続・下顎総義歯とティシュペーパー | コンフォート入れ歯で患者さんのQOLを向上させたい。

コンフォート入れ歯で患者さんのQOLを向上させたい。

陽光歯科クリニック院長のコンフォート入れ歯症例紹介です。

症例 3 下顎総義歯とティシュペーパー

さらに翌日ご来院されると、やはり締め付けられるように全体が痛いとのこと。内面を確認しても裏装材の厚さは割と均一で形態も総義歯の良い形態にちかくなっている。
そこで診察のあと、どれくらいの時間で締め付け感が出るのかを聞いてみると1時間から2時間くらいの間で痛みが出ている、ということは粘膜調整剤が硬化し始めると痛んでいると推察。
そこで歯槽頂付近のかすかにあるアンダーカット(歯ぐきの断面からみて歯ぐきのへこんでいる部分)のかすかな調整剤を微調整すると少し楽になったがやはりぐっと咬むと痛い。
一考してオクル―ジョン(入れ歯の人工歯の咬み合わせ)を変更してみると気持ち楽だが、やはり痛む。さらに人工歯の第二大臼歯部の咬合圧を減らしてみても痛みは変わらない。
上顎の天然歯の摩耗を診るとどうやら下が総義歯になる前にブラキシズムがあったと容易に推察できた。いっそのことボツリヌスの注射をしてみてはとも頭によぎったがやはり義歯のみで勝負をしてみようと再度挑戦。患者さんに説明してうちの技工士の入れ歯を制作させていただいた。(通常は旧義歯を治療用義歯としてすべてトラブルが解決してから新義歯の制作に取り掛かる方針ですが。)

結果はシリコンがなくても何とかなると評価をいただいた。
しかし、しばらくするとブラキシズムのためか前ほどではないがやはり痛みがでるのでコンフォート加工施術すると機能印象の時点からよく咬めるし締め付けられるような痛みもなく良好ですといわれ、完成後には家族と同じ食べ物が食べられたと喜んでいただいた。

N・Sさん 今回は本当に勉強になりました大感謝です。この経験から歯科医師として一歩前にでられたお思いです。


ここまでお読みいただいた方はどうして旧義歯ではだめであったのか疑問に思われるでしょうね。
次回は今回の反省点を公開します。