こんばんは!いつも応援ありがとうございます♬
明日の分、フライング投稿です(・ω´・+)
シンイロミジュリ、軽いパラレルのつもりが…シリアス展開に。
こうなったら思いっきり突き進みます(開き直り)。
それでは、どうぞ!
「あの人が横領!?そんなわけないじゃない!」
庭園を歩きながら、ウンスは目の前にいる男を睨んだ。
「貴女様もお心が痛むでしょう。ですが、奴は捕縛された。これが事実なのですウンス殿」
「何故…!」
「奴を、救いたくはありませんか?」
ウンスははっとして相手を見つめる。
「貴方まさか…」
信義のロミオと不屈のジュリエット5
その日、ウンスが父に呼ばれて書斎に行くと、見慣れない男性が座っていた。
お客様なら挨拶をと思ったのだが、父の言葉に動きが止まる。
「ウンス、こちらはキ・チョル殿だ。数日後、お前との婚約を正式に結ぶことになった」
「は?」
「ほら、ご挨拶なさい」
「あの人以外と、結婚なんかしないって言ったでしょ!」
ウンスは父の机をバンっと叩く。当の本人であるキ・チョルの前ではあるが、まだ自分が知らない間に家に呼ぶとは一体どう言うことか。
「これはこれは。初めましてウンス殿、キ・チョルと申します」
「ユ・ウンスよ。悪いけど…」
「ウンス殿」
婚姻するつもりはないのと言おうとしたウンスだったが、キ・チョルが手を前に出しそれを遮る。
「何よ」
「少し話せますか。二人きりで」
「話すことなんてないわ」
「まぁそう仰らずに。大事な話があるのです。貴女にとっても、悪い話ではありませぬ」
訝しげにウンスは目を細めるが、キ・チョルはエスコートするため「どうぞ」と言って手を差し出してきた。
「そうだなウンス。庭を案内して差し上げろ」
そう父に言われてしまい、ウンスは仕方なく、だがキ・チョルの手は無視して庭園に降りた。後から付いてきたキ・チョルと二人になり、ウンスは先を促す。
「で、話って何よ」
そう言って腰に手を当て威嚇するウンスだったが、キチョルが続けた言葉に思わず身を強張らせた。
「チェ・ヨン。奴とは恋仲だと伺っております」
「なぜ、知って?」
「情報とは、何より価値があるからですよ、ウンス殿」
そうしてキチョルが告げたのは—————ヨンが横領罪の嫌疑で捕縛されたと言うことだった。
*
「キ・チョル、貴方まさか…彼を嵌めたの?」
「それは人聞きが悪い。奴も人間、金に目がくらんだのでしょう」
「そんなはずないわ」
「私であれば、査問官に顔が利きます」
「彼は無実よ。査問会ではっきりするはず」
「査問官とて人の子。例え仮にそれが事実であれど、それを見極められぬ時もありましょう」
余裕の表情を見せるキチョルに、ウンスは唇を噛んだ。キチョルは「諦めなさいませ」と、そう言いながら、ウンスに続ける。
「このままでは良くて流刑、あるいは…」
「…何をしたらいいの」
「何、簡単なことでございます。私と、婚姻を結んでくださいますか?」
「どうして、私なの」
「心を奪われたのですよ、ウンス殿」
「はっ白々しい」
「これは厳しい。では、ユ家の血統だと言えばお分かりですか」
「でしょうね。そっちの方がよっぽど納得いくわ」
キ家の勢力は大きいが、その血統はまだ浅く、政治においては軽んじられることが多い。そこでユ家の血統に目をつけたのだろう。
「奴のためにも、良い返事を期待しております」
「はっ!脅してるの?」
「まさか。本日のところはこれで帰ります。ではまた、ウンス殿」
そう言って、キチョルが出て行くとウンスは崩れ落ちた。身体が震え、どっと汗が出る。
—————どうしよう。どうしたら…
何があっても、離しませぬ
ヨンの声が、聞こえた気がした。
—————ああ、一つだけあった
私がキ・チョルから逃げ、彼を助ける方法が。
ヨン、あなたは私が
—————護るわ
例えそれが私の、最後の日になったとしても—————
続
サランヘ ネ ウンミョン カトゥン ノ
Carry on〜♪