父が他界 | 燕渓陽山 -深夜特急便-

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日常と、その周辺を少し綴ってみようかな的なブログ。

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少しプライベートなことですが・・・
今年の夏は、私にとって様々なことがありました。

その中でも、私にとって一番大きなことだったのは父の他界かもしれません。
まぁ親父が亡くなってしまったことかな、とも。

最近ここしばらくコロナ禍で実家に帰ることも自粛しておりましたので・・・
しばらく父、母とも会えておりませんでした。

そして今回のコロナ感染爆発の波が夏の丁度ピークの時ですが・・・
父の病気のことを聞いたので、急いで実家に帰って久しぶりに父に会ったら・・・
まるで別人のように父の体はやせ細ってしまっていて、もうただ事ではないなと感じたと同時に
どうやら、もう手遅れになってしまっているようで医療の施しようがない状態になってしまっている状態でした。
医者によれば、父のガンは進行具合もとても早くそしてかなりな高齢ということもあってガンの治療に耐えられる体力もない状態になっているようでした。
定期的に検査はしていたハズなのに、なぜもっと早くガンを発見できなかったのか?
ものすごい早さで衰えてゆく父の姿を垣間見るにつけ、とても深い悲しさを覚えました。

なぜほんと、なぜもっと早くに初期の段階でガンが進行してしまう前に、ガンをもっともっと早く発見できなかったのか?

しかし、そんな現実というものを受け入れるとほんと悲しかったです。

ほとんど食事も喉を通さない、食欲もない状態になってしまっている父でしたが・・・
食べないとさらに弱っていってしまい、そんな状態です。

とにかく、どんなものでもなにか少しでも食べたいものがあったら、それを準備してあげようと。
私は医者でもないのでまぁそれぐらいのことしか、私にはできないなぁとも感じ・・・

親父!何食べたいって聞いたら、「蕎麦」が食べたいってゆう反応が返ってきたので・・・
実家で蕎麦作って食べさせてあげました。

あまり食がすすまない状態になってしまっている父でしたが・・・
「蕎麦」を口にしてくれて嬉しそうに一言、とてもおいしいと言ってくれました。

それがまさか、父との最後の晩餐になってしまった感じです。

父の状態を悟って、ごく少量の麺で蕎麦を作ってあげましたが・・・
その更に五分の一程しか食べられない状態にもなってしまっている感じでした。

あまり食欲がないハズなのに、息子である私の作った蕎麦を・・・
一生懸命に残さずに食べようとしている、そんな父の優しさを俺は一生忘れないよ。

それから何日かして、実家での療養から緩和ケアを目的とした病院へ入院となりました。

緩和ケア病院とは、末期の病気の痛みや苦痛をなるべく緩和しながら最後の時間を過ごすような感じの病院とのことでした。

緩和ケア病棟に入院してから、父の状態が更に衰えてとうとう会話もできない状態にまで弱ってしまっていて・・・
父はもう声も発することができない状態になってしまってるけど、こちらの声は父に聞こえてると思いますと看護婦が言っていたので・・・
とにかく、なにか父に声をかけてあげようと、そしてとっさに出た言葉が・・・

「ありがとう」

「親父、今までありがとうね」

いままでの父に対する感謝の気持ちを、その言葉に集約して・・・
父の耳元でささやきました。

今の俺の気持ちの全てを、その言葉の中にすべて集約して魂込めました。

そして今、時間が流れてんのか・・・
今、それとも時間が止まってしまってんのか、自分の中でなんとなくわからなくなってしまっていた感覚です。

そして我に返って、なんとなくベットの横の点滴を眺めていたら・・・
点滴の雫が、一滴一滴と落ちている。



どうやら時間は止まってしまったのではなく、時間は流れているんだなぁとも。
そして父は、今まだ生きているんだ!
そんなこと感じて、我に返った。

そしてそのまま、しばらくボーっとなんとなく点滴の雫の一滴一滴を眺めておりました。

時間ってのは、確実に流れているんだなぁとも。

そして、父の死という来るべき時ってのは、いずれ確実に来てしまうようなことを悟った次第です。

父との面会を終えて病室を出るときに・・・
看護婦から、父の状態について「急なことがあるかもしれないです」と言われました。

そんな言葉を聞いて・・・
なんとなく病院の中庭に泳ぐ鯉など、しばらく眺めてボーっとしてしまっておりました。

 

 

そして翌朝、父危篤との連絡を受けました。

 

病院に向かう道中、こんな時こそ安全運転心掛けないといけないなと自分に言い聞かせながら運転しておりましたが・・・
どうしてもアクセル踏み込んじゃう自分がいるんだわ
わかっちゃいるけど、ほんともうアクセルガンガン踏み込んで町田街道かっ飛ばして東京方面に向かってる最中・・・
妹からスマホに連絡かかってきて今、父が逝ってしまったとのことでした。

惜しくも病気(とても進行性が早いタイプのガン)であれよあれよという間に病状が急激に進んでしまってそして亡くなってしまいましたが・・・
けど、けどしかし歳もかなりな高齢でもあったので大往生だったのかもしれません。
大往生で安らかに逝ってしまったと考えたいです。

親の死って、人間誰しも一生の中で必ず経験することかもしれませんが・・・
いざそれに直面してしまったときってのは、ほんと気持ちの中ではなんとも言葉では言い表せないさみしい悲しい気持にもなりますね。

なんか涙で車道がプチ歪んで見えてしまって車の運転ヤバいなぁって感じてきたので、コンビニに滑り込んでとりあえずタバコ吸いました。

そして、改めて気持ちの整理をしてから安全運転で病院に向かいました。


そんなことなどもありながら・・・

今年の夏は過ぎ去ってゆき、父の四十九日など経過し・・・

最近なんとなく、気持ちの中ではいつもの日常も少しづつ戻りつつあるようにも感じてます。

そして今、季節はいつの間にか秋も深まっているようです。