②ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突 | アディクトリポート

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 ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突【その2】

 

この記事(①ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突2024年02月24日)の続きですが、

この記事(庵野秀明の未来/最終報告③『ゴジラ-1.0』2024年02月26日)とも関連します。

 

テレビ番組『ウルトラマンブレーザー』を見て気づいたことは、

放送開始までには本編撮影も、おそらくは映画版までとっくに終了していて、

この先撮り体制はそもそもニュージェネ最初の「ギンガ」からで、

「ウルトラマンギンガ」 2013/7/10

がんぎ

テレビ本編より先に、

『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル』2013/9/7

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映画『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル』はテレビシリーズ第6話放送後の9月に公開された。

から撮影が始まっていたし、

テレビ『オーブ』の頃には、

「ウルトラマンオーブ」 2016/7/9

放映開始の夏7月でも、劇中は秋とか冬景色で始まっていて、

「撮影はずいぶん前から始まってたんだな」と伝わってきた。

 

それ以来、後続タイトルでも放送時期と作品内の季節はついぞシンクロせず、

今ではすっかりそれが当たり前になっている。

 

それとこれは何かで聞きかじったのだが、

「ブレーザー」の、従来のニュージェネと決別した徹底独自路線は、

映画『シン・ウルトラマン』対策、もしくはアンチテーゼ、あるいは反面教師と捉え、

それはつまり、

山崎貴監督が『ゴジラ-1.0』〈マイナスワン〉(2023)の制作にあたり、

庵野ブランドの前作『シン・ゴジラ』(2016)を(公言せずとも)暗に反面教師的に捉えていたのと通じている。

 

だから「ブレーザー」は第1話から型破りで画期的、

ウルトラマンブレーザー 2023/7/8

『シン・ウルトラマン』なんぞ恐れるに足らずと庵野秀明への対抗心むき出しで、

既定路線の「(NEW GENERATION)ガイア」を破棄してまで、

あえて完全新路線の「ブレーザー」を打ち出したのはなぜか?

 

それがずっとわからなかったが、

以下の桜井浩子氏と庵野氏の対談で、「なるほどそういうことか」と納得。

 

2024/02/01

 

2024/02/20

 

対談はまだあと4回続くそうだが、

 

#67 (第一話) 2月1日

#68 (第二話) 2月20日

#69 (第三話) 3月10日

#70 (第四話) 4月1日

#71 (第五話) 4月20日

#72 (第六話) 5月10日

 

それを待たずに関連情報だけまとめますと、

  • 円谷プロの現会長・塚越隆行氏がディズニー在籍時から庵野氏は知り合いで会食などもあった。

  • 『シン・ウルトラマン』(2022)の経緯は、前社長・大岡信一氏(2008年より。『シン・ゴジラ』翌年の2017年に相談役就任)の頃からすり合わせがあった。
  • 塚越氏より直に呼び出され、「3本ぐらいやってくれないか」と打診された。
  • 庵野氏は3本を映画3作と受け止めたが、塚越氏は「テレビでも映画でもなんでもいいから」との意向だった。
  • 庵野は「現状の自分にはテレビは物理的に無理。映画は当初2020年公開予定で、独力では不可能なので樋口真嗣を補佐にあてがった」
のろわれた
  • 東映の『シン・仮面ライダー』(2023)の企画はスムーズに進み、それは『シン・ゴジラ』が空前の大ヒットだったのが要因。

とのことで、2020年ごろにウルトラマン映画を配給していた松竹には、

「庵野が映画『ウルトラマン』(三部作!)を手がけるとすれば、東宝制作・配給となることは必至」と

また同時にテレ東ニュージェネ制作チームには、

「庵野がテレビ番組でもウルトラマンを手がける可能性があり、そうなればテレ東とは別局(TBS系かNHK)になる」と塚越氏サイドから断りがあったはず。

 

これにより、松竹は東宝の『シン・ウルトラマン』公開後はウルトラマン映画の配給をやめると決定。

テレ東はまさか10年続けたニュージェネを手放せないので、

たとえTBSで庵野版テレビシリーズが別展開されようと、それに対抗できる体制を整えるしかなかった。

 

だ・か・ら、テレ東ニュージェネ陣にとって、庵野ウルトラは映画だろうがテレビ番組だろうがライバルとなり、「ウチも決して負けてません」と意向を示す必要にも迫られた。

それが故の

  • 「TBS(系毎日放送)由来の『ガイア』ニュージェネはやめました」
  • 「映画『シン』でやろうとしてできなかった(うまく行かなかった)ことを「ブレーザー」でやり遂げました」

の姿勢を崩さなかったわけ。

 

加えて映画『 ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』はバンダイナムコ(フィルムワークス)配給になったが(3回目)、

 

 

「東宝の怪獣映画には負けません」を示すために、相手側の東宝最新作『ゴジラ-1.0』から、東洋バルーンの係長、板垣昭夫(飯田基祐・いいだきすけ)と、

駆逐艦雪風の元艦長・堀田辰雄を演じた田中美央(たなか・みおう)の、


奇しくもゴジラ討伐・海神(わだつみ)作戦に集結した二人のキーパーソンが、

なんと今作『ブレーザー/大怪獣首都激突』にも、そろって出演している。

 

このように「ブレーザー」製作陣は、

対東宝、対庵野秀明、対TBSの姿勢を断固として色濃く示している。

 

今回はここまで。

 

次回は作品内容についてさすがに触れますよ。