのでは…という考え。

でも、新生児健診とか、産まれた後も何かあったときにすぐに行けないのはどうなのかなぁ…と思ったり。



でも、この考えを誰にも話せていない。

「そこまでして無痛がいいのか!!」と思われるだろうな…。



そんな感じで今は、普通分娩と無痛分娩で、もう毎日気持ちが揺れ動いてる。正直。
誰かの言葉ひとつ、情報ひとつで、簡単に気持ちが傾いてしまう。


でも、はやかわクリニックに前回分娩申込書を出してしまったんだけどね…。
なんかはやかわクリニックは、健診だけはお断りみたいな空気があって…。
分娩申込書を出したら終わりだと思って、忘れたフリとかしてなかなか出せずにいたんだけど、前回ついに出してしまった。


もし、高速で1時間かけて東京医科大にするとしたら、夫、はやかわの助産師さん、親を説得しないといけない。
それも面倒・・・だけど、痛みには代えられない?
義両親は口出しはしてこないだろうけど、絶対「なんで?」って思われそう・・。




最近はそればかり考えてる。
あぁなんで日本はこんなに無痛分娩が普及していないんだ!!!
産院の不足、医師の不足、保育園の不足、子を持つ女性の働きにくい職場環境、妊婦や子連れに厳しい社会、これじゃ少子化止められないわけよね。

男はいいなぁー本当に。


せめて私にもっと時間があれば…。
もっと、出産や子育てに前向きに向き合う時間があれば…。
年齢的にもそうだけど、結婚したばかりで、まだ、子供を持つ生活というものへの思いもうっすらすぎる時期なのに。




痛いか・痛くないか

私にとって出産とは、これに尽きると言っても過言ではない。

その後の愛情のかけ方や苦労は、基本的に後から付いてくるものだと思ってるので。
(赤ちゃんのお世話や育児についてもそれなりに今から悩んではいるけど)

無痛分娩といっても、絶対に痛くないというわけではなく、体質にもよるということは重々承知なんだけど、確実に無痛を処方してもらえるという確約があれば、この10ヵ月もかなり精神的に違ったと思う。



…そんな理由で産む・産まないを決めるなんて、私は本当に女性として未熟だと思う。

「母親になるんだからしっかりしなさい!」

と言われることも怖くて嫌だったんだけど、

今ならそんな叱責も素直に受け止められると思う。