『いつまで、2人はこのままなんだろう』

夫が
ポツリと呟いた

私ではない。
夫の言葉だ。


どうしたのかと聞いたら

お風呂で数を数えていたら
15の次がわからなかったらしい

持ち帰ってくる支援級のプリント類も
保育園児がやるような内容

計算もできないし
カタカナも読めない

トランプのマークは
なんとかわかるだけ


実子と双子の知能レベルが
一緒、もしくは
実子の方が高くなり


いつまで
何もできないままなのかと

夫は

愕然としたようだった


なんてことはない

出会った頃からそうだったし

いつまで続くのって
きっと一生だし

プリントが保育園レベルなのは
知能レベルが
4、5歳児しかないから

いたしかない気もする



『支援級やデイ、なんのために
行ってるんだろう』


そう言うけれど

今、普通級と児童館に
行かせていたら

トラブルしかないだろうし

今よりさらに周りとの差に
ショックを受けるだろう


支援級とデイに行っているから
この毎日がある


普通級の2年生では
九九をやるらしいが

一桁の足し引きもできないから
九九なんて遠い未来だ


いつできるようになるのか、なんて
考えることも
私はしなくなった


診断がついてから8ヶ月

やっと
2人の状態に気がついたのだろうか


出会った頃や、
病院に行く行かないと揉めていたときは

『双子は普通だ、何もない』
と言い張っていた夫

診断がついてからも
『そんなわけない』と
受け入れなかった夫


でも。

なんで気づかなかったのだろう、と

本当は保育園からも指摘されていた、と

もっと早くから
療育していれば違ったのだろうか、と

話しだした。


その答えは誰にもわからないけれど。


この道が正しいのかも
わからないけれど。


それでも2人は生きていくし
私たちは育てていく


実子が小学校に上がる頃には
周りや実子との差に
気づくかもしれない


なぜ自分たちは
学年が上がっても
クラスが変わらないのか。

支援級とはなんなのか。

デイとはなんなのか。


まだ2人は
そのあたりに疑問は持たず

保育園の延長のような形で
行っている。


夫が
向き合い始めてくれたことが

良い方向に行くといいなと、思う