チョッキヒトムによるトゲキッス対策の苦悩 | 俺はメタグロス

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トゲキッス対策にチョッキヒトムを採用したサイクル構築を使っていて感じたことを書き留めておく。



トゲキッスにチョッキヒトムを後出しした際に悪巧みを積まれた場合、珠ダイジェット×2でチョッキヒトムは突破されるためトゲキッス視点だと突っ張るという選択肢が生じる。
ヒートロトムをトゲキッスに後出しした後に最もアドバンテージを得られる行動は交代を読んだボルトチェンジだが、悪巧みを積まれた場合はこれが安定しなくなる。(実際にボルチェンに合わせてダイマックスを切られて不利展開に陥ったケースは多々ある)

悪巧みを積んだトゲキッスに対してヒートロトム側もダイマックスを切ることで安定して遂行出来るが、トゲキッス側も当然ヒートロトム対策は後続に用意しているためここでもトゲキッスが突っ張るか引くかの択が生じてしまう。

裏に引かれてドリュウズで受けられたりカビゴンの欠伸で流されてしまうと次のサイクルでトゲキッスが受からなくなる。

悪巧み珠ダイジェット×2を素の状態で一発受けても次のターンでダイマックスを切ることで二発目も耐えることが出来て、返しの10万ボルト→ダイサンダーで無振りトゲキッスや珠トゲキッスは倒すことが出来るため悪巧みトゲキッスへの後出しからすぐにダイマックスを切る必要はない。
そのためチョッキヒトムを悪巧みトゲキッスに後出しした場合の安定行動は10万ボルトとなる。
(放電→ダイサンダーだとC特化でも無振りトゲキッスに対して乱数になってしまう)

しかし、トゲキッス側がこれを理解していた場合、1サイクル目でエアスラッシュ→2サイクル目から悪巧みを積むという展開を狙ってくる場合があり、そうなると2サイクル目でヒートロトムがダイマックスを切るかどうかの択が生まれてしまう。
相手のプレイングスキルが高くなるランクマッチ上位帯になるとこういった択が頻出するため、トゲキッス対策としてチョッキヒトムは完璧な対策とは言えないのが実情である。

ヒートロトムだけでなく、同じくトゲキッス対策としてよく採用されるチョッキドリュウズも同じ悩みを抱えることは想像に難くない。

トゲキッスに対して隙を晒すポケモンを極力選出せずに悪巧みを積ませる対面をなくすことでヒートロトムによるトゲキッス対策は安定するようになる。

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具体的にはこのような並びである。
ミミッキュやギャラドスならトゲキッス対面で悪巧みを積む余裕を与えないためヒートロトムの受け出しが非常に安定する。
悪巧みを積んでいないトゲキッスに対してはボルチェンや交代を読んだオバヒを撃つ余裕があるため有利な試合運びを行いやすい。
ヒートロトムでトゲキッスを対策する場合はこのような1匹ではなく並びで見る構築の組み方・試合運びが重要になる。

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とはいえ、実際はトゲキッス+ギャラドス、ドリュウズ等の並びに対してはナットレイを始めとしたトゲキッスに弱いポケモンを選出せざるをえない場面が多くなるため、上述のヒートロトムをトゲキッスに後出しした際の択問題は避けられなくなる。
並びで見る対策を実戦でうまく機能させるのは難しいのである。

サイクル構築においてこういった選出択が生じる状況で選出する駒になりえて、幅広い範囲をカバー出来るカビゴンとミミッキュの採用率が高まっている理由も頷ける。

ギャラドスの場合はドラパルトで対面処理をしたり、ナットレイのような汎用性の高いポケモンで後出しから受け切ることが可能である。
一方でトゲキッスの場合は対策手段が非常に限られ、また性能にも穴のあるポケモンばかりな点がトゲキッスを対策する際に頭を抱える原因となっている。
フェアリー技が弱点のバンギラスや技が等倍で入るカビゴンでは削りきられる危険があるし、ヒートロトムは耐久が足りずトゲキッスの後続に弱くなりがちである。


採用率が非常に高いトゲキッスを見るだけでヒートロトム+αを選出してサイクル択を制したり、ミミッキュ+カビゴンような対面選出をしなければいけない問題を解決するためにシーズン3ではテンプレートなHDセキタンザンを採用していた。
詳細は伏せるが、セキタンザンであればトゲキッス受けが非常に安定し、悪巧み珠ダイジェットを一発受けてから遂行に入る余裕があるためトゲキッス後出しから対面+後続(トゲキッス+ドリュウズ等)に一貫する鬼火やステルスロックを撃つことが可能であり、有利なサイクル戦を展開出来る。
これによってトゲキッス入りに対してトゲキッスに弱いサイクルパーツを無理なく選出に組み込めるのが利点である。

このようなピンポイントメタは仮想敵であるトゲキッスが出てこなかった場合に腐りやすいため採用を渋っていたが、セキタンザンの場合はトゲキッスが選出されなかった場合でもある程度の汎用性があることが分かったため採用に至った。

セキタンザンはトゲキッス入りに対して安定したサイクル戦を展開して勝つ場合の選択肢と言える。
トゲキッス入りに対してミミッキュ+カビゴンのような対面的な選出をして対応する想定が完璧に出来ている構築では必要のない駒であることに留意したい。

セキタンザンを採用した構築をシーズン3ではうまく纏められずシーズン3では最終178位という残念な結果で終わったため、シーズン4ではうまく構築として纏めて結果を出すのが目標である。

もっと優れたトゲキッス対策がいたらセキタンザンは解雇します。