この前に 

ninoわんこ その弐ー1が載っています。










N side







どうやら今夜は夢から全然覚めない。


翔さんの車に乗せられて
一緒にNテレに行く。


わんこ用のカバンに入れられて
翔さんの肩に背負われる。



「これさ、便利なんだけどニノの顔が見えなくて残念だわ。」
「くぅん」
「お前、今日はやけに返事してくれんね。」




翔さんの弾む声。
嬉しそうにオレに話しかけてくれる翔さんの声はとても優しくて、聞いてるだけでオレも嬉しくなる。何より、夢なんだから何でもありでしょって返事をしまくった。



翔さんの楽屋は畳敷きの座敷用になっていた。到着して荷物を整理したり打ち合わせをしている間、オレはカバンの中から翔さん達を見ていて


たまに見覚えのあるスタッフが手を振っていくので、透明なビニール式の部分をカリカリと掻いて返事をした。




「櫻井さんのわんちゃん、まじ可愛いっすね。」
「だろ?」
「すげードヤってるじゃないですか。」
「ふふふっ 」
「うわーっ その顔、ファンのみんなが見たら驚くだろうな。」
「え、なんで。」
「鼻の下伸びまくりで気持ち悪いっす。」
「ぶはっうるせーよw」


気心知れたスタッフとの掛け合いを久しぶりに見て、一緒になって笑ってしまった。


「え。俺たちの会話、聞いてんすか?」
「だろ?すげー頭いいのよ、コイツ。」




翔さんにカバンの中から抱き上げられ、『俺も1回いいすかっ』とか言って両手を広げるスタッフ。


絶対ヤダ。
なんでコイツなんかにオレが抱かれんだよ。



翔さんの腕をタシタシ踏んで
「くぅん」と鳴くと
翔さんの目が、一瞬キリッとした。



「あー、ごめん。今ちょっと…人見知りしてるなぁ。」
「え、マジすか。残念っす。」



ひゅー
翔さんもわかってくれんだ。

そうだよね
だってコレ夢なんだから
俺が願う通りにできるのかも知んない。



それじゃ、後でと出ていくスタッフ。


翔さんは彼を見送ると
『大丈夫か?』なんて顔を近づけてくる。

また、首元をすんすん匂われて
あまりの擽ったさに『きゅん』と鳴いてしまった。



「ふふっ ごめん。ここではあんま鳴かせない方が良いのにな。」


オレに向かって微笑む翔さんのカッコ良さに、

胸の奥をぎゅっと掴まれた。




だからさ、この人イケメン過ぎんのよ。
なんでこんな近くで見てもイケメてんのかね。もしかして、夢でも犬なのにキュン死にとかあんのかな。




そのまま楽屋で翔さんの膝の上で出番を待っていると、コンコンとノックをされる。


「はい。」
「翔さん? 俺だけど。」




聞き覚えのある声。



や、まさかだけど…



少しの不安。

翔さんの膝から逃げ出して
机の下へと逃げ込んだ。

そんなオレを苦笑いで覗き込む翔さんは、口元だけで『大丈夫』と呟いた。




大丈夫じゃないよ。
だって、本人よ?


本人が今ここへ…




「…ニノ? 開いてるからどうぞ。」
「じゃ、お邪魔しマース。」



ガチャりと
ドアを開けて入ってきたのは、



まさに

『オレ』だった。











(.゚ー゚)はろー
つって、ご本人登場!! ฅ(*°ㅁ°*ฅ)



続きは
退勤後のお楽しみで、夕方5時。