『がんばってるね』の一言があったら、とても嬉しい。それだけでがんばれる。 | 考える力が育つ子育て講座

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『指示待ち人間には、育って欲しくない!』子どもの『やる気』を引き出し、自分の頭で考え行動する力が自然と育つ、コミュニケーション術

『がんばってるね』の一言があったら、とても嬉しい。それだけでがんばれる。

「学校にいきたくない!」

と、突然言い出し、朝からお母さんと口論になった中学生の子と、電話で話をしました。

話をしたといっても、話を聴くのが8割、沈黙の時間もかなりありました。

ひょっとしたらお母さんは、お子さんが学校に行くように説得してくれると、期待していたのかもしれません。

その期待に反して、その子に電話を変わって伝えたのは、

「おじさんは、君を学校に行きなさいだとか説得するつもりは、まったくない。ただ、君の話をよく聴かせて欲しい。」

ということでした。

守秘義務があるため、詳しい内容を書くことはできませんが、その様子から、大人と子どもの狭間で揺れる動く、思春期特有の心の葛藤が伝わってきました。

「がんばろう!がんばらなくっちゃいけない!」と、本当はわかっていているんだけど、なんだかやる気が出てこない状態です。

そんなことって、大人でもよくありますよね。

で、質問してみました。

「もし、お母さんや、お父さんに、何か助けを求めるとしたら、どんな助けがほしい?」

と。

すると、

「助けはべつに必要ないけど、『がんばってるね』の一言があったら、とても嬉しい。それだけでがんばれる。」

と言っていました。

とても印象的な言葉でした。

私も、身近な家族に対しては、ともすれば心から承認することを忘れがちです。

それに、同じ言葉でも、真心から発している言葉か、打算的な気持ちから発せられている言葉かは、受け取る側は敏感に感じ取ります。

とにかく、心の重荷をとるには、まず話を聴いてあげ、その子の「今、ここ」を認めてあげることしかないんじゃないかな。今回は特にそう感じました。

それが、その子にとっての「現実」「事実」なのだから。

大人の判断や意見は、その後でも十分に間に合います。

結果、その日は学校を休む選択をしましたが、翌日は何事もなかったかのように、学校に行ったようです。

心の休養になったんじゃないのかな。

とても才能ある子なので、将来が楽しみです。