「忍びの国」 | ゆうちゃんママのひとりごと

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もう6日ですけども、7月1日の「忍びの国」上映初回に行ってきたのです。

舞台挨拶中継つきチケットなんて初めてざます。

というか、徳島に嫁に来てから22年になりますけども、映画館で映画をみるのはたったの8回目なんですのよ、オッホッホッホ。映画って結構時間食うので、家でみることが多いんでね。

 

注:こっから先はネタバレオンパレードです。

 

大野さんが「忍びの国」をやるって聞いてすぐに原作も読んだんですけど、1年以上前なのであんまり記憶はないんです。でも、まず今回すごく感じたのが原作よりも強く感じる、「忍び」の面々のあっけらかんとした感じ。「金の亡者」とか「悪人」とかではないんでしょうね。人を殺すことも「だってお金くれるっていうから。」ぐらいの感じで、彼らにとっては生き残るためには「あたりまえ」のことだったんだろうなと。

 

忍び=かっこいい

忍び=影の存在

 

的な今までのイメージをぶっ壊すけど、多分リアルな忍びの姿はあれなんでしょうね。

人として大切なものが大きく欠落しているの。欠落していることにも気づいてないし。

満島くんの次郎兵衛のバカっぷりがすごかったけど、まさにあんな感じよ。

すごい強烈だったな、あの人。大好きな俳優さんです。

 

知念君が織田信雄をやるって聞いたとき、「忍びじゃねーのか!」って思ってたんだけど、信雄でよかった。すっごくよかったもの。忍びじゃねーのかって自分でいっといてなんですが、知念君みたいなまっすぐな瞳をした子、原作に出てくる「鉄」ならともかく、忍びじゃない。

自分を主と認めていない家臣たちを従えて、虚勢を張れば張るほどみっともない感じもすごくよかったし、大膳と対峙して本音がボロボロ出てくるところがホントよかった。「この人についていこう。」ではなく、「支えてあげたい」という従い方もあるのだなと。あの大膳にそう思わせるに充分な説得力があったなー。

 

忍びがあんな感じだから、もう大膳がかっこいいのなんのって。

元主を手にかけるなんて、武士としての矜持と誇りを持った大膳には、自ら死を選ぶよりもつらい選択だったろうに。元主の北畠具教の最後の言葉、刺さりましたねー。

たくさんの命を背負って生きるって、つらいです。

日置大膳役の伊勢谷さんの存在感と迫力に圧倒されました。いい役者さんだなー。

そして、北畠具教の國村さんの威厳に「うわーっ。」と鳥肌が。

格が違いますもん、かっこよすぎます。

前半の一番の見せ場でしたね。

 

そして、石原さとみちゃんのお国。

キャスト決まった当時、「さとみちゃんかあ、イメージ違うわー、やだわー。」と実は思ってたんです。

ごめんなさい、その言葉撤回します。

すごくよかったです。能面みたいな表情で冷たくあしらう様の気高さ、美しさ、すばらしかったです。

お国といえば、「なんで見知らぬ土地にたった一人で無門についてきたんだろう。てか、言ってたことと違うなら無門なんて見捨てて帰ればいいのに。」ってやつですよ。お金お金いっときながら、「国のため」とか言うし、お国ってどんなやつだよと突っ込みたくなる部分もあるんですが、お国だっていろいろ悩み迷ったんだろうし、確固たる意志を持って無門についてきたわけじゃない。凛とした部分も持ちながらももろい部分もあって、無門の孤独を感じて放っておけなくなったというより、ついて行かずにはいられない衝動に突き動かされたって感じだったんだろうなーと。

さとみちゃんて、意志の強さを感じる大人の部分も持ちつつ、無邪気な子供のような一面も合わせ持つ女性だから、お国にぴったりだったなーと改めて思うのです。魅力的です、ホント。

 

平兵衛役の鈴木亮平君。

平兵衛みたいな人間の心を持った忍びもちゃんといたのかと思うとほっとします。でも、多分さらわれてきた無門と、忍びの長の息子との違いなんだろうね。育ってきた過程が違いすぎる。

訴えても何ひとつ響かない、周りにいたのは人間の心なんて全く持ち合わせてない輩ばかりだったと知ってしまった時、ぞっとしただろうな。恐怖さえ覚えたんじゃないだろうか。

 

でもさ、裏切ることに決めたときから平兵衛の目って死んでたんですよね。それが、無門と一騎打ちしている間に目に生気がよみがえってきたような気がするんです。弟を殺された憎悪の炎へと。そして、そこからまた何か別のものが生まれたような気がするんですけど、うまく言えないな。

憎しみだけじゃなくて、戦うことへの喜びっていうか、本気でぶつかりあうことにより、何かが通じ合ったというか。「同志になった気がした。」ってのは亮平君の言葉でもあり、平兵衛の言葉でもあったんでしょうね。

 

今回の一番の悪役は百地三太夫なんだけど。

とぼけていて、コミカルであんまり悪役の感じがない百地三太夫。でも、それこそ、三太夫にとっては、当たり前のことをしているだけで、罪悪感なんてこれっぽっちもないんだもの、あれでいいんですよね。

だから立川談春さんのあのとぼけた感じがとてもマッチしていましたね。

 

さてさて、大野さん。

「お国への態度を見ていると、あの時から全く心がないわけじゃない。」っていう感じのことを言ってましたね。本は普段全然読まないとか、勉強苦手とかいろいろ言いますけどもあのヒト。脚本から読み取った大野さんなりの無門像のなんと深いことよ。

 

つ、疲れた。

続きはまた後日。