④安彦良和の『さらば宇宙戦艦ヤマト』4Kリマスター | アディクトリポート

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④安彦良和の『さらば宇宙戦艦ヤマト』4Kリマスター

 

【関連バックナンバー】

  1. ①『さらば宇宙戦艦ヤマト』4Kリマスター
  2. ②『さらば宇宙戦艦ヤマト』4Kリマスター
  3. ③『さらば宇宙戦艦ヤマト』4Kリマスター
まずは過去記事にいただいたコメント。
 
JOE
あと救命艇でヤマトを離れる時、人工重力は無いはずなのに、島達の涙が下に流れてましたね。
でもガンダム1stの最終回でも、ラストのアムロの涙は下に流れてましたので、演出と受け止めた方が良いのでしょう。
結局はアニメの現場が、無重力の宇宙空間では物理現象が地上とは異なることに無知だったゆえに、
日常的に演出をこなしただけなんでしょうけどね。
もう一つは、涙が頬を伝わずに虚空に漂う演出でもすればそれが奇異に映り、
ドラマに集中できなかったかもしれませんしね。
 
はなのほほえみ 
徳川さん!
あ~髪の色😉
謎が溶けましたあ
違和感あってもそのまま観てました😂
感謝🍀
ではサービスでもう1枚!
 
さて、ここからが今日の記事の本題。
 
この記事(②『さらば宇宙戦艦ヤマト』4Kリマスター)へのJOEさんの追加コメントより。
 
JOE
本日ようやく観てきました。
今回の僕の注目ポイントは、安彦良和氏が作画したというヤマトのメカ作画です(作画監督の湖川氏はキャラの直しで大忙しだった為、メカの直しまで手が回らなかったとのこと)。ラストの巨大戦艦に向かうヤマトがそれだと言うのですが、どのカットかは特定できませんでした……

ところで「断じて違う!」からのキャラが安彦良和作画というのは有名ですが、残念ながら鼻だけ作画監督に修正されてしまいました。が、とうとう安彦氏の修正前原画を見つけてしまいました。これを見ると疑いようもなく安彦作画です。
 
レア さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 安彦良和 直筆原画 4枚 
当時のものです。資料としても珍しいものかと思います。
一枚目の原画は本編では違う絵になってます(おそらく立ち位置などの理由で顔が見えないように作画監督以降で変更になってるようです)。
また黒のサインペンで当時の作画監督の湖川さんが銃の抜けを安彦さんの原画に直で描き足していますが、本編では銃なしで統一されたようです。
該当部分のセル画を見ると、一応、コスモガンとホルスターは描かれている。
 
 
この、『さらば宇宙戦艦ヤマト』4Kリマスターのブログレビューシリーズは、
段階を追って進めるために改題したが、
2024年1月7日の鑑賞後に、ブログの題名候補は、くしくも今回の、
安彦良和の『さらば宇宙戦艦ヤマト』4Kリマスター
とするはずだった。
 
いや、これは『さらば』初回劇場鑑賞の、
1978年8月からうっすら感じ取ってはいたんだが、
「ちがう、断じてちがう!」から終劇までのキャラクターは、
  • 丸顔で成人よりも高校生チックな低頭身化
  • アップで鼻筋と横顔が湖川キャラに修正されている以外は、パッチリお目目に優しげで人好きのする表情
  • 原画のクオリティが高いのに、それをこれみよがしにひけらかさずに、流れるようにスムーズなアニメーション
と、前半の湖川滋(湖川友謙)タッチとは明らかに作風が異なり、
これはスケジュール的に作画作業が当初割り当ての原画マンや動画スタッフではとても間に合わないため、
絵コンテ名義で参加の安彦良和氏が一手に引き受けたのが「見ればたちまちわかり」、
今回の4K版でそれが一層明確で確信に変わった。
 
一応、安彦氏としては、同じ北海道の高校の後輩、
湖川と並んで富野監督作品のキャラクターデザイン・作画監督を務めた安彦良和とは同郷で、出身高校も同じ(安彦が2学年上)であるが、お互いアニメ業界に入るまで面識はなく、タクシー内での会話中に偶然わかったという。
湖川滋の画風に合わせようとしていて、
古代進の上目尻に、デビルマンの不動明みたいな強調太線が配されていたりはする。
 
キャラも間に合わなければ、一連の場面のメカ(ヤマト)動画も間に合わないため、
これまた安彦氏が一手に引き受けており、
  • 止め絵で左舷後端のカタパルトが折れ下がっているヤマトの横姿
  • 「ヤマト2」オープニングにも流用された、第一艦橋にカメラが下から寄っていくアニメーション
  • 超巨大戦艦に向かい行く、ヤマトの後姿のアニメーション
の3カットもまた、他の誰でもない安彦良和氏によるもので、
さすがはポスターの古代進と森雪だけでなく、
去り行くヤマトの後姿も描いた、安彦良和氏ならではと言えた。
 
おしまい。