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原因は年のせい?

「年のせい」

痛みの原因を年齢のせいにするときの言葉です。

 

「若くないから」

姿勢の悪さを指摘されたときに思わずでる言葉です。

 

「古い」イコール「ボロ」ではありません。

「古い」イコール「汚い」ではありません。

 

これって、家で考えるとわかりやすい。

古い家はみんなボロいわけではない。

古い家はみんな汚いわけではない。

 

年齢を重ねると必ず不具合も出てきます。

疲れも抜けづらくなります。

筋肉も付きづらくなってきます。

でも、そういうもの。

 

 

 

 

腰痛の始まり

病院では3ヶ月以上治らない腰の痛みを”慢性腰痛”といいます。

”何となくいつも腰が重い”という人が、整形外科を受診したら「慢性腰痛ですね」と言われると急に病気になってしまったように感じてしまいます。それまではただ腰が重かっただけなのに、指摘されたことで腰痛患者になってします。

 

僕は学生のとき、腰痛の治療のために鍼灸院に通っていました。

ある真夏の暑い日に自転車に乗り、Tシャツに短パンで治療を受けにいきました。

治療ベットに横になると、先生が僕の足を触ってこう言いました。

 

「すごい冷え性だね。足がすごく冷たい」

 

それまでも、いつも足が冷たいとは感じていましたし、冬は足が冷たくて眠れないなんてときもありました。

でも、そういうのが冷え性だとは思っていなかったので、僕はその日から冷え性になってしまいました。

でも、冷え性と気がつくことができて、それからは冷やさないことを心がけるようになりました。

 

僕の腰痛は、瞬間的にピキッと痛いというよりも、常にズーンと重いという痛み方で、いつも腰の筋肉が張っている感じでした。

腰を痛めた最初の頃は、自分では腰痛という感覚は少なく「いつも筋肉が張っている」「腰のこわばりが取れない」という感覚でした。

スポーツをやっている人は体を酷使すると、筋肉はこわばるものという感覚がいつものこと。当たり前のこと。という感覚があると思います。

それがずーと続いている感じでした。だから疲れが取れれば腰の張りもそのうち取れるだろうと軽く考えていました。

 

そのときの僕は、自分の中では腰痛患者ではなく「ただの腰の筋肉の張りが取れづらい人」でした。

今考えれば、腰の張りが続いたときに軽く考えず対処しておけば10年以上も腰痛で苦しむことはなかったかもしれないと思います。

もし、この症状はただの腰の張りではなく腰痛の始まりなんだと知っていればと思えば、残念でなりません。

腰椎は動きが良いから変わりに動く

腰椎は構造的に不安定だけど、その分動きが良い。

その動きやすさは、腰まわりを動かすことに貢献するばかりでなく、腰以外の他の部分の動きを、変わりにおこなうということもあります。

難しい言葉で言うと「代償動作」と言います。

 

股関節と腰の関係でいうと、本来は股関節が行うべき動きを、股関節の変わりに腰が変わって動くということです。

判りやすく説明するために、前屈の動作を分解して考えてみます。

前屈は立った状態から、膝を曲げずに床に向かって手を伸ばしていきます。

最初は股関節から折るようにして上体を倒していきます。ちょうどガラ携を二つ折りにするような感じです。

ここまでが股関節の動きです。

次に腰を丸めることで更に手を床に近づけていきます。

この時点で、股関節+腰椎です。

このあとは、バンザイするように肩甲骨から腕を伸ばしながら、腰椎、胸椎、頸椎も丸めていきます。

股関節を折る柔軟性がとても高い人は、背中を丸める必要がありません。

逆に、股関節の柔軟性が低い人は、背中をの曲げ方を大きくます。股関節の代償動作として背中を丸めるのです。

腰椎は動きが良いので、本来は股関節の動作を腰椎が受け持ってくれるのです。

 

床に置いてある荷物を持ち上げるときに、お尻を後ろに突き出して、腰を丸めないようにして足で持ち上げるようにすると腰に負担を掛けないと言われます。この動きは股関節を折る動作ですが、背中を丸めてしまう持ち上げ方は股関節の動きを腰椎が代償した動作になります。

 

 

動かない部分があると動きすぎる部分が出てくる

腰痛になると、腰椎が不用意に動かないように筋肉で固めるようになります。

この働きは体を守るために、自分の意志に関係なく体が勝手におこなっているものです。

ただ動かない部分があると、その部分の動きを補うために、他の部分が余計に動くようになります。

 

例えば・・・

首を寝違えたり、首コリのせいで後ろを振り向けないときは、本来首の動きでおこなう動作を、変わりに上半身ごと動かして後ろを向きます。

車の運転でバックをするときなどです。(最近の車はバックモニターで後ろを映し出しているので振り向くことも少なくなりましたが・・・)

 

他にも、足首を捻挫したときに、痛みで足を付けないようなときでも、人はびっこを引いてでもどうにかして歩きます。

ただ、足首の負担を他の部分で補っているために、「かばっていて腰が痛くなった」というように別のところを痛めてしまうことがあります。

これが他の部分が余計に動いた結果です。

 

腰に限らず、使いすぎで体を痛めることがあります。英語ではオーバーユースと言います。

スポーツをやっている人は、よく経験する痛みです。

しかし、本人としては使いすぎというほどは使っていないと思うときもあります。

そんなとき、実は別の動くべき部分が動かずに、変わりに痛めた部分が動作を補っているということがよくあります。

 

 

 

腰の筋肉が硬くなる理由

腰椎は動きが良いということをお話ししました。しかし腰痛患者の腰は動きが悪いのです。

もともとは動きが良かったのですが、体としては動きすぎて神経を傷つけては困ります。

そのため、動く(不安定)よりも、動かない(固定)のほうを選びます。

それのほうが、リスクは小さいからです。

 

腰椎が動かないように固定しているのは筋肉です。

腰周りの筋肉を緊張させることで、本来動きが良い腰椎を一本の棒のようにして動かなくしています。

 

だから腰痛持ちの人の腰はカチカチに硬くなっています。

カチカチに硬くなっていると血行も悪いので、筋肉の中で痛みを出している物質もそこにとどまったままで、居座り続けます。

体は痛いとズレてしまうと思い、また硬くしていきます。

痛いから、動かさない。動かさないから血行が悪くなると、負のスパイラルに入ってしまいます。

 

ボタンの掛け違えのせいで腰痛改善を諦めていた

大学生のとき腰痛を完治することをあきらめていたのは、ボート競技をしていることが腰痛の原因だと思っていたからです。

そのため「ボートをやめれば腰痛は治る」逆に言うと「ボートをやめなければ腰痛は治らない」と思っていました。

 

整形外科で腰痛の原因を特定できるのは15%、残りの85%は原因を特定できないと言われています。

僕の腰痛も85%の中の一つでした。そのため根拠もなくボートを悪者にしていました。

結果的にはボート競技を引退しても僕の腰痛は改善しませんでした。

 

「ボートが腰痛の原因」と思い込むことで、腰痛改善をあきらめてしまっていました。

スタートの考え方が違っていたのです。これが掛け違えたボタンの最初でした。

腰痛を長く腰痛を患っている人は、今の痛みだけとってもダメ(2)

「本気で良くなってもらいたいと考えていることを、患者にビシビシ感じてもらう」

 

なぜ、この提案をするのか?

この提案がベストだと言える理由は何か?

患者にとってのメリットは何か?

自分がその課題に対して真剣に考え抜いたか?

 

 

1、説得力を上げる

①まず問題点を指摘する

②相手を驚かせるような新事実や、気づきを与える(客の知らない事実を示す)

③②を体の変化で実感してもらう

④問題の解決策を提案する

 

2、近い将来のスモールビジョンを描く

いきなりゴールに到達することはできないから、一段づつ階段を昇っていく

また、それを患者に説明し理解してもらう

 

 

長く腰痛を患っている人は、今の痛みを取ってあげるだけではダメ(1)

一回で腰痛を治してあげたいと思って、指先に念を込めて施術しています。

でも腰痛が出ない体にするにはどうしても時間がかかります。そのことを理解していただくのはとても難しいと感じています。

 

ほとんどの長く腰痛を患っている人は、今の痛みが取れれば腰痛が治ったと思い、そこから先の治療をやめてしまいます。

でも本当は、痛みが無くなってからの治療の方が大切なんです。

というのも、長く腰痛を患っている慢性腰痛の人は、無意識の体の動かし方が腰痛を出すような動きをしています。

それは、筋力の問題であったり柔軟性の問題であったり、長年の体の使いかたの癖だったりします。

 

無意識の体の使い方の癖というのがやっかいで、これを改善するには、脳みそに正しい動き方を覚え込ませないといけないのです。

野球やゴルフで言えば、素振りです。意識しなくても正しい動きができるように、何度も何度も良い動きを繰り返します。

自転車に乗る練習は、最初はハンドルを両手で握ることを意識し、ペダルをこぎながら勢いをつけて、反対の脚でもペダルをこいで・・・・・・と考えながら、考えながら集中して正しい動作を繰り返します。慣れてくると漕ぎ方、乗り方を意識しなくても乗れるようになり、そのうち考え事をしながらでも、片手でアイスを食べながらでも乗れるようになります。

 

腰痛を出している体の使い方は、患者さん本人は無意識にしている動作のため、そのことにまったく気づいていません。気づいたとしても筋力不足や柔軟性不足で意識してもできないこともあります。

 

なので、慢性腰痛を改善していく順番としては

①今ある腰の痛みをとる

②腰痛をだしている原因となっている筋肉の状態を改善する

③腰痛を出している体の使い方や姿勢を改善するためのトレーニングをする

 

多くの人は①で満足してしまい、何度も腰痛を繰り返しています。

慢性腰痛の人には②、③が絶対に必要ですが、その必要性をわかってもらうには、しっかり説明して理解していただく必要があります。

つまり患者さんのためにプレゼンの能力を磨く必要があります。

理解いただけないまま、②に移行していくと、患者さんは腰痛は治っているのに通わされていると思い、こちらとしては”患者さんのために”と思っておこなっていることが、逆効果となってしまいます。

 

腰椎を安定させながら動かすということ

頸椎も腰椎も動かなければ困る、かと言って、背骨の中には神経が通っているので、神経が圧迫されたり、傷ついてしまうほどに動いては困る。動きすぎず、動かなすぎずのちょうどよい加減を作っているのが筋肉です。

 

首回り、腰周りの筋肉たちが硬くなったり、柔らかくなったりで微妙に働くことで、背骨を曲げても変にズレないように制御しています。

 

例えるなら、大玉乗りをするピエロが、玉の転がりに合わせて玉が右に転がれば、右足をちょっとだけ動かして、左に転がれば左足をちょっとだけ動かして、常に玉の真ん中に乗ってバランスをとっているような感じです。

 

ただ違うのは頸椎、腰椎は頭や、上半身を支えることもしているので、ピエロが玉の中心から外れたところに立ったときでも落ちないようにしています。そのため筋肉は背骨がズレないように細かく修正するだけではなく、運動会の綱引きで、赤組と白組の綱を引く力が拮抗して真ん中にぶら下がっているリボンが動かないような微妙な押し合い引き合いをしています。

 

重量があり、持ちあげるのが大変な食器棚があります。その中には首が長く不安定なワイングラスが入っています。食器棚の置く位置を2センチくらいだけずらしたいとき、ちょっと力を入れすぎると動きすぎてしまうし、力が足りなければ動かない。動きすぎて大きなショックを与えてしまったならワイングラスは倒れて壊れてしまうかもしれません。重いものを微妙に動かして必要な位置に収めることは大変です。もし上半身が食器棚で、ワイングラスが神経だったなら頭で思った通りに体を動かすことは大変なことです。

頸椎と腰椎の可動性が高い理由

前回、頸椎と腰椎は達磨落としのように、背骨が重なっている構造をしているので、可動性は高いがズレてしまいやすいことをお伝えしました。

では何で良く動くような構造をしているのでしょうか?

 

頸椎は、頭を支えています。頭には目、耳、鼻と外部からの情報を得る器官が集中しています。

人は、それらの器官が体の一番高いところにあることで、遠くからの情報も得やすくなると言われていますし、頭が自由に動くことで情報を色々な方向から取り入れやすくなります。頸椎は頭を自由に動かすために可動性が高くなっています。

 

腰椎は胴体部分の可動性が無いと運動能力が落ちてしまいます。もし腰椎にも肋骨が付いていたなら現在のように自由な上体の動きはできなかったはずです。ちなみに鍛えられた腹筋はシックスパックと言われ、6つに割れています。これにより上体を前に倒したり、ひねったりすることができます、これはブルトーザーなどについているキャタピラを思い出すとわかりやすいと思います。キャタピラはひねることがないので真ん中で割れてはいませんが、腹筋のスリーパックがいくつもつながって、輪になっています。もしキャタピラに切れ目が無かったら、回転することはできません。腹筋も6つに割れることで上体の可動性が上がるようにできています。

 

頸椎も腰椎も中には、神経が通っています。もし切れてしまったら大変です。切れないようにするには動かないようにすることが一番簡単ですが、切れるかもしれないというリスクをとっても頸椎と腰椎は可動域を得るように進化しています。

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