11月18日(日)15時30分~17時30分新座体育館

参加者4名
師家、女性門人、男性門人、私

本日参加した男性門人が、腰切棒術だけタイミングが合わず部分的にしか習ってないという事で、

今回の稽古は師家が腰切棒術の基礎(棒の長さの意味や棒の持ち方、手幅の大事等)から解説をしてくれました。

私が主催している世田谷支部には入門したばかりの方が2名おり、ちょうど腰切棒術を一から始めている時だったので、実にタイムリーな稽古内容で有難かったです。

また、円空流の腰切棒の長さは便宜上、三尺を使っていますが本来は別の長さで、それが修験道に密接に関わっているという口伝を教わる事ができたのは、個人的に大収穫でした。

私が主催している世田谷支部では修験武術としての円空流を追究しているので、将来的にはこの口伝の棒をこしらえてみたいと思います。

次に基本の打ち方を師家が一から解説してくれました。

世田谷支部でも、現在二名の門人のために、基本の構え、打突払、受けに関するテキストを、私の稽古帳を元に作成している最中だったので、その作業の過程で生じた幾つかの基本に関する疑問も自然な流れで師家に確認できました。

基本の打ち方といえども細かい所に口伝があり、

含みとしていつでも受けや打ちに転ずる事ができる構えの口伝は実伝を受けた証です。

それは棒を振りかぶる動作一つだけでも見れば、その人がちゃんと習っているか、いい加減に稽古してきたかが一発でバレてしまいます。

これが古流武術の恐ろしいところで、一見無意味に見えるような細かい所作事にも口伝があり、

見る人が見ればこの人はこの程度なんだなと見抜かれてしまいます。

それが指導者の立場であれば、自分自身だけでなく自分の弟子も同じように見られてしまいます。
もちろんそれは弟子の責任ではありません。

流派の看板を背負って指導をする人間にはそれだけの重い責任があるという事です。

私が10年近く前に円空流に入門した時には杖道三段を持っていて、杖と腰切棒と似ている部分も多く、自分の中で、

これはあれと同じ技法だと混ぜて理解していた事がありました。

しかし講習会等で円空流の指導に携わるようになってから、そのような習い方で得たものを、円空流師家に習いに来ている人に教えては失礼だと気付き、円空流としての基本を一から見直し、今に至っています。

例えば円空流の基本をしっかりやっていれば、形稽古の次の段階としての応用の乱取に入った時に、円空流の理合が根幹にあった上で他武道経験が個性として加味された円空流の動きとなります。

しかし基本から他武道を混ぜるような事をして円空流としての基本を正しくやらなければ、
ボタンの掛け違えと同じで、自己流の劣化コピーによる手前勝手な応用になってしまい、

当たり前の事ですがそれは円空流とはいえません。

先の抜刀術講習会で師家が自ら地味できつい基本の歩法を率先して門人に示した意味を指導者は重く受け止めなければなりません。

最後に、基本稽古に倦んできた時に私が自戒するために思い出す持田盛二先生の言葉を紹介します。

『剣道は五十歳までは基礎を一生懸命勉強して、自分のものにしなくてはならない。
普通基礎というと、初心者のうちに修得してしまったと思っているが、
これは大変な間違いであって、そのため基礎を頭の中にしまい込んだままの人が非常に多い。
私は剣道の基礎を体で覚えるのに五十年かかった。

私の剣道は五十を過ぎてから本当の修行に入った。心で剣道しようとしたからである。
六十歳になると足腰が弱くなる。この弱さを補うのは心である。心を働かして弱点を強くするように努めた。

七十歳になると身体全体が弱くなる。こんどは心を動かさない修行をした。心が動かなくなれば、相手の心がこちらの鏡に映ってくる。
心を静かに動かされないよう努めた。

八十歳になると心は動かなくなった。だが時々雑念が入る。
心の中に雑念を入れないように修行している。』

50年掛けて基礎基本を体得する姿勢には頭が下がります。


円空流の基礎基本を根幹に、流派の原点回帰としての修験武術を探究する世田谷支部は、まだまだ発足したばかりですが、宜しくお願いしますm(__)m

円空流公式HP
http://www2.tbb.t-com.ne.jp/enkuuryu/

円空流棒術世田谷支部

(世田谷支部なのに会場の関係で江東区で活動してます)

金曜か土曜日の18時30分~21時に月1回開催

(次回は未定ですが人数も少ないので希望の日の連絡があり日程が合えば開催も可です)

会費 1回1000円(不定期開催なので参加した時だけ頂きます)

(入門に際しては本部に入門料2000円を納めて頂きます)

★清瀬支部 清瀬教室日程★
場所;清瀬けやきホール4F小ホール 清瀬市元町1-6-6 清瀬駅北口徒歩三分
11月22日(木) Pm7時~9時