こんばんは ヽ(*´∀`)/

クリスマス企画、夢魔ウンスの続きです♪
久々の夢魔ウンス、喜んでいただけて本当に嬉しいです (*´∀`*)

好奇心旺盛な夢魔ウンス、弾き飛ばされた先で逢ったのは…?

※パラレルになりますのでそれでもOKという方のみお願い致します m(_ _)m

それでは、皆様ハッピーメリークリスマスイブ♪





.。:*+。.: *:・+:.'゚




「っていうことがあって…て、チェ・ヨン?」
「なんです?」
 
 二人がいるのは寝台の中だ。ヨンが非番ということもあって、こうしてゴロゴロしながらウンスが話をしてたのだが、話をふうと切った所でヨンの様子に気づいた。

 ————あれ?

 不機嫌、いやどことなく怒っているような顔に、思わず体を離してしまったのは仕方のない事だろう。
 
「な、なんです?って、その…顔が怖いんだけど?」

 恐る恐るウンスはヨンを見上げる。今となっては子供の頃の、まぁあまり微笑ましくはないが…ほんの失敗談ではないか。それなのに、ヨンを取り巻く空気はなんとなく冷んやりとしていて、正直ちょっと怖い。

 ウンスが離れたことに不満げな顔をしたヨンは、ぐいと腕を引っ張るとぎゅうと抱きしめてきて、ちょっと苦しいくらいだ。ぷはっと落ち着ける位置を探したウンスがヨンの顔を見ると、そこには離れるなと書いてあるようで、くすくすと笑ってしまう。

「どこの誰です。あなたをそのような目にあわせるなど、許せませぬ」
「って、いや、子供の頃の話だから」
「されど、あなたが痛かったのは事実でしょう」

 ————もう…本当に

 自分を甘やかしすぎるチェ・ヨンにくすぐったく思いながら、ウンスはヨンの胸にぽすんと顔を埋める。するとまたもやぎゅうぎゅうと腕に力を入れてきて————

「ちょっ!チェ・ヨン!苦しいってば!」
「笑うからです」
「だって、そんなに怒らなくてもいいのに」
「何があろうと、子供の頃の話だろうと、あなたを苦しめたのであれば許せませぬ」

 真っすぐな言葉に顔を赤が赤くなるが、ヨンはこれを真剣に言っているのだから参ってしまう。はずかしさに顔を隠すようにして胸に押し付けていると「それで?」と先を促された。

「それで…って?」
「ですからどのようにして助かったのです?はじき出された後は」
「それがね、あまり覚えていないのよ」

 そうなのだ。幼い頃というのもあったのかもしれない。聖水の為か、帰ったウンスは寝込んでしまって、起きた時にははじき出された後からの記憶が曖昧になっていた。

「誰かが親切にしてくれて、なんか気持ちが温かくなったことは覚えてるんだけど…」

 



小さな夢魔のクリスマス 2




 …い…お……おい

 お………うぶか?


 体を揺すられる感覚に、ウンスはゆっくりと瞳を開けた。だが、途端に襲う背中の痛みに思わず顔をしかめる。

 ————私…?

「おい、大丈夫か?」

 その声にギクリとして振り向くと、男の子が一人自分を覗き込んでいて————先程の恐怖が蘇る。震えながらも、どうにか後ろへずりずりと下がろうとしたのだが思ったように上手くいかない。
 近寄らないでと腕をブンと思いっきり振ると、男の子は少し驚いたようにしていたがその手をぱしっと掴まれてしまった。

「怪我してるのか?」

 そう言うとすっとしゃがみ込み、背中を覗かれてその目が驚きに開かれた。背中を覗かれては隠しようがない。もうダメだとウンスの目に涙がたまる。

「羽?」

 びくりと体を震わせたウンスをじっと見たその男の子はしばらく考えるようにしてたが、やがてぽんと頭に手をのせると笑った。

「安心しろ。誰にも言わぬ」

 その言葉に驚いてばっと顔を上げて、思わず相手の顔をじっと見た。

 ————本当に?

 声に出した訳ではなかったのだが、いぶかしんでいる様子が伝わったのか優しく笑いながら男の子は続けた。

「武士は約束を破らぬ。ほら、薬を持ってるから」

 そう言って背中の火傷に人間達の使う薬を塗ってくれた。あまりの出来事にウンスはポカンとされるがまま男の子を見つめた。少し癖のある髪に優しそうな瞳。背丈は自分とあまり変わらないくらいだろうか。歳は…これまた自分と然程変わらないように見えるが、人間のことはよく分からない。

「お前しゃべれないのか?言葉は?」

 分かるかという問いにこくりと頷いた。だが、男の子はしゃべれないのだと判断したようで、ウンスが声を出さなくても別段気にしていないようだった。

「その布は?」

 布とは顔の布のことだろう。ふるふると首を横に振ると「そうか」と言ってそれ以上は何も言わなかった。

「まだ痛むか?」

 そう言われれば痛みは大分ひいている。
 もう一度、ウンスはふるふると首を横に振ると男の子は安心したように笑った。その顔を見たウンスの心臓がドキリと跳ね、ドキドキと早く鳴りだしたものだから、何か変な病気にでもなったのだろうかと心配になる。
 だが、とりあえずは背中の痛みが引いた事に安心して、ウンスもほにゃっと顔を緩ませた。

 ————夢魔にも人間の薬は有効なのかな。

 このまま黙っていようかと思いはしたのだが、やはり好奇心には勝てない。

「……あなたは、誰?」
「お前、話せたのか?」
「しゃべれないなんて言ってないわ」
「さっき…話せぬと」
「あれは、言葉は分かるって意味で頷いたのよ。早合点したのはあなたのほうよ」

 つい、いつもの調子で憎まれ口を叩いてしまう自分にはっと我に返るが、男の子は楽しそうに笑っていて気分を害してはいないようだ。

「それだけ元気なら、もう大丈夫そうだ」
「……ごめんなさい。それと…ありがとう」
「俺はヨンだ。お前は?」
「……お前でいい」

 人に名前を教えていいものか分からないから「お前」のまま通してもらうことにしよう。ヨンはちょっと納得っていないようだが、教えられないのだというとしぶしぶ了承してくれた。

「ねぇヨン、ありがとう。私はもう…」

 帰ると言おうとしたのに、何故だか言葉が出てこない。

 ————もう少し一緒にいたいな

 こんな風に近い年の人間と話せる機会なんてないのだから新鮮で。

「もう…少し、ここにいてもいい?」
「俺はかまわぬが…」
「一緒にいてくれない?少しだけ話し相手になってよ」






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