自分にやさしく 人にやさしく 地球にやさしく
「21世紀仏教への旅」(五木寛之著)を目にした。
その日、私は編集者の友人が次から社寺の雑誌の
編集に携わるということで仏教の話をしていたため
本屋でタイトルをみると手にとって見たくなった。
本に描かれているのは、古き懐かしき日本の風景。
その光景が残されているのは日本でなくブータン。
ブータンの人びとは仏教の輪廻転生を重んじ、
人生を送っている。自然、全ての生物に対して
その相手の気持ちというのを理解して繋がりを感じ
ながら食するものは食す。
ブータンには49日やお盆などの考えはない。
個人を祭るようなお墓もない。
ブータンから日本を訪れると姿形は、日本人と
さほど変わらないが一つ違和感があるらしい。
それは、見えない規制や自制が強く働いているというのを
感じることであるという。
ここのところの日本での殺傷事件に関して
この規制や自制というのが一つの要因だとしている。
日本人は物事を突き詰めすぎるが故に、行き場を失う。
自分ができるものは何か?
何もできない。
生きていても仕方がない。
日本はハード面はダントツ成長しているが、ソフト面は
全く追いついていっていない。
ブータンの識字率は50%だという。僻地で暮らしている人も
多く学校に通うということ自体が成り立たないらしい。
一部ではインターネットカフェなどもあるらしいが、
全てにおいて均一化をする方向性もないようである。
この国の平均寿命は60代と日本の80代に比べて20年も
生きることができない。どちらが豊かな人生をおくれるか。
規制や自制が強く、自分ができることを考えることは良いことだが
そこのところを「0」か「100」で判断しないで欲しい。
誰もがナンバー1である必要はない。もしナンバー1しか生きれないのなら
99人の人が必要ないとして、100人の社会は成り立たなくなる。
99人が周りの人のために生きて100人の社会が成り立つのだと思う。
大人達にできることは多い。
もちろん子供たちににだってできることは沢山ある。
「君は僕の友達だよ」って隣に言っていってあげるだけで
どれだけ救われる人間がいることか。
皆と仲良くできることを素晴らしいことと感じたい。
仏教についてもう少し勉強してみたい。
そして機会があればブータンに行ってみたいと思う。