【23w4d】

昨日、近くの図書館で名付け本を借りてきました。



種類も少なく新しい本は無かったけど、
この、『名づけの極意』という本がとても参考になります。

名前について研究されてる方が書いていて、名づけ方の辞書的な本や実例集ではなく「そもそも名前とは何か」というところから始まり、考え方を導いてくれる感じ。
“名前とは、個人の所有物ではなく、社会的な共有物”という基本的な考えにも共感。

この記事は、大事だと思ったところの覚え書きです。



■はじめに

名前についての専門家の著者の元に、名付けをしてしまってから後悔して相談に来る方が増えてるそうです。
後悔をしている人たちに共通していることがあるとのこと。

それは、“名前そのものよりも、名づけの際の感覚、姿勢というもののちがいがある”ということ。


あ~、なんかわかる気がする。



■名づけで大切な、ふたつのこと

・自分にウソをつかず、本音に正直に生きる
 (親自身が納得できる、真実の名づけ)

・人を大切にし、人に迷惑をかけない
 (本人や社会の人のための、正しい名づけ)

このふたつの“感覚”が子どもに伝えられること。


うん、おおむね自分の思うとおりかも。



■この本を読んで共感したこと

“占いや姓名判断は流派が何十もあり、吉凶判断はまちまちになる。
 占はやって楽しい人がやればいい。「名前で人生が決まる」という事実はない。”

私は姓名判断にはこだわらないとしながらも、世の中にはこだわる人がけっこう多い気がして、やっぱり少しは気にした方がいいのかなぁと気になってたので、これでふっきれた。


“漢字の読みを勝手に決めないこと”

「翔」という字は本来「ト」とは読まない。「飛ぶ」というイメージから読ませてる人が多い。
「百合(ゆり)」と読むからといって、「百花(ユカ)」とは読まない。
「愛弟子(まなでし)」という言葉があるからといって、「愛(まな)」とは読まない。
「匠(たくみ)」と読むからといって、「匠哉(タクヤ)」とは読まない。

これも意外といえば意外。実際、名前の読み方に関する法律は無く、役所には受理されるだろうし、そうした名前の人も多い。
でも私はなんとなく、「○○と書いて△△と読ませる」というあて字の名前は好きじゃなく、なるべく漢字そのものの本来の読み方に合わせたいと思っていたので、やはりそうかという感じ。
まぁそこまで厳密にこだわりすぎなくてもという気もするが。


“名づけに立派な理由や理屈はいりません。うれしい気持ち、感謝の気持ちがあればいいのです。”

世間に対する建前を取り繕うことが子に伝わってしまうそうです。



■この本を読んで、意外だったこと

“本人への期待ばかりが前面に出る名づけは、結果が裏目に出ることも多く、あまりおすすめではない”

名づけ本には、よく「どんな子になってほしいか考えてみましょう」と書いてあることが多いので意外でした。この著書によると、“本人への期待の込められた名づけは人に説明しやすいし誉められやすいけど、もともと別の話”だそう。

極端な話、親が、真面目に、悪い事しないようにと「正義」とつけた場合、その不安感がよくないそうです。「きっと真面目に生きてくれる」と信じていればいいそうです。

確かに私自身の名前には、素直とか従順とかいう意味があるけど、頑固でひねくれ者な性格になってしまったなぁと自覚してるので、あてはまる^^;


“さんずいは水難に遭うからダメと言われたとか、名前の中に名字も合わせてくさかんむりが3つになってしまってバランスが悪いと言われたとか他人の言うことは気にするな”

これも、水難とかはただの連想ゲームだし、専門家はバランスという意味のはっきりしない言葉はつかわない、親がおかしくないと思えばそれでいいとのこと。自分の本音を確固と持つことが一番大事。
このあたりの感覚が難しい。
他の本には、「板橋理緒」という名前はタテで書くと左右にばらけてしまうし、逆に「八木笑美」という名前はすべて左右対称で斜めに払う感じの場合は落ち着かない印象になると書いてある。これはこれで私は納得。バランスってやっぱり大事だと思う。



というわけで、名前について、深く、すごく考えさせられる本でした。
自分は専門家だ!素人の言うことは気にするな!という志向の強い著者で、ちょっと理解できない域に行っているところもありましたが…。


特に、“親の感覚を伝えること”という考え方はすごく納得。

“名前で本人が決まるのではなく、名付けのときの親の実感が子どもに伝えられるのです。名前が言葉の一種であることを考えれば、それは当然でしょう。言葉は、言われた人を決めるものではなく、言った人の心を伝えるものです。”

“たとえば、だれかがあなたに「バカ!」と言っても、あなたがバカだということにはなりません。その言葉は、言った人が何かに怒っている、ということをあらわしています。そして言われたあなたも腹が立ちます。つまり言葉によって、言った人の感覚が伝わっているのです。”

なるほどぉー。

“ただやっかいなのは、伝えられる感覚というのは、親自身も気づかない、無意識の場合もあるということ”

なんとなくわかるけど、この、「無意識の世界」の話が最後のほうに載ってるんだけど、なかなか難しい。



ちなみにこの作者によると、最近なる難解な読めない漢字の名前は、
“親の無力感が深く、人を困らせることをして自分の力を感じている”らしいです。

“「人のつけない名前を」とこだわっている人は、他人が気になっている”
なので、逆に個性が無いそうです。本当に他人を気にしない人は、ふつうの名前もつけるそうです。

ぎくり。確かにー。
私は、よくある人気の名前はつけたくないと思っている。奇抜なのは嫌だけど。
これが親の無意識なのかな。