12月22日(日)13時00分~15時00分

参加者3名

師家、私、男性門人

剣術の形を私が打太刀、男性門人が仕太刀で、表形とその応用を一通り行いました。

ある形で

打太刀が仕太刀の上段構えの下小手を切りに行き、仕太刀は半歩下がり避ける動作を

男性門人が下がらずに逆に前に出てきたので、顔の前にある太刀に自ら当りに行く形になり、顔の近くを当ててしまいました。

打太刀の私は咄嗟に太刀を引いたのですが間に合わず、当たった事は当たってしまいましたが、太刀先を引こうとしたおかげで怪我はありませんでした。

しかし例え仕太刀が動作を間違えてしまったからと言っても、当ててしまったのは打太刀の私の責任となります。

それは日本古流武術では打太刀は上位者がやり、仕を導き指導する教授スタイルが伝統となっているからです。

打太刀は仕が形通りでないどんな突拍子のない事をしてきても、その変化に対応できなければ上位者ではありません。

また、正しい動きになるように導いてあげるのも打太刀の役目です。

それを、古流武術の打太刀の指導者的役割の意味を理解せず、実戦派と称して打太刀がただ力いっぱい太刀を振り回すような稽古をしては、気合と根性とやせ我慢は身に付くかもしれませんが、流派の理合を学ぶための稽古にはなりません。

円空流の話ではありませんが、相手の切りを一文字に受けてから捲き落とす形で、全身全霊の力を持って体ごと思いっきり打ち込んで来る人がいて、これを何が何でも形通りに一文字に受けるのは逆に理にかなってないので、受けずに体を捌いたところ、案の定、相手は前につんのめって自分から崩れたので首の後ろを切る動作で勝ちを示した事がありました。

このような相手が一文字で受けると決め付けて自分の姿勢を保てないような力任せにの切り方で切ってきて避けられてしまったら何もできなくなる打太刀では武術の理に全くかなってません。

打太刀は相手が一文字に受けないなら手の内で切り返せるように姿勢を保った切り方をしなければ術と名の付く武術の稽古としてはお粗末過ぎます。

そのような切りは受けて捲き落す必要すらなく、体を捌くだけで十分なのが武術の理です。

形を通して何を学ぶかという『目的』を理解せず、打ちを一文字に受ける形の動作という『手段』にこだわり、ただ力任せに打ち込む事が『目的』になるようなのは本末転倒で、形稽古ではなく、ただの力比べです。

棒術でもたまに棒を放り投げるように打ち放つ人を見かけますが、これもコントロールがきかない危険な打ち方で、しかも避けられたらすぐに反応できないので、常に手の内に棒を通わせいつでも棒を止められるように扱えていれば、いつでも切り返す事ができ融通無碍に応用がきく打ち方ができるようになりますし、不測の事態でも咄嗟に止める事ができ怪我防止になります。

打太刀が変な切り方や耐え方をして流派の形の理合の稽古ができないようでは打太刀は失格です。

もちろん応用としてはどんな切り方や耐え方にでも対処できなければなりませんが、基本があってこその応用です。

流派の基本を理解していない切り方や耐え方をするような打太刀をして、実戦(?)ではこうだと自己流をやりだしたら、流派の稽古ができず、誰からも相手にされなくなるは時間の問題です。

現代武道の昇級昇段審査の都合のためか初心者の段階から打太刀を気軽に行ってしまい、打太刀の指導者的役割という伝統的な意味が薄れている昨今、古流武術修行者として守るべき伝統は守りたいものです。


円空流公式HP
http://www2.tbb.t-com.ne.jp/enkuuryu/

円空流棒術世田谷支部

(世田谷支部なのに会場の関係で江東区で活動してます)

金曜か土曜日の18時30分~21時に月1回開催

(次回は2月9日予定ですが人数も少ないので希望の日の連絡があり日程が合えば開催も可です)

会費 1回1000円(不定期開催なので参加した時だけ頂きます)

(入門に際しては本部に入門料2000円を納めて頂きます)

★清瀬支部 清瀬教室日程★
場所;清瀬けやきホール4F小ホール 清瀬市元町1-6-6 清瀬駅北口徒歩三分