疾患を持つ児童生徒の義務教育 | 大切なもの

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私自身の体調のこと、地域ネコのことなど

何度も取り上げている話題ですが、
小学校、中学校に関しては義務教育として下記のように定まっています。

 

 

【日本国憲法】

第二十六条
すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
② すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に義務教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
 

【教育基本法】(教育の機会均等)

国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。

 

 
どんな理由があったとしても
学校へ行けなくなったなら
その子に応じて教育の機会を用意するのは
大人の責任。

この「大人」というのは
保護者だけではなく
教育者、国及び地方公共団体ということになるのだと思います。

学校へ行けなくなった子どもに対して
親だけで難しいのであれば
教育者や自治体が学習の機会を整えないとならないのでは?
学校へ行けないのに学校が学習の機会の努力をしない場合、
保護者が代わりに学習塾や通信教育など
個別にお金をかけて教育の機会を用意するのは
不平等ではないでしょうか?


また、ある学校では中学3年生になると卒業を前に校長面接というのがあり
それに行けなければ「卒業を許可することはできない」となる場合があるようです。
そもそも教育を受けることができていないのに
「卒業を許可できない」ってどういうことなのでしょう。

学校へ出向けないような疾患の子どもすべてが
そのような校長面接を必要とされているかというと
明らかに重い疾患の子どもはそうでは無いと思うのです。

先生方の思い込みで
「登校しようと思えばできる疾患でしょ。だから面接ぐらい来なさい。」
という先入観が働いているとしか思えません。
診断書があればそれは不要にしてほしいと思います。

同じ病名でも症状はそれぞれだということに考えが及ばないのかもしれません。
中には起き上がれない子どももいて
校長面接にでさえ行けない場合があるのです。

それを「来れなければ・・・。」という上から放たれた言葉で
その子どもがどのような気持ちになるのかと考えると悲しいですね。


リモートでの授業
放課後授業
訪問授業
ホームスクーリングなど
何か提案があったのでしょうか?
「どうせ、提示してもできないでしょ?」
と思っていないでしょうか?

「いつでも学校においでよ、待ってるよ」
という言葉だけではなかったでしょうか?

たしかに、できないことは多いです。
だから何もしなくていいわけではありません。
見た目でわからない疾患の場合は
できるときとできないときがあります。
 
 
そして、中学校3年間登校できず、勉強できなくても
通信制高校へ進学して
「中学の学力が無くても追いつけるようにします」
と言われるけれど
高校の授業をしながら中学の勉強もしなければならない。
そもそも、中学校時代の学習は高校が担うものではないと思います。


例えば、公立の通信制小学校、通信制中学校を各県に設立する検討をしていただいたことはあるでしょうか?
もしくは、病弱児教育として幅広い疾患を受け入れてくださるのでしょうか?
入院施設での院内学級はどうでしょうか?


これらのことを
小学生、中学生の治療中の患者とその家族が働きかけないと
何も変わらないのでしょうか?
その状態がご本人ご家族にとってどれだけ大変な日々であるか
本当に想像できるのでしょうか?


疾患を持っている児童生徒にとっても
「何ならできるのか」
やってみなければわからないこともあります。
できると思っていても途中でできなくなることもあります。
できるかどうか不安で、一歩踏み出すのが怖い時もあります。

それでも多くの選択肢が欲しいです。


現在の10代の子どもたちの困っていることを
30代~60代の親世代の大人が解決できなければ
その大人の老後問題など解決できません。
(少し話が大きくなってきましたか?でも現実です。)

 
コロナ後遺症も増えてきて
はっきりとわからない症状で登校できない子どもが増えてきています。
 
診断がつくかどうか、
病名によっては、
学校によっては、
働きかけによっては・・・。

ケースによって対応しているような場合ではなく、
どういう場合になっても対応できる教育でなければ
学習困難な事例がどんどん増えていきます。

多くの方が診断書が取れなくて困っています。
診断書が取れたとしてもそれで何か手段はありますか?

国として
教育が上手くいかない時が来ます。
今のやり方で大丈夫ですか?