この前に 14が上がってます。








N side








今までの経験からいくと
わんこのオレがウトウトと寝だしたら
オレは向こうの現実世界へと戻れた。




それならと何度も横になり
眠れるように挑戦した。


でも眠くなくて。






じゃあ、運動でもしてみるかと
リビングのソファとデスクの周りをぐーるぐるぐーるぐると大きく何周も回って、自分を疲れさせた。



でも、わふわふ息が上がるだけで
全然眠くない。


なんなら興奮して
わけも無くラグを前足で掘り掘りしてしまう。止められない。なんでか知らないけど。




まあ、それは多分
犬の本能なんだろうけど。



ほりほりほりほりほりほりほり……



そしてリビングを回る。
走り回る。


ほりほりほりほりほりほりほり……


リビングを回る。
走り回って急に止まってみる。

ほりほりほりほりほりほりほり……


リビングをまわ…




疲れんのよ。
何これ。


オレ、本当にわんこになろうとしてんの?




その時、どやどやと廊下から
話し声が聞こえて来た。



「でもさー、こんな偶然てあるー?良かったね!翔ちゃん!」
「相葉くん…」


リビングのドアを開けたであろう気配。


咄嗟にデスクの下に隠れたけど、聞こえてくるのは相葉さんのキャッキャしてる声と対照的に、翔さんの…少し困ってる声。

それに、オレの位置から見えた足の数が1.2.3.4.5.6。

……6本?!

1人増えてる?!




「でも良いんですか?オレまでお邪魔しちゃって。」
「いーのいーの。だってどうせ今から作んの生姜焼きだし。好きでしょ?ニノちゃん。」



ニノちゃん?


意外と見えないデスクの下、
恐る恐る顔を出してみると。


ふわりとした
慣れた手つきに抱き上げられた。



「わんこか。この部屋をこんなにしたのは。」
「きゅーん」



翔さんの胸に抱かれて
思わず甘える声が出た。


そんなオレと目が合うと
翔さんは柔らかく目を細めて
頭を優しい手つきで撫でてくれた。



あー…気持ちいい。




これ。
これなのよ…。

やっぱり
翔さんに撫でられるの
オレ、大好きだわ…。



「『わんこ』なの?その犬の名前。」


驚く声を上げたのは
夢の世界の…オレ。


ある意味、オレのライバル。



「わふっ」
「くふふっ ニノちゃんも威嚇されてんね。俺もさっきそうだったんだよ?」
「これ、威嚇なの?」
「じゃないの?だって『わふっ』って言ってっし。」


それならお言葉に甘えて
相葉さんには特大の『わふ』をお見舞いしてやろーかw










ニノちゃん、全然怖くないよ( *´艸`)クスクス