俺が玉屋の屋上で出会ったアイパッチの爬虫類的な怪しげな人は、

あの芸能界でもっともサラリーマン的な生活を送る人になっていました。



タモリはすごい。


一人の人間の凄さは、たかが知れている。


それを承知で、多くの人の才能を引き出してきた器量には凄みすら感じます。


タモリ一人では、あれだけの世界観は作れない。


しかし、「笑っていいとも!」は、まぎれもなく30年間以上におよぶ「森田一義アワー」だったのです。



自分一人のことばかり考えていては決して創れない世界観。


チームメンバーがもつ、それぞれの魅力や長所をうまく引き出してタクトを振り奏でたオーケストラ。


それぞれの持ち味を活かした厚みのあるシンフォニーこそ、「森田一義アワー」なのです。


これこそタモリの極意〝最大活用〟という技ですね。



個人的には、彼のもつ天性の瞬発力が好きです。


白紙の弔辞を読んだ、などのエピソードがあるように、即興でラジオ番組を紡いでいく


そういう骨太のクリエイティビティが持ち味だと思います。


超絶アーティスティックに、一期一会の刹那的な空気を作ってしまう天才ですね。




時の総理大臣・小泉首相の電話出演やビルゲイツの出演をはじめ、


ときに躓いたタレントもうまくフォローする器量が感じられました。


その矜持には、故仰木監督と同じものを感じます。


タモリさんに感じるのは、やはり男気、器量ですね。