こんばんは!いえ、おはようございます。
なかなか更新できずなのですが、皆様からのお優しいお言葉本当に嬉しく思っております。
先日の記事へのコメントもやっとお返事ができました。遅くなってしまって申し訳ありません .・゚・(ノд`)゚・.
仕事漬けの日々…今週一杯のはずでしたが、どうやら来週の半ばまで続きそうな気配です。
ということで、逃避がてら書いていたパラレルを。
実はこのパラレル、未だタイトルが決まっておりません(笑)でもそのまま投下!
中編程度のお話になる予定です♪
パラレルOKなんでもこーいという方のみ、お読みいただきますようお願い申し上げます m(_ _)m
夢幻との同時アップですので、そちらもぜひ楽しんでいただけると嬉しいです。
タイトル未定 1
1
「隊長!!誰か医師を早く!」
男が負傷した男を背に担いで運ぶ。その腹は深く剣で裂かれ、血が溢れている。
「どうした!?」
「隊長がやられた!」
医師がバタバタと駆けつけ治療に当たる。息は微かにあるものの危険な状態であることは誰しもが分かった。外では依然として戦乱の音が聞こえており、男をドサリと寝台に置いた者は名残惜しげに戻って行った。
「急げ!このままでは危ない」
一人の医師が叫んだ。
「チェ・ヨン隊長!」
*
「ああ!もう嫌になっちゃう」
夜の街を女が一人フラフラと歩いていた。冷たい空気に吐く息が白く染まる。だがその顔はほんのり赤く、まだ酒が抜けきれていない。
「見てなさいよ!いつかギャフンと言わせてやる」
お決まりの台詞を叫びながら、ふらつく足を動かして歩道橋の階段を登る。登りきるとふうっと息を吐いて手すりに寄りかかった。
眼下では多くの車が行き来しており、その光が眩しい。
街にはチカチカと光が灯り、どこか浮かれたように見えるのは自分の捻くれすぎだろうか。
こんなに沢山の人がいるのに…その誰一人とも目が合うことは無い。
————私は一人だ
そんな考えが頭に浮かんで、ふるりと頭を振った。自分の取り柄と言えばポジティブなことなのに、どうしてか気分が浮上しない。誰も自分に気づいてはくれないと孤独感が襲ってくる。
————飲み過ぎね
いや、むしろまだ飲み足りない。もっと沢山飲んで、いっそ全てを忘れてしまいたい。
じわりと込み上がってきた涙をぐいっと拭いたウンスはふーっと息を吐き出し、手すりから手を離すと、背をもたれてそのままずるずると座り込む。
大学を卒業してずっと頑張ってきた。自分が目指していたのは何だったのか…。こんな時に甘える男(ヒト)も居なければ、孤児であるウンスには両親だっていない。
そんな時だった。歩道橋に居た一人の男と目が合ったかと思うとウンスに近寄ってきた。
————人、居たかしら?
自分以外に歩道橋には誰もいないと思っていたが、いつの間にか人が居たらしい。こんな所に座り込んで、しかも半泣き状態の姿を見られてしまったと少し恥ずかしい。
後から考えれば、そんな弱気な時に声をかけられてしまってつい無防備になってしまっていたのかもしれない。
*
パチリと目を開けた。
同時に、まばゆい光が目に飛び込んできて思わず顔をしかめる。
————ここは?
煩い程の喧噪に頭が痛くなってしまう。
確かに、つい先程まで自分は市場からほど近い場所で襲ってきた刺客と戦っていた。別段変わったことも無く、いつものように切り捨てれば終わり…の筈だった。
だが、刺客の剣を跳ね上げたその先には運悪く子供がいてとっさに飛び出してしまった。姿勢を崩し、相手の剣が自分の腹に突き刺さったところで————意識が途絶えた。
普通に考えれば自分は…
————死んだのか?
だが自分は今、見知らぬ土地にいる。これは橋の上なのだろうか。煩く響く騒音に、光を放つ鉄の小屋のような物が下を走っている。比較的大きなものや小さな物もあり、鉄の馬にまたがって走っている人は兜のような物をかぶっている。
ぐるりと周りを見渡せば、見たことも無いような大きな建造物が辺りを埋め尽くし、その壁には小さな窓から光が漏れていた。
自分が死んだのであれば、ここが天界という場所なのだろう。もっと草花に満ち溢れた穏やかな所だと思っていたのだが、どうも違ったようだ。なんにせよ未知の世界であることに変わりはない。向こうから一人の男が歩いてきた。見たことも無いような衣は先程見えた橋の下を歩く者達と同じようなものだ。
「すみませぬ、お尋ねしたいのですが。私は高麗の武士、チェ・ヨンと申します。ここは天界なのでしょうか?」
丁寧に尋ねたつもりだった。だが、男はまるで声が聞こえないかのようにそのまま通り過ぎようとする。
「もし?聞こえぬのですか?」
天界に住む天人に対しての礼儀など分からない。もしかしたら尋ね方がおかしいのだろうか。
「天のことを知らず、無作法をお許し下さい。ですが何も分からぬのです。私は一体どうすればよいのでしょうか?」
歩き進む男について行きながら声をかけるものの反応する様子は一切見せず、諦めて次にくる人間に顔を向けた。
次に来たのは、派手な色の衣を着た女人だった。高麗ではありえぬほどに足を露出しており、思わず目をそらしてしまう。声をかけるのを一瞬戸惑ったが、やはり「お尋ねしたいのですが」と声をかけた。だがやはり反応は同じで、まったくもってチラリともこちらを見ようとしない。
一体どうしたものかと、ヨンは深くため息をついた。
続
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