こんばんは(*´∇`*)

週末UPに間に合いました。

 

さて中編「愛する人」も終わり、次はコメディをと思って書き始めたのは、まさかのパラレルでございます。

軽いお話にしたいなぁと思っておりますが、私のことなのでどうなることやら。数話で終了予定です。

(*プロローグはパラレルではござません)

 

それでは、パラレルでも良いよ!と言う方、どうぞ楽しんでいただけると幸いです(*´ω`*)

 

あ、ついでに時代背景や物語の詳細はガン無視で書いております故、何卒ご了承願います。

 

 

 

 

舞台は14世紀のイタリアの都市ヴェローナ。

そこではモンタギュー家とキャピュレット家が血で血を洗う抗争を————

 

 

「ああ、ロミオ…貴方はどうしてロミオなの」

「お、俺のじゅ?ジュリエッ…「何をしておる」」

「テジャン!」

「貴方はまた…何をしているのです」

 

 

 

信義のロミオと不屈のジュリエット(プロローグ)

 

 

ヨンが呆れた声でウンスをジトと見る。

 

「何って、お芝居よ」

 

そう言いながらキラキラとした笑顔を見せてくる。自分に瞳を向けるその姿は大変可愛いが、いや、そう言う問題ではない。

 

「芝居?」

「そうなんです、医仙様が天界の物語を教えてくださって」

 

ウンスに続けて、そう答えたのはトクマンだ。

 

「隊長、私も聞いておりましたが、切ない物語でした…」

 

副隊長であるチュンソクまで話に乗せられている。

切ない物語とかそういうことを聞いているのではない。何故、皆で芝居を始めたかということを問いたいのだ。

 

「仕事もせず、何をしておると聞いておるのだ」

「さ、さぼってたわけじゃないわ!休憩中に私が来ただけよ」

「そうです隊長!それに俺は今日は非番で…痛っ」

 

ゴンという音と共にトクマンの頭にヨンの拳骨が入った。

 

「非番時は鍛えろ」

 

トクマンが持っていた紙の束を取り上げ、ヨンはため息をついた。

 

「このようなものまで用意して…」

 

そう言いながら、パラパラとめくりヨンは眉を顰めた。

それは以前、ウンスの話に感動したドチが書き留めたもので、かなり本来の物語より簡潔になっているものだ。

が、それをヨンが知るはずはない。

ちなみに、ウンスだって詳細は覚えていない。覚えているのは全体のストーリーとちょっとした台詞くらい。

先ほどはウンスとウダルチの悪ふざけにより、一つのシーンを再現しようとしていたのだ。

 

「なんです、この軽い男は?」

「ちょっとチェ・ヨン、台詞だけで判断しないで!これは哀しくも美しい純愛の物語なのよ!文句言うなら全部読んでからにしてよね」

 

そう言われたヨンはばさりと本を机に投げると「結構です」と言い、隊員を睨む。

 

「あ、あー。さ、さてと、そろそろ休憩も終わりだな!」

「そ、そうだな」

「あ、で、では大護軍。我々は警護に戻ります」

 

そう言って隊員達はバタバタと部屋から出て行く。

 

「あ、ちょっと皆!?」

 

しんと静まった部屋の中、ヨンは本をもう一度手に取りパラパラと捲った。

 

「興味ないんじゃなかったの?」

「文句を言うなら読んでからにせよと言うたでしょう」

 

ウンスの物語を皆が知っているというのに、自分だけ知らぬと言うのも気にくわない。

内容は短く、読み終わるのにそう時間はかからなかった。

 

「どうだった?切ないお話でしょ?」

「切ない…と言うより、何故こうなるのです。この男はあまり賢いとは思えませぬ」

 

思ってもいなかったヨンの感想にウンスはぽかんとしてしまう。

 

「愛を誓っておきながら、仮死状態にさせるなど…俺なら、危険に晒さない方法を探します。もしくはさっさと連れて逃げます」

「えーと、チェ・ヨン?これは物語だから…そんな真剣に考えなくても…」

「この女人もです。重要なことは、必ず相手に伝え、了承を得なくては」

「だ、だからね?」

「勝手に決めて危険な目に会うなど、俺は許しませぬ」

 

ヨンの顔は真剣で、ウンスの方が圧倒されてしまう。

思いっきり感情移入しているではないか。

一体誰に何を重ねているのか、思い当たる節しかない。

 

「何かあれば必ず俺に、良いですね」

「あの、テジャ…」

「良いですね」

「はい」

 

そんな報・連・相ばっちりな物語は、決して悲恋ではなくなる。

かのウィリアム・シェイクスピアもこんな風に言われるとは思いもよらなかっただろう。

 

そんなことを思いながらも、ウンスはコクコクと首を縦に降るしかなかった。

 

 

 

続?

 

 

と言うことで、次回からパラレルです笑

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