深度6「野辺山高原・天空列車」の巻
長野県の避暑地・野辺山高原に撮影ロケーションを探しに行ってきた。
ストーリーは、農夫のお爺さんと、孫が広大な畑で収穫を行うというもの。
真夏の日中ながら気温は18度。朝ともなれば13度まで下がるらしい。
視界に収まりきらない畑は、キャベツ・ハクサイ・レタスという青葉系のものばかり。
中でも日本のレタス発祥の地として知られている。
戦後、進駐軍が滞在中、レタスが日本になかったため、この野辺山の農家で栽培させたのだ。
日本の食物が何銭という単位で取引されていた時代に、アメリカ兵は円単位で支払っていったという。そのためレタスはまるで打ち出の小槌、作れば作っただけ農家は金持ちになっていった。
野辺山は高原地帯とは思えない、地下水が豊富なところ。作物を育てるにも絶好の環境なのだ。
レンゲツツジが野山を紅色に染め、ショッキング・オレンジのこまどりがさえずる。
冬はマイナス20度に達して、湯川渓谷を氷のカーテンで埋め尽くす。
天空の里ともいわれる野辺山は、日本一高い場所を鉄道が走っている。
最高地点は1375m。JR小海線は勇壮な八ケ岳山麓を駆け抜ける。
八王子からなら車で一時間半ほど。東京の人もぜひ、天空列車に乗ってほしい。
いつも見上げる新宿のビル群よりも高い高い空の旅をして、
都会で縮んだ背中を伸ばしてみてほしい。