第1回世田谷講習会(錫杖・金剛杖術)3月1日(土曜日)


参加者2名

1名は旧世田谷支部からの門人で、もう1名は初参加者でした。

例によって(http://ameblo.jp/yingwu/entry-11785869004.html 参照)

支部独自の口伝書を配布して重要な部分は自身で書き込んでもらいながら稽古を進めていきました。

初参加の方は修験得度を受けている本物の行者さんなので、当流の金剛杖(腰切棒)術から修験色の濃い

天狗飛び

が出てくる形を二つ、抜粋で『体験』してもらいました。

『体験』と書いたのは、形は本来、基礎基本をやってから入るものだからです。
天狗飛は基礎の段階では単純に足腰の基礎鍛練になりますが、ただ飛び方だけをやっても武術としての天狗飛びのイメージはつきません。

そこで現段階ではまだ早くても形の動きを体験してもらう事により、天狗飛びの正しい意味と目指すべきイメージができるので、あえて後々にやる形を示唆したのであって現段階で正確に形を打つ事を求めているわけではありません。

山登りに例えると、何もわからない状態で一生懸命登ろうとしても道に迷いふもとでウロウロしてしまう事に陥りやすいですが、先の形を幾つか示唆する事は、登るべき道が点々と先に見えるという事なので、習得が早くなるという事です。

これは実際に私が表形で伸び悩んでいる時に師匠が、まだ先の裏形の一部をさりげなく教えてくれた事がきっかけで目指すべき方向性がわかり、表形で躓いていた部分から脱却できた事があった経験に基づいた指導方法となります。

もちろん場合によっては一つの形が完璧にできるまで次の形を進めない教え方もありますが、

私は一つの体系(基本、表形、裏形などの一つの括り)の範囲までなら稽古に参加すれば、無意味な出し惜しみはせず必ず一つ新しい形を進めるようにしています。

それは一つの形の体系の全体を知る事は、登山に例えると一つの峰にたどり着く地図となるからです。

そして一体系の全体を知ったなら、その体系に共通する理合を意識してもらい一本目からじっくり深めてもらう、このような方針で指導をしています。

実際に今回も錫杖(長棒)術の基本の脛払いで、棒に慣れてない初参加者は軸手が難しいみたいで、どうしても脇が空いてしまいましたが、

軸手の脇の締めは他の基本にある横風車からのシバキの方が身に付けやすいので、脛払いでできなくても捨て置き、先に進め横風車からのシバキをやり、更にこの脇の締めは実際に打たれて受けた方が手の内や肘も締まってわかりやすいので、当初はやる予定のなかった基本の脛払が二回出てくる組形も稽古しました。

最後に、

新の舞

という、基本と形の技を集大成した、一人で稽古できる少し長い形をやりましたが、これは焦って覚える必要はなく、現段階では棒に慣れることを主眼に稽古して頂ければと思います。

次回は新規参加者2名を予定していますので、興味のある方は是非この基本を集中して稽古している機会にご参加頂ければと思います。

参加希望はこのブログのメッセージか、下記アドレス

enkuhigashitokyo@infoseek.jp



にお願いします。


『常陸の国伝承 山伏の錫杖術(長棒術) 金剛杖術(腰切棒術) 世田谷講習会 毎月開催』

第二回 3月29日(土)

第三回 4月12日(土)


午前9時~12時
場所 世田谷区内(参加希望者に直接連絡します)

一般参加 3000円
支部門人 1000円

教伝内容
錫杖術(長棒術) 基本、勢法八品
金剛杖術(腰切棒術) 基本、初学五品、勢法六品

参加者の段階に応じて教授します。


『捕縄術・十手術 江東区講習会 毎月開催』

第二回 3月14日(金)
午後6時30分~9時30分
場所 江東区内 (参加希望者に直接連絡します)

一般参加 3000円
支部門人 1000円

教伝内容
十手術(骨指術) 基本、勢法八品
早縄術 巻き方、勢法八品

捕縄術に関しては失伝流派を伝書から復元する研究も行ってます