こんばんわ(。>ω<。)ノ 

シンイロミジュリ、やっとこれにて本当の結です!

ということで、完結コメ返!始まりまーす( *´艸`)♪

 

 

 

では、パラレルOKな方はどうぞ〜♬

 

 

 

 

 

 

「お父様、ね、今日は一緒に寝ていい?」

「ああ、いいとも。かわいいウンス」

 

 —————夜が怖いと泣いたウンス

 

「ふふ、ひっかっかった!」

「こらウンス!いたずらもいい加減に…」

 

 —————お転婆で、いつも笑顔だったウンス

 

「このばか娘が!」

「こ、この頑固親父ー!」

 

 —————言い出したら聞かない頑固者だと分かっていたのに

 

 —————ああ…もしも時間を戻せるのなら…

 

 

 

信義のロミオと不屈のジュリエット エピローグ

 

 

 ごとごとと揺れる馬車の中から、ユ家当主であるナムスはぼんやりと外を眺めていた。過ぎ行く景色を流し見ながら、自分の向かう先を考えて小さくため息をつく。

 

 あの日、最愛の娘を永遠に失った

 くだらぬ家の争いのせいで、一人の年若い女人を亡くした。この件は両家に大きな衝撃を与えたが、後悔してももうユ家の娘は戻ってはこない。

 

「我々が、間違っていた…」

「そうね、本当に…申し訳ないことをしてしまった」

 

 皮肉にもこの件によって両家は深く後悔し、争いを止め和解の道を歩み始めることとなった。

 

 そうして、争いが終わりを迎えてから数ヶ月後、ナムスはチェ家に招かれることとなったのだ。

 ついため息が出てしまうが、それは今回招かれた理由が原因だった。ウンスとの婚姻を望んでいたヨンが、紹介したい女人がいるとのことで連絡を寄越したのだ。おそらくは、けじめとして挨拶をということなのだろう。ナムスはもう一度ため息をついた。ヨンには彼の将来があるのだから、仕方のないことだと、そう分かっていても、ウンスを思うと複雑な気持ちにもなった。しかし、娘が命をかけて愛したヨンには、幸せになって欲しいと思っているのも本当だ。

 

「ウンスや…お前だったらなんと言うかな…」

 

 親バカかも知れないが、我が娘ながら天晴れな娘だった。きっとウンスは彼が幸せになることを心から喜ぶだろう。ふっと娘の顔を思い出したところで、馬車が止まりチェ家に着いたことを知らされた。

 

「本日はご足労いただき、感謝申し上げます」

「おお、ヨン殿。こちらこそお招き感謝する」

 

 応接室にて挨拶を済ませると、早速と言ってヨンは本題に入った。

 

「実は…結婚を考えている女人がおります」

「やはりか…薄々分かってはいたが、当たっていたな」

「ウンスのお父上殿にはどうしても挨拶したく」

「ああ、ありがとう。きっと、ウンスも喜ぶ」

 自分の予想が当たっていたことに少しだけ寂しく思ったが、微笑みながらナムスは答えた。

 

「その女人は平民の医師でして…」

「平民!?」

 

 だが続いたヨンの台詞にギョッとして思わず聞き返してしまう。あのチェ家が、平民との婚姻を許可したと言うのだろうか。

 

「はい。私は家を継ぎませぬ故、平民でも問題ありませぬ。ウンスとのことで、結婚はもう好きにしろと言っていた両親も、まさか平民とは思わなかったようで最初は渋っておりましたが…。ですが、その女人と会って考えを変えたようです」

「そうか。チェ家が認めたとは…いい女人に出会えたのだな」

「はい。頑固でお転婆で人の話を聞かぬ女子ではありますが」

 

 なんと、ウンスにそっくりではないか。ヨンはその女人にウンスの影を見たのだろうか。少しでもウンスが彼の心にいるのなら、忘れないでいてくれるならば、親としてはとても嬉しいことだ。

 

「ヨン殿、儂はお主に幸せになって欲しいと思っている。だが、今更こんなことを言えた義理ではないことは重々承知の上で、お願い申し上げる。ウンスを、どうかあの子を忘れないでいて欲しい」

「お父上殿…もちろんです。私の心に居りますのは今もこれからも、ウンスただ一人です」

 

 は?っとナムスは顔をあげた。ウンスただ一人だと?では婚姻とはどう言うことだ?形だけの婚姻?いや、相手は平民だと言ったではないか。

 疑問が明らかに顔を埋めているウンスの父を見て、ヨンは扉の外に「もういいでしょう」と声をかけると、静々と女人が部屋に入って来た。

 

「こちらが、私の婚約者です」

 

 もはやヨンの言葉など耳に入らず、目の前の女人に目が釘付けとなる。目を大きく見開き、ポカンと口が開いたままになっている表情に、女人はニッと笑った。

 

「ウン…!?」

「初めまして。医師で平民の、ただのウンスですわ。ユ・ウンスのお父様」

「お、お前…なんで、まさか」

 

 ナムスはふるふると震えて、目に涙が溢れて来た。親と愛する娘の—————

 

「化けて出たのか!?」

「失礼ね!!生きてるわよ!」

「なんでだ!」

 

 —————感動の再会である。

 

 こうして、全てを説明し終えるとウンスの父は「このばか娘が!」と言って怒鳴った。

 

「一体どれだけ…!」

「元はと言えば、お父様が許してくれないからでしょ!」

「本当に、このばか娘が!本当に…本当に…」

 

 涙が溢れて声にならず、ウンスを抱きしめる。

 

「儂が、悪かった。どれだけ、どれだけ後悔したか—————

「お父様…」

「時を戻してくれと、どれだけ———ああ、どれだけ感謝すれば…。お前が生きていることが、まだ信じられん」

「心配かけてごめんなさい」

「良いのだ。お前が生きていた。それだけで良い」

 

 しばし再会を喜び合った後、ウンスの父はヨンを見て告げた。

 

「だが、この娘はもはやユ・ウンスではなくただのウンス」

 

 ユ・ウンスが生きていることが分かれば、キ家がまた仕掛けてくるだろう。もう平民のウンスとして生きていくしかないのだ。

 

「だから儂は、娘がかつて愛した男の結婚を祝い、これからも全力でヨン殿を助力しよう」

「私も僭越ながらご助力の御礼と、かつて愛したユ家ご息女に敬意を払い、我が妻と共にユ家を定期的にご訪問致します」

「…感謝する」

 

 要は、ウンスを連れて顔を見せに行きますよと言っているだけの話だ。そうして「こうしてはおれぬ!」と言い、父は慌ただしく帰って行った。

 窓からその馬車を見送りながら、ウンスがヨンに笑いかけると、ヨンもふっと微笑む。

 

「会わせてくれてありがとう」

「それにしてもウンスも人が悪い。最初から姿を見せぬなど」

 

 そう。父が到着した後ウンスは敢えて扉の外にいたのだ。父の様子を見るためでもあったが、一番の理由はただのドッキリである。

 

「ちょっとした仕返しよ!少しは反省してくれないと!」

「少々どころでは…」

 

 とは言いながらも、ヨンだって反対しなかったのだから同罪だ。ただでさえ娘を一度は失っているのだから反省どころではなかっただろうが、こうなった原因を作ったのも事実である。これくらいの意趣返しは許してほしい。

 やりすぎちゃったかな…という顔でウンスは笑った。

 

「でも貴方だって、結構乗り気だったわ」

「俺とてイムジャを失った思いをしたのですから、これぐらいはしたくもなります」

「大丈夫、もうしないわ。もしする時は貴方にちゃんと言う」

「そのような《もし》はもうありませぬ。ですが、仮に何かがあったとしたらいかなる状況でも、事前に・しかと・確実に・俺に知らせ・安全な策を取るのです。良いですね?」

「んもう!わかったわよ!心配性なんだから」

 

 しかとと確実などは、もう意味が被っているではないか。そんなに信用ならないのかとも思うが、ヨンは真剣だ。

 その表情に、ウンスは嬉しそうに笑い、くすくすと笑いながらポスンとヨンの胸に身を預ける。

 

「ふふ、でもそんなに心配なら、側にいて見張ってないとね」

「もちろん、そういたします」

 

 その暖かい重みにヨンは柔らかく微笑むと、ウンスの背に手を回し優しく力を込めた。

 

 

 

 

 そんな二人の元へ、慌ただしくユ家から招待状が届くまでそう時間はかからなかった。

 

 母からは「あなたがそう簡単に死ぬなんておかしいと思ったのよ」と言われ、弟からは「殺しても死にそうにない」と言われ、ヨンにまで「そこがウンスの良いところです」と言われて、ウンスが「皆して私のことなんだと思ってるのよ!」とちょっと拗ねて、そうして皆と笑い合うのは—————

 

 —————これまた数日後の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悲劇と喜劇の分岐点は先が鋭く、ほんのわずかな風向きで傾きが変わってしまう。

人はそれを運命と呼んでいるのだ。〜ロミオとジュリエット第4幕より〜

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