腰椎を安定させながら動かすということ | jj

腰椎を安定させながら動かすということ

頸椎も腰椎も動かなければ困る、かと言って、背骨の中には神経が通っているので、神経が圧迫されたり、傷ついてしまうほどに動いては困る。動きすぎず、動かなすぎずのちょうどよい加減を作っているのが筋肉です。

 

首回り、腰周りの筋肉たちが硬くなったり、柔らかくなったりで微妙に働くことで、背骨を曲げても変にズレないように制御しています。

 

例えるなら、大玉乗りをするピエロが、玉の転がりに合わせて玉が右に転がれば、右足をちょっとだけ動かして、左に転がれば左足をちょっとだけ動かして、常に玉の真ん中に乗ってバランスをとっているような感じです。

 

ただ違うのは頸椎、腰椎は頭や、上半身を支えることもしているので、ピエロが玉の中心から外れたところに立ったときでも落ちないようにしています。そのため筋肉は背骨がズレないように細かく修正するだけではなく、運動会の綱引きで、赤組と白組の綱を引く力が拮抗して真ん中にぶら下がっているリボンが動かないような微妙な押し合い引き合いをしています。

 

重量があり、持ちあげるのが大変な食器棚があります。その中には首が長く不安定なワイングラスが入っています。食器棚の置く位置を2センチくらいだけずらしたいとき、ちょっと力を入れすぎると動きすぎてしまうし、力が足りなければ動かない。動きすぎて大きなショックを与えてしまったならワイングラスは倒れて壊れてしまうかもしれません。重いものを微妙に動かして必要な位置に収めることは大変です。もし上半身が食器棚で、ワイングラスが神経だったなら頭で思った通りに体を動かすことは大変なことです。