2月17日(日)15時00分~17時00分

参加者2名 (師家、私)

今回は剣術の応用技を習いました。

師家によると他の門人から

「歩法が難しい」

と言われたとの事でしたが、
これは腰切棒術の裏形に出てくる足使いと同じなので、

太刀と腰切棒と得物は違えど腰切棒の裏形で既に習っていればできて当然と見られます。

円空流に伝わる各種体系、腰切棒も長棒も骨指も居合も剣術も柔術も、みな共通した身体の使い方があり、共通した理合があります。

それを

「剣術では習ってません」

と言い訳しては

「私は習ったことを理解してません」

と言ってるのと同じです。
もちろん、得物の形状が変われば間合いも変わり、構えが変わるものもありますが、根底に共通した理合は同じです。

それを武器術ごとに別物として理解していたら膨大な形数の収拾がつかなくなり形の手順を追うだけでいっぱいいっぱいになってしまい、武芸十八般全ての習得などできるはずがありません。

かといって他流他武道経験者は、他流他武道までもみな同じだと混ぜて学ぶのは危険です。

流派の理合をろくに理解せずに、他流他武道のあれもこれも同じ理合だと中途半端にこじつけた結果、肝心の基本が乱れていると指摘されては元も子もありませんので。

かつては私も師家から

「おかしいな、教えたはずなんだけどな」

と言われ、

「習ってないのになぁ」

とぼやいていた事もありましたが、

各種体系に共通している理合に気付き各種武器術や体術が全て繋がってからは、師が言う

「教えたはず」

の意味が、別の体系では既に教えているぞ、と言っているのだと理解できました。

少なくとも習った事をろくにメモせずに、稽古の直前にビデオや口伝書をちょこっと見て、
せっかくの稽古の時間を形を思い出して終わるような習い方をしていると、いつまでたっても共通した理合の理解はできないでしょう。

今の時代はデジタルビデオカメラという便利なものがあり、口伝書を自分で書くのは非効率的だと思われる方もいるかもしれませんが

自分の手で書くという事は身体の感覚を文字に起こすことで理合を客観的に見れ、理論化でき、自分が指導するときの材料にもなります。

また、自分が書いたものを後で読んで自分の文章なのに動きを再現できない事はよくありますが、それはその時に理解していたつもりでも理解できてなかったという事なので、自分の理解度が明確にわかります。

また、何年後かに稽古メモを読み返してみると、当時理解できてなかった事が理解できたり、当時気付けなかった疑問が出てきたりもします。

今回の稽古でも、事前に稽古記録を読み返して今の視点で基本動作の組太刀で気付いた事があったので師家に質問したところ
「(今さら)どうしたの?」

と言われてしまいましたが、その質問から発展して新たな口伝を受けることができました。

自分は指導者の立場だから今さら基本の事なんか聞けないと、指導者が曖昧な部分を他流他武道を混ぜてもっともらしく自信満々な顔をして勝手な教えをしだしたらその流派は終わりです。

出鱈目や流派の理合に基づかない勝手な嘘の技を教えて誤魔化すくらいなら、恥をかいてでも間違いを認める事が指導者の責務です。

そのような事に陥らないためにも稽古記録はしっかりつけて頂きたいものです。

世田谷支部では、その日の稽古内容を穴埋めチャート式にまとめたものを稽古の度に配布して、稽古中に重要な部分の穴埋め、それ以外の事は余白に書いてもらい、その日の内に私が赤字で直したり、理解度によっては新たな口伝を加筆し、その人だけの口伝書にして渡します。

稽古記録を書くのも稽古です。

武道の稽古で貴重な稽古時間に体を動かさずに文字を書かせるという事に抵抗を感じる方もおられるかもしれませんが、月に一回開催で確実に流派の技を身につけてもらい、次回は新しい課題に進めるようにするための方策です。

私自身不規則な勤務により月に一回しか支部を開けないので社会人が稽古を続ける事の大変さは身に染みているため、

その場の思い付きの適当な稽古はしたくないので、あらかじめその人その人の段階に合った内容を考え、稽古に参加すれば何か新たな口伝の一つは必ず持ち帰ってもらいたいと毎回準備しています。

現状は人数が少ないのでこのような教え方ができますが、口伝という教授体系がある古流武術は団体指導に向いてないので、一人で指導するのに限界を感じたら、指導内容の水準を落としたくないので門人募集は打ち切るつもりでいます。

『正しい教えを正しい人に正しく伝える』のが古流武術の指導者の責務です。


円空流公式HP
http://www2.tbb.t-com.ne.jp/enkuuryu/

円空流棒術世田谷支部

(世田谷支部なのに会場の関係で江東区で活動してます)

金曜か土曜日の18時30分~21時に月1回開催

(次回は4月19日予定ですが人数も少ないので希望の日の連絡があり日程が合えば開催も可です)

会費 1回1000円(不定期開催なので参加した時だけ頂きます)

(入門に際しては本部に入門料2000円を納めて頂きます)

★清瀬支部 清瀬教室日程★
場所;清瀬けやきホール4F小ホール 清瀬市元町1-6-6 清瀬駅北口徒歩三分