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俺はメタグロス

Twitter:@volgross


トゲキッス対策にチョッキヒトムを採用したサイクル構築を使っていて感じたことを書き留めておく。



トゲキッスにチョッキヒトムを後出しした際に悪巧みを積まれた場合、珠ダイジェット×2でチョッキヒトムは突破されるためトゲキッス視点だと突っ張るという選択肢が生じる。
ヒートロトムをトゲキッスに後出しした後に最もアドバンテージを得られる行動は交代を読んだボルトチェンジだが、悪巧みを積まれた場合はこれが安定しなくなる。(実際にボルチェンに合わせてダイマックスを切られて不利展開に陥ったケースは多々ある)

悪巧みを積んだトゲキッスに対してヒートロトム側もダイマックスを切ることで安定して遂行出来るが、トゲキッス側も当然ヒートロトム対策は後続に用意しているためここでもトゲキッスが突っ張るか引くかの択が生じてしまう。

裏に引かれてドリュウズで受けられたりカビゴンの欠伸で流されてしまうと次のサイクルでトゲキッスが受からなくなる。

悪巧み珠ダイジェット×2を素の状態で一発受けても次のターンでダイマックスを切ることで二発目も耐えることが出来て、返しの10万ボルト→ダイサンダーで無振りトゲキッスや珠トゲキッスは倒すことが出来るため悪巧みトゲキッスへの後出しからすぐにダイマックスを切る必要はない。
そのためチョッキヒトムを悪巧みトゲキッスに後出しした場合の安定行動は10万ボルトとなる。
(放電→ダイサンダーだとC特化でも無振りトゲキッスに対して乱数になってしまう)

しかし、トゲキッス側がこれを理解していた場合、1サイクル目でエアスラッシュ→2サイクル目から悪巧みを積むという展開を狙ってくる場合があり、そうなると2サイクル目でヒートロトムがダイマックスを切るかどうかの択が生まれてしまう。
相手のプレイングスキルが高くなるランクマッチ上位帯になるとこういった択が頻出するため、トゲキッス対策としてチョッキヒトムは完璧な対策とは言えないのが実情である。

ヒートロトムだけでなく、同じくトゲキッス対策としてよく採用されるチョッキドリュウズも同じ悩みを抱えることは想像に難くない。

トゲキッスに対して隙を晒すポケモンを極力選出せずに悪巧みを積ませる対面をなくすことでヒートロトムによるトゲキッス対策は安定するようになる。

+
具体的にはこのような並びである。
ミミッキュやギャラドスならトゲキッス対面で悪巧みを積む余裕を与えないためヒートロトムの受け出しが非常に安定する。
悪巧みを積んでいないトゲキッスに対してはボルチェンや交代を読んだオバヒを撃つ余裕があるため有利な試合運びを行いやすい。
ヒートロトムでトゲキッスを対策する場合はこのような1匹ではなく並びで見る構築の組み方・試合運びが重要になる。

+
とはいえ、実際はトゲキッス+ギャラドス、ドリュウズ等の並びに対してはナットレイを始めとしたトゲキッスに弱いポケモンを選出せざるをえない場面が多くなるため、上述のヒートロトムをトゲキッスに後出しした際の択問題は避けられなくなる。
並びで見る対策を実戦でうまく機能させるのは難しいのである。

サイクル構築においてこういった選出択が生じる状況で選出する駒になりえて、幅広い範囲をカバー出来るカビゴンとミミッキュの採用率が高まっている理由も頷ける。

ギャラドスの場合はドラパルトで対面処理をしたり、ナットレイのような汎用性の高いポケモンで後出しから受け切ることが可能である。
一方でトゲキッスの場合は対策手段が非常に限られ、また性能にも穴のあるポケモンばかりな点がトゲキッスを対策する際に頭を抱える原因となっている。
フェアリー技が弱点のバンギラスや技が等倍で入るカビゴンでは削りきられる危険があるし、ヒートロトムは耐久が足りずトゲキッスの後続に弱くなりがちである。


採用率が非常に高いトゲキッスを見るだけでヒートロトム+αを選出してサイクル択を制したり、ミミッキュ+カビゴンような対面選出をしなければいけない問題を解決するためにシーズン3ではテンプレートなHDセキタンザンを採用していた。
詳細は伏せるが、セキタンザンであればトゲキッス受けが非常に安定し、悪巧み珠ダイジェットを一発受けてから遂行に入る余裕があるためトゲキッス後出しから対面+後続(トゲキッス+ドリュウズ等)に一貫する鬼火やステルスロックを撃つことが可能であり、有利なサイクル戦を展開出来る。
これによってトゲキッス入りに対してトゲキッスに弱いサイクルパーツを無理なく選出に組み込めるのが利点である。

このようなピンポイントメタは仮想敵であるトゲキッスが出てこなかった場合に腐りやすいため採用を渋っていたが、セキタンザンの場合はトゲキッスが選出されなかった場合でもある程度の汎用性があることが分かったため採用に至った。

セキタンザンはトゲキッス入りに対して安定したサイクル戦を展開して勝つ場合の選択肢と言える。
トゲキッス入りに対してミミッキュ+カビゴンのような対面的な選出をして対応する想定が完璧に出来ている構築では必要のない駒であることに留意したい。

セキタンザンを採用した構築をシーズン3ではうまく纏められずシーズン3では最終178位という残念な結果で終わったため、シーズン4ではうまく構築として纏めて結果を出すのが目標である。

もっと優れたトゲキッス対策がいたらセキタンザンは解雇します。


ヒヒダルマ@拘り鉢巻
意地っ張り
H84 A220 B68 D132 S4
191 206 84 * 92 116
氷柱落とし/馬鹿力/地震/フレアドライブ

A-
地震で157-224ドヒドイデが確定で落ちる
フレアドライブで205-126(B+1)アーマーガアが確定で落ちる
馬鹿力で157-127ロトムが確定で落ちる

H-B
A189ドラパルトのダイドラグーン及びダイホロウを高乱数で耐える(15/16)
・ダイマックス
A158ルチャブルの珠インファイトを高乱数で耐える(14/16)

H-D
C177サザンドラの大文字を確定で耐える

S-
余り
※4振りするとS無振りのトリルミミッキュと同速になるため、S12振りするか振らないほうがいいかも。


崩し枠として選出したとき、対面的にヒヒダルマを処理しようとする選出にも対応するためにA振りをベースとした耐久調整ヒヒダルマが強いと考えた。
これによって鉢巻ヒヒダルマ本来の崩し性能とある程度の対面性能を両立することが出来た。
ダイマックスを切るとより対面運用時の強さに磨きがかかり強い。

特殊耐久だけではなく、物理耐久をある程度確保することでスカーフ大文字の他にダイマックスを切って強引に処理してくる物理ドラパルトにも対応出来る。

使用感は7世代の耐久振り眼鏡テテフにかなり近い。
トリルミミッキュと組ませて運用しても強いのではないだろうか。

ホルード@ラムの実

意地っ張り

H116 A252 B12 D4 S124

175 118 99 * 98 114

地震/ギガインパクト/ワイルドボルト/剣の舞

 

※下記はシーズン1環境前提の調整

 

A-

ダイアタックで157-127ロトムが確定で落ちる

A+2ダイアタックで215-187カバルドンが高乱数で落ちる

地震+ギガインパクトで201-150ヌオーが確定で落ちる

 

H-B

A161ギルガルドのインファイトを確定で耐える

A187ドリュウズのダイアース及びダイスチルを確定で耐える

A204バンギラスのダイアークを高乱数で耐える

 

H-D

C161リザードンのダイジェットを確定で耐える

 

※上記攻撃はダイマックスで2耐え

 

S-

準速ギルガルド+2

ダイアタック込みで最速リザードン抜き=リザードンとの対面で勝てる

 

 

・ダイマックス前提だと対面性能が非常に高い

互いにダイマックスした状態でトゲキッスやリザードンの攻撃を2耐えしつつ、返しのダイアタック2発で処理出来る。

また、ギャラドスのダイストリームを耐えつつダイサンダーで返り討ちに出来る。

 

・欠伸展開へのメタ

ラムの実を持たせることでカバルドンやブラッキー等の対面で剣の舞を積みダイアタックで崩すことが出来る。

 

・崩し性能が非常に高い

アーマーガアやヌオーでも止まらないため受けられるポケモンが存在しない。

 

このように(シーズン1時点では)圧倒的な対面性能と崩し性能を持ち、特に環境に多い欠伸+ダイジェット枠の並びへの強烈なメタとして機能していた。

 

タイマンでありとあらゆるポケモンをなぎ倒し受けポケモンを圧倒的火力で破壊する姿は全盛期のメガガルーラであった。

 

このホルードはダイマックス前提の性能のため、ダイマックスを切った後は中速中耐久の微妙なポケモンになってしまう。

そのため下記のトリルミミッキュを採用することでホルードの初手ダイマックスでアドバンテージを取り、ミミッキュでホルードを再展開して〆るギミックを取り入れ構築の軸とした。これがタイトルのホルミミである。

ダイアタックとギガインパクトの火力は同等のため、トリル下なら非ダイマックス状態でも高火力のエースとして機能する。

 

 

ミミッキュ@カシブの実

意地っ張り

H212 A116 B140

157 143 118 * 125 116

じゃれつく/影撃ち/トリックルーム/呪い

 

A-

余り(11n)

 

H-B

化けの皮ダメージ+カシブの実込みでA142ミミッキュの珠ダイホロウを確定で耐える

化けの皮ダメージ+カシブの実込みでA189ドラパルトのダイホロウを高乱数で耐える(14/16)

化けの皮ダメージ込みでA177ギャラドスのダイジェットを確定で耐える

 

H-D

化けの皮ダメージ込みでC189トゲキッスのダイフェアリーを確定で耐える

化けの皮ダメージ込みでC150ガマゲロゲの球ダイストリームを中高乱数で耐える(11/16)

 

 

・瞬間最高順位

シーズン1 87位(12/30)

シーズン2 176位(1/27)※これ以降は別の構築を使用

 

@2

アイアントの上から炎技を撃て苦手なエースバーンやヒヒダルマと撃ち合える襷両刀ドラパルト、対面で撃ち合える範囲が広くトリルエースとなるカビゴンを補完で採用し残りの2枠は試行錯誤していた。

 

ラム持ちのトゲキッスやギャラドスが環境に多かったシーズン1ではホルード+ミミッキュの並びが強烈に刺さっていたものの、シーズン2では数を増やした命の球持ちのギャラドスやトゲキッスとのタイマンで勝てず、シーズン1でラムホルード入りの対面構築が結果を出したことでホルードでカバルドン軸を崩すのが難しくなった結果この軸では勝てなくなり公開とした。

所詮初見殺しなので相手に考慮されるとSも耐久も高くなくサイクル適正の低いホルードの脆さが露呈する。

 

トップメタに対してこのような初見殺しで崩す想定ばかりしているのが勝ち切れない原因なのかもしれない…。

 

前編において強いポケモンは大方出揃ったため、後編では細かい環境の変化が中心となる。

シーズン1のメタゲームのおさらいとして、どのように環境が動いていったかを筆者の視点で記しておく。

 

 

◆12/5~12/15

 

・激化するトゲキッス対策

トゲキッスの対策のためにバンギラス、ヒートロトム、耐久に厚いドリュウズのいずれかは構築に採用されるようになった。

 

果てはセキタンザンをちらほら見かけるようになるなど、この頃はトゲキッスを中心に環境が回っていたと考えて良い。

 

・壁展開

トゲキッス対策に対する対策のためか、ドラパルトやオーロンゲで壁を貼りトゲキッスで全抜きを狙う構築が増加。

 

壁を展開することでトゲキッス対策をトゲキッスで強引に突破する光景はこの時期によく見られた。

 

・ニンフィア

この時期に最も数を増やしたポケモンはニンフィアである。

オーロンゲやドラパルトで起点を作る動きに対して強く、自身も欠伸やバトンタッチで起点作りを行える。

 

・ドリュウズが強い

ロトム、バンギラス等のトゲキッス対策に軒並み強く、自身もトゲキッス対策となる。

また、起点作りのオーロンゲやニンフィアに対しても有利でありこの時期に流行していたポケモン全てに強い。

型破り型の他に制圧力の高い砂かきダイロック型も開拓され、全ての型を考慮すると受けられるポケモンが存在しない。

この時期に最も強かったポケモンはドリュウズであろう。

 

・総評

積みポケモン全盛期であり、どうやってトゲキッスを通すか、もしくはどうやってトゲキッスを対策するかの環境であった。

筆者を含め、トゲキッスの対処に頭を悩めたプレイヤーも多かっただろう。

 

 

◆12/15~12/25

 

・サザンドラとトゲキッスの凋落

対策されすぎた結果である。

テンプレの悪巧みサザンドラはマホイップやニンフィアで対策され仮想敵である受けサイクルの崩しが難しくなった。

トゲキッスは対策が激化した結果通りが悪くなり、この時期はこの二匹が数を減らしていた印象。

 

・ついでに減るバンギラス

弱点保険型がすっかり認知され鬼火や耐久ポケモンで誤魔化されるように。

また、仮想敵であるトゲキッスやサザンドラの数が落ち着き単体性能を求められるようになった結果、弱点保険バンギラスの通りの悪さも相まりサザンドラとトゲキッスの凋落を境に採用率も落ち着いてゆく。

襷型や竜舞型が数を増やしたものの弱点保険型程の流行には至っていない。

 

・一方で復権するギャラドス

数を増やしたカバ展開に強く、トゲキッス対策として採用されるドリュウズやロトムに打点があるためか通りが悪くなったトゲキッスと入れ替わる形で数を増やしてゆく。

欠伸や鬼火に耐性を持つために殆どのギャラドスがラムの実を持っていた。

 

・カバルドン展開

この時期に注目され数を増やしたのがカバルドンである。

ダイサンダーによる欠伸透かしを許さず、ラム身代わりで欠伸を透かして起点にしてくる相手を吹き飛ばしで流すことが出来る。

物理受けとしての安定性は落ちたものの、起点作りとしての性能は剣盾でも一級品であった。

 

受け辛いドリュウズに比較的強めであり、自身もドリュウズと相性が良いのも評価点である。

 

・アーマーガアが強い

アーマーガアの型の開拓が進み、従来の鉄壁ボディプレス型の他に、蜻蛉返りを持たせたサイクル戦重視の型や、詰め筋としての運用に特化したビルドアップ型も開拓された。

ビルドアップ型の配分はHB、HS、HD、ASと多種多様であり、持ち物は弱点保険、ラムの実、残飯どれを持たせても強い。

特にHDタラプアーマーガアの強さは折り紙付き。

物理ポケモンはビルドアップの起点にし、特殊ポケモンはHD振り+タラプの実で受けきり、耐久ポケモンや補助技を挑発で封じられる。

上から技を通してくるポケモンはダイジェットで攻撃しつつSを上げることで対応出来るなど、全方位に隙がない最強のポケモンである。

 

・受けループの復活

低迷していた受けループだが、ドヒドヌオーの並びが注目されたのを契機に徐々に復活してゆく。

どちらも一貫しやすいダメージソースである熱湯と毒々を覚え、耐性を活かしたサイクルによる誤魔化し性能の高さや、トーチカや守るでダイマックスによる崩しを防ぎやすい点が強みである。

 

ドヒドヌオーの台頭と共に、ドリュウズとミミッキュを受けられるアーマーガア、サザンドラ対策と特殊受けを兼ねるマホイップやニンフィア、ロトムの一貫を切るトリトドンやガマゲロゲ、特殊受けと潰し枠を兼ねるバンギラス、相手の崩し枠に対する潰し枠となるドラパルト、ミミッキュ、メタモンetc...と受けループのメンツは徐々に固定化されてゆく。

 

一方で役割破壊されやすいクレベースや、起点にされやすく環境に不利なポケモンが多いサニーゴはあまり採用されなくなった。

 

・カットロトム

カバルドンに強く、ドリュウズ相手に弱点を突かれず、ギャラドスを対面で安定して処理出来る対面性能の高さに加え、アーマーガア+トリトドンのような"ロトムの役割対象+ロトム受け"の並びに一貫する攻撃範囲が環境に非常に刺さる。

以上の理由から環境メタとして非常に優れた性能を持つため数が急増。

単体性能を見ても優秀で、カットロトムの攻撃範囲は受けるのが難しく、他のフォルムのロトムが苦手な範囲に強い対面性能がウリである。

一方で蜻蛉返りで弱点を突かれる、ヒヒダルマやパルシェンに弱い、ダイジェットが等倍で通るなど他のフォルムと比べてサイクル適正は低い。

サイクル構築よりは対面構築に適正のあるフォルムと呼べる。

 

・総評

依然として積みポケモンが強い環境ではあるが、壁展開の他に欠伸で展開したり、受けループが復活したりと環境で使われる構築のバリエーションが広がった。

ギャラドス、カバルドン、アーマーガアの流行はおそらくドリュウズが原因である。

この時期のトップメタはドリュウズと見て間違いない。

 

 

◆12/26~12/30

 

・トリルミミッキュ

長らくAS剣舞型が大半を占めていたミミッキュだが、この時期にようやく型の変化が訪れる。

ダイジェットを積んだギャラドスやトゲキッスに対する切り返し手段としてトリックルームが強いためトリルミミッキュの数が徐々に増えてゆく。

 

ミミッキュと共にドサイドンやコータスが採用されている構築のミミッキュは殆どがトリル型であった。

 

・アーマーガアのS振りチキンレース

アーマーガアミラーはSが高いほうが有利。

Sさえ勝っていれば後出しから対応出来るほどに有利関係はSに依存している。

そのため、アーマーガアのSラインがどんどん上昇し、最速個体もザラに。

一見最強に見えたHDタラプアーマーガアだが、アーマーガアミラーに明確に弱いため数を減らした。

 

・拘りサザンドラ

通りの悪い悪巧みサザンドラは環境から姿を消し、殆どが拘り眼鏡や拘りスカーフを持つようになった。

スカーフサザンドラは対面性能が高く、不利な対面では蜻蛉で逃げられるため初手に置きやすい。

眼鏡サザンドラはフェアリーがいない構築に対する崩し性能が魅力である。

どちらの型もダイマックスを切れば対面での撃ち合いとダイアークによる崩しを行えるため単体で完成された強さがある。

 

・役割破壊の草技

現環境では草技の通りが非常に良い。

カバルドンやウォッシュロトムは言わずもがな、受け気味のサイクルパではヌオー、トリトドン等の草技4倍弱点のポケモンの採用率が高く、それらのサイクルに役割破壊の草技が刺さるのである。

 

そのためソーラービームを採用したドラパルトやジュラルドン、ウッドハンマーを採用したミミッキュをちらほら見かけるようになった。

 

ギャラドスの強さはパワーウィップを習得する点にある。

パワーウィップがなければ突破出来ないポケモンがかなり増えるのでここまで高い評価を受けることも無かっただろう。

 

カットロトムが何故増えたかも現環境の草技の強さを理解することで説明がつく。

 

・ガマゲロゲ

アーマーガアなどを採用する際にトリトドンやランターンと共にロトムの一貫を切るための選択肢として挙がるポケモンだが、ガマゲロゲは毒まも型でじわじわ削る型だけではなく、ステロを撒いて起点を作る型やすいすいダイストリームで全抜きを狙う型があり、他と比べて型の選択肢が広いのが特徴である。

そしてそのどれもが実用的で、組ませるポケモンによって柔軟に構成を変えられる強みがある。

特に、草技を覚えるためエースとしての強みがギャラドスと共通するすいすいダイストリーム型はエースとして止まり辛く制圧力に優れている。

その強さが認知されたのかシーズン終盤ではよく見かけるポケモンの一匹になった。

 

 

◆最終日

最終日によく見かけた構築やポケモンを記載する。

 

・サイクルパ

積んで全抜きされる動きはトリックルームで対策されるためか、最終日ではサイクル戦を重視した構築とのマッチング頻度が高かった。

トリパはタイプサイクルで誤魔化しが効きやすいのである。

 

受けループの他に、

 

攻めと受けを上手くブレンドした構築が該当する。

 

ドラパルト+サザンドラ+アーマーガア+ドリュウズの並びはシーズン最終日に特によく見かけたサイクルの並びである。

アーマーガアの苦手なロトムや炎タイプに他の3匹が睨みを利かせ、ドラパルトとサザンドラが苦手なミミッキュ等はアーマーガアで対応する。

対応範囲が広く強力な並びである。

 

・偽装

受けサイクルに見せかけた展開構築もよくマッチングした。

 

特に印象に残ったのは渦潮+欠伸で相手を逃がさず欠伸を入れて龍舞バンギラスなどに繋ぐ戦術である。

こういった戦術があることを理解していても初見で見抜くのは難しく、強力な戦術であり続けるだろう。

 

 

◆最終日によくマッチングしたポケモン

数が多いため別項目にて記載。

 

・ヒヒダルマ

単純に受けるのも対面処理するのも難しく対策が困難。

スカーフサザンドラの大文字で処理するのが流行っていたのかそれを耐えるヒヒダルマをちらほら見かけるようになり、対策の難しさに磨きがかかった。

 

・パルシェン

相手のダイマックスに対する切り返しとして優秀なだけではなく、受けポケモンや水ロトムを採用していない構築ではパルシェンの一貫が生まれやすい。

 

・トゲキッス

対面性能と崩し性能を両立しているポケモンは攻め+受けのサイクルに対して強い。

トゲキッスの対策が落ち着いたのもあり最終日ではマッチング頻度が高かった。

 

・エースバーン

ウインディにも言えることだが、バンギラスやサザンドラに打点のある炎タイプは現環境で攻撃範囲を一貫させやすく強力である。

徐々に評価を上げていき今ではよく見かける一匹となったポケモンであるが、エースバーンはアイアントを抜ける素早さから蜻蛉返りや火力を押し付けられる点や、襷を持たせた際の対面性能が評価されたのだろう。

 

・カビゴン

殆どが鈍い+眠る型。

対応範囲が広く、状態異常の一貫を切れる点が買われたのだろう。

 

・ジュラルドン

ドリュウズ全盛期の12月中旬では数を減らしていたが、アーマーガア+ドラゴンの並びに強いためか再び数を増やしていた。

 

・パッチラゴン

対策が面倒なギャラドスや、ロトム全般に強め。特にカットロトムまでカバー出来るのは非常に偉い。

それに加えて崩し性能に優れていてダイドラグーンのA下降が強く、ダイマックスを切ると苦手な地面タイプとも撃ち合える対面性能の高さがウリ。

おそらく今ではウオノラゴンの採用率を超えている。

 

・ルチャブル

他のダイジェット枠と違いバンギラスやドリュウズに強い。

また、特性かたやぶりのおかげでヌオーやミミッキュで止まらず環境に刺さっていた。

 

・タイプヌル

クッション性能が非常に高く、電磁波蜻蛉によるサポートが強い。

アイアントと組ませた通称ヌルアントと呼ばれる並びが注目されていたらしいが、筆者がマッチングしたタイプ:ヌル入りの構築はどれもアイアントが抜けていた。

 

 

◆感想

筆者が感じたことを簡潔に。

 

・想定されない戦術は強い

 

・最も環境に左右されにくい構築はサイクルパ

 

・セルフ天候エースが強い

ドリュウズの技を半減出来て水半減にタイプ一致の草技を撃てるルンパッパ強くない?

 

ランクマッチは複数プレイヤーからなるグループ同士の団体戦

私のようないつまでも一人でポケモンやってる古い人間は集合知に勝てなくなりつつあります。

 

 

◆シーズン2以降の抱負

シーズン終盤の最高順位は87位、最終順位は400位程。

シーズン1では計380戦ほど対戦しましたが、もっと強くなるには環境考察だけではなく構築力と実戦の積み重ねも必要だと感じたシーズンでした。

環境考察記事は今後も書き続けると思いますが、今後は構築の研究に力を入れていきたいですね。

 

【筆者の簡易的な自己紹介】

 

TN:ボル

現在マスターボール級2桁順位をうろうろ。最高実績は瞬間3位。(11/26)

 

 

 

【本題】

 

 

剣盾ではメタゲームを制した者が勝つ

 

剣盾環境は日々目まぐるしく変化している。

そこで、ここ半月の剣盾環境の激動の環境変化を、五日刻みでおおまかにおさらいする。

 

 

◆剣盾環境最初期(11/16~11/20)

 

・注目の新ポケモン

特性ごりむちゅうによる高火力と広い攻撃範囲を持ちアタッカーとして非常に強力なガラルヒヒダルマ、頑丈顎補正が乗る専用技エラ噛みによって超火力の水技で殴れるウオノラゴン、特性うのミサイルと堪えるのシナジーで高い対面性能を誇るウッウなどのアタッカーの他、

 

強力な再生回復技である力を吸い取るを覚え鬼火やステルスロックなど相手に負担をかける手段が豊富な輝石ガラルサニーゴ、タイプや特性とビルドアップ挑発等の習得技が噛み合い受けポケモンでありながら詰め性能に優れるアーマーガアなどの受けポケモンが注目される。

 

・ドラパルトとダイマックス

新ポケモンの中でもS142という圧倒的速さとドラゴン・ゴーストという受け辛い攻撃範囲を有したドラパルトの強さは抜きんでており環境初期から大流行。

ドラパルトの強さは素のスペックもさることながら新要素であるダイマックスとの相性の良さにある。

ダイホロウの追加効果がBダウンなので後出しから非常に受け辛く、更にダイマックスによってHPが2倍になることから撃ち合い性能が強化され、ダイドラグーンの追加効果のAダウンも相まり受けづらいポケモンでありながら高い対面性能を有している。

しかし、更にダイマックスと相性が良いポケモンが存在した。

 

・パーフェクトミミッキュ爆誕

ミミッキュの強さを支えていたZクリスタルがなくなった上に化けの皮の弱体化により襷型も成立しなくなり大きな弱体化を受けたミミッキュであったが、ダイマックスと非常に相性が良いことが発覚。

ダイマックスによる技威力の強化、HP上昇による撃ち合い性能の向上、ダイホロウの追加効果のBダウン、ダイフェアリーの追加効果のミストフィールド展開による状態異常のシャットアウト、これらの要素がゴースト・フェアリーというドラパルト以上に受け辛い攻撃範囲とHPを温存しつつ剣の舞を積める点と最高に噛み合うため、この頃から弱体化をものともしない圧倒的な強さを見せていた。

ダイマックスはミミッキュのための新要素と言わんばかりの相性の良さである。

 

・環境メタとして評価されたポケモン

環境最初期のこの頃はドラパルトとミミッキュの二強と呼んで良い環境であり、この二匹を中心にメタが考案されてゆく。

 

電磁波で足を奪ったり身代わり連打でダイマックスを枯らせられるオーロンゲ、高種族値でドラムアタックからの叩き落とすやウッドハンマーでドラパルトやミミッキュとのタイマンに強いゴリランダー。

 

ミミッキュに強く、剣の舞や角ドリルによる制圧力や崩し性能を持ち単なる環境メタの域には留まらない強さを持つドリュウズ。

 

電気技の一貫を切る選択肢が少ない中で最も採用率が高い地面タイプであるドリュウズに打点を持ち、鬼火やトリックによる妨害も出来るロトム。

 

物理型のドラパルト、ミミッキュ、ウオノラゴン、ウォッシュロトム等、挙げればキリがないほどに誤魔化せるポケモンが多いナットレイ。

 

この時期に注目されたポケモンはおおよそこのあたりであろう。

 

 

◆環境が動き始めた頃(11/21~11/25)

 

・ギャラドスの全盛期

自信過剰とダイジェットの相性の良さやパワーウィップの習得によりウォッシュロトムで受けられなくなったことによる攻撃性能の高さが注目を集めギャラドスが大流行。

 

ギャラドスの活躍によってダイジェットの強さが注目され、ダイマックス前提だと圧倒的な制圧力を誇るサンパワーリザードン、ミミッキュで止まらない型破りルチャブル、新規習得技の悪巧みとダイジェットが噛み合うスピンロトムの採用も見られるようになった。

 

・受けサイクルの台頭

物理型のドラパルトやミミッキュどちらも受けきれる混乱実(最大HPの1/3回復)を持たせたアーマーガアやクレベースが実績を挙げるなど、環境に蔓延るアタッカーを受けきることが出来る受けポケモンがこの頃から次第に増えてゆく。

 

流行しているギャラドスを受けられる他、環境初期に流行ったポケモンがロトムを除いて総じて物理寄りな点も相まりこの時期の受けポケモンの詰ませ性能は非常に高かった。

 

・ジュラルドン

トップメタであるドラパルト、ミミッキュ、ギャラドスに強めであること、ドヒドアーマーガアのような受けの並びに電気技が一貫していたこともありジュラルドンが評価されこの時期に爆発的に数を増やした。

 

・ドラパルトの型の多様化

対策が進んだことで龍舞ドラパルトは環境から消え、ミラーを意識したスカーフ型や鉢巻不意打ち型、ナットレイやアーマーガアを崩すために炎技を採用した無邪気両刀型、果ては耐久に振った弱点保険型が登場するなどこの時期からドラパルトの型が多様化していく。

 

・逆風が強くても活躍するポケモン達

種族値を下げられ、毒々も奪われ、ダイマックスとの撃ち合いに弱く自身もダイマックスとの相性が悪いギルガルドは環境に適応出来ず数を減らしたが、気合の襷を持った型の撃ち合い性能が評価され環境から消えるまでには至っていない。

同じくミミッキュに弱くダイジェットの起点になるローブシンも環境的な逆風が強いが、苦手なポケモン以外との撃ち合い性能の高さから一定の採用率を維持している。

 

・総評

ミミッキュを受ける手段が開拓されたこと、ドラパルトがミラーを意識して火力の高い型が減ったこと、強力な崩し枠が未開拓であったなどの理由から受けサイクルが最も強かった時期だと言える。

育成を終えたプレイヤーも増え始め、この時期を境に環境が目まぐるしく変化していく。

 

 

◆環境メタの激化(11/26~11/30)

 

・強力な崩し枠の登場

この時期から一気に数を増やしたのがサザンドラとトゲキッスである。
サザンドラは悪巧みを新規習得したことに加えてダイアークのDダウンも合わさり非常に崩し性能が高い。

同じくトゲキッスも悪巧みを覚え、広い攻撃範囲にエアスラッシュの六割怯みも合わさり非常に受け辛く、更に崩し枠でありながらダイジェットによる高い撃ち合い性能と抜き性能を持っている。

この二匹は単なる崩し枠としては留まらない強さを持つため爆発的に流行した。

 

この二匹が台頭した理由は流行していた受けサイクルを崩せるからであり、崩し枠の起点にされやすい受けポケモンは次第に数を減らし、受けサイクルは構築の組み換えを余儀なくされる。

 

・弱点保険バンギラス

崩し枠が増えたなら当然それを潰すための潰し枠も登場するのがメタゲームというものである。

トゲキッスとサザンドラが流行したことで、ダイマックスすることでダイフェアリーもダイスチルも二発耐えて返しの攻撃で倒すことが出来る弱点保険バンギラスが対策枠として注目を集める。

鋼技を採用してダイスチルを撃つことでミミッキュとのタイマンすら勝つことが出来る撃ち合い性能の高さから、単なる環境メタには留まらずこちらも爆発的に流行。

 

・環境メタとして注目されるポケモン達

この時期に目立って数を増やしたのがこの三匹である。

ドサイドンはトゲキッスやバンギラスに強く、剣の舞による崩しが可能で、ダイアースやダイロックで特殊耐久を強化出来る。

パルシェンは環境に多い物理ポケモンを起点にして切り返しが可能で、環境に受けポケモンが減ったことが追い風となっている。

パッチラゴンはロトムの一貫を切りつつ高火力の電気技を撃てる点が評価されて数を増やしているのではないだろうか。

 

・総評

ダイスチルと弱点保険の強さが目立った時期と言える。

 

まず、現環境は物理ポケモンが幅を利かせる環境であるためダイスチルが非常に強い。

その中でも特にサザンドラとバンギラスはダイスチルによる恩恵が大きく、天敵であるミミッキュを対面から突破しうる性能を持つようになった。

HPの上昇によって一撃で倒されなくなった結果弱点保険が活かしやすくなった点については言うまでもないだろう。

 

ダイマックスによるHPの上昇とダイジェットによって撃ち合い性能と全抜き性能が強化され、更に弱点保険とも相性が良く数々のシステムを味方に付け超強化されたトゲキッスの強さは他のダイジェット枠を駆逐するレベルであり、剣盾環境最強ポケモンの一角と呼んでも過言ではない。

 

事実、トゲキッスの台頭と同時にギャラドスは早々と数を減らしている。


 

◆現在(12/1~)

 

トゲキッス、サザンドラ、バンギラスを中心に環境が動いている。

 

・アイアント

環境にミミッキュ、トゲキッス、サザンドラ、バンギラス等の中~低ポケモンが幅を利かせていたせいか、これらのポケモンに強く、受けの並びすら崩しうる攻撃範囲と火力を持った張り切りアイアントが結果を残し注目を集める。

ダイマックスを割かないと命中不安かつ、上から特殊技で殴られると簡単に倒される脆さはあるものの、その強さは本物であり上述のポケモンを採用する構築では対策が必要になるだろう。

 

・欠伸によるダイマックス対策

トゲキッス、サザンドラ、バンギラスなどは弱点保険を発動させなければこれらのポケモンで比較的受けやすく、後出しから欠伸で流すことが出来る。

 

ただし、カバルドンやヌオーを想定した特殊バンギラスも一定数存在する。(というより今は特殊のほうが主流かも?)

 

・"攻め"のアーマーガア

アーマーガアを見て選出されるドラパルトやバンギラスは大文字を持っていること、サザンドラやトゲキッス等の崩し枠に起点にされることから、ビルドアップ+身代わりor挑発を採用した詰め筋としてのアーマーガアが目立ってきた。

 

・サポート要員としてのドラパルトやロトム

鬼火や電磁波を採用したドラパルトやロトムは元々どちらも一定数は存在していたが、この時期から目立ってきた印象を受ける。

これらのポケモンで場作りを行いトゲキッスや攻めのアーマーガアに繋げる戦術は最近の環境でよく見られる。

 

・総評

アイアントの項で説明したように、現環境は遅いポケモンが多いので上から高火力を押し付けられるポケモンが強い。

また、トゲキッス、サザンドラ、バンギラスなどの受けるのも殴り勝つのも難しいポケモンが流行したことで、鬼火や欠伸などの補助技で流す対策が目立ってきた。

これらのポケモンとまともに撃ち合っても弱点保険を発動させてしまうため、撃ち合いを拒否する対策方法の流行が見えてくる。

 

 

 

【今後の環境の考察】

 

◆状態異常技の拒否

状態異常技によって撃ち合いを拒否する戦術が増えるなら、それを拒否する型が増えるのは当然の推移である。

身代わり持ちが増えるのは当然として…

 

まず、これらのポケモンがラムの実を持つようになる。

 

そして欠伸を拒否する崩しの枠としてブリムオン、エーフィ、タチフサグマは環境に刺さるようになるだろう。

 

特に、特性込みで高い物理耐久を持ち、火炎玉で状態異常技の一貫を切ることが出来て、黒い霧で能力上昇をリセット出来るミロカロスはこれから環境に増えていくのではないだろうか。

 

 

◆広範囲の高速アタッカー

現環境は全体的に遅いため上から殴れるポケモンがシンプルに強い。

取り巻きで上手く削って一貫を作る戦術が通りやすいのではと読んでいる。

 

広範囲高火力のスカーフヒヒダルマや、サザンドラを受けポケモンで受けたくない現状だとスカーフサザンドラはシンプルに強い。

 

個人的な注目株はこのポケモンである。

アイアントより速く、バンギラスやドラパルトに打点があり、不利対面では蜻蛉で逃げられる。