こんにちは(*^ω^*)
シンイロミジュリスタートです。
コメディのつもりが、書いていてどうにもウンスが暴走気味。
なぜうちのウンスはシリアスに突っ込んで行くのか。
と言うことで、パラレル信義でも良いよと言う方
どうぞお楽しみいただけると嬉しいです♬
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「まったく、俺を巻き込むな」
その日、チェ家のヨンはユ家で開催される茶会の護衛についていた。
先ほどの会話を思い出し、ヨンはうんざりしながら呟く。
信義のロミオと不屈のジュリエット1
事の始まりは、本日の茶会には王家の所縁の者も招待しているとして、ヨンが所属する部隊に護衛の依頼が来たことにある。
その護衛対象が、ユ家だったのが問題であった。
チェ家とユ家は王に使える文官の家系で、昔から争いが絶えずにいたが、家を継ぐより武士の道を選んだヨンには関係ない話だ。
そもそも、諍いの発端は数代前のことで、もはや明確な理由など分かっちゃいない。ただの因縁だ。
れっきとした仕事であると言うのに、家の者から「ユ家の護衛など!」と文句を言われるのだから、喧嘩は勝手にやってくれと文句の一つも言いたくなる。
そう思いながらため息をついた時だった。
ふと頭上に出来た影にヨンが顔を上げると、赤い髪をした女人が塀の上におり、バチっと自分と目があった。
「え?きゃぁ!ごめんなさいどいて!」
「なっ!?」
下に人がいるのに気づき、止まろうとしたのだろうが既に遅く、女人は勢いよく飛び降りて、いや落ちて来た。ヨンは慌てて手を差し出し、女人を受け止める。
「ご、ごめんなさい。大丈夫?」
「お怪我は?」
同時にそう言って目が合い、女性がくすくすと笑った。
「私は大丈夫よ。受け止めてくれてありがとう」
何故だがその顔から目が離せず、どうにも落ち着かない。
いかに自分とて、突然のことで動転しているのだろう。
なんとなく名残惜しく感じる自分に違和感を感じながらも、女人を降ろして何処かに異常がないか確認する。
一見町娘のような格好を装っているが、その実良家の女性だと分かる質が良い衣類を纏っている。ただ、その雰囲気はヨンの知っているそういった女性とは違う。
可笑しそうに笑う顔を見せてくるのもそうだが、落ちてくる時点でおかしい。
「私はウンス。あなたは?」
「武士のチェ・ヨンと申します」
「げ。あなたあのチェ家の?」
しまった。という顔がありありと分かりすぎて、これではユ家の者だと言っているようなものだ。
「そういうあなたはユ家の?」
「え、ええ」
「何故塀から?」
「えーと…言ったら、このまま逃がしてくれる?」
「内容に寄ります」
問答無用で連れ戻されると思っていたウンスはやや驚いた。両家の仲の悪さはウンスもよく聞かされており、これ幸いにと何か言われるかと思ったが、目の前にいる男はそうではないらしい。
「あなた私のこと、というか、ユ家が嫌いじゃないの?」
「家の者はそうかもしれませぬが、正直私にはどうでもよく。貴女こそどうなのです」
「え?別に?だって私が何かされたわけではないもの」
自分と同じような考えを持っているウンスを、ヨンは思わずまじまじと見てしまう。
「何よ?私の顔に何かついてる?」
「い、いえ」
「ふふ。あなた、変わってるわね」
「塀から落ちてくる女人に言われたくありませぬ」
————これが、二人の出会いだった。
続
原作とだいぶ違う!
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