こんばんは(。>ω<。)ノ 真夜中更新です♪

 

昨日は初詣に行ってまいりました。

やはり初詣に行くとお正月だなと実感します。

 

最近はいろんなおみくじがあって、どれにするか悩みますね。

「武将おみくじ」なんてのもあって、これは引かねば!笑

ちなみに「黒田官兵衛」でした! 大河懐かしいなぁ。

 

さて、本題。

本日は「天女の羽衣 後編」になりますヾ(●′ω`)ノ

 

本題とは関係ないですが、羽衣伝説は日本だけでなく、中国・韓国・東南アジアと広い地域に残されているんだそうですよ。

日本では羽衣をとった男は、農夫や漁師、不明などその職業は各地で様々のようですが、韓国では「ナムクン(木こり)と仙女(天女)」がメジャーだそうです。

 

 

せっかくなので、イラストも。

元旦はヨンだったので、今回はウンスを描いてみました♪

 

 

 

 

 

 

 

天女の羽衣(後編)

 

 

 

 王の許可の下、茶礼の席を少々早めに辞したヨンは安堵の息をついた。

 

 武士である自分にとって、形式張った茶礼など退屈以外の何物でもないが、王の御代を確固たるものにするには必要なことは分かっている。

 だが、大臣たちの挨拶が始まってしまえば特にすることもないのだ。そのため、つい油断すると今朝のことを思い出し、頬が緩みそうになってしまうのを必死で抑えていた。

 側から見れば一見険しい顔に見えていただろうヨンに、王は何を思ったのか「隊長はもう下がって良い、医仙のところへ行ってやれ」とにこやかに告げたのだ。

 大臣たちの手前少々気恥ずかしい気もしたが、どうせもう終盤だからと、ありがたく受けて辞して来た。

 

 そうして帰途に着きながらも、頭に浮かぶのは今朝のことだった。

 

 日の出を待つ間、温もりを求めて擦り寄ってきたウンスを思い出し、ふっと頬が緩む。

 ウンスは自分と比べてかなりの寒がりだ。寒い日には無意識に擦り寄ってくるものだから、その可愛さについ手が出そうになる。

 好きな季節など特に考えたこともなかったが、そう考えると冬はいい季節だなどと思う自分も如何なものかとも思うが、こればっかりは仕方がないだろう。

 

 そうして見た日の出は、かつてないほどに美しく見えた。

 腕の中には、きらきらとした瞳で日の出を見つめるウンスが居て。

 

 —————愛しい

 

 そう思うと、自然と言葉が出てきた。嬉しそうに瞳を潤ませたウンスに、思わず抱きしめる腕に力を入れ、その瞳をなぞった。

 

 色褪せた自分の世界を、変えたのはウンスだ。

 そのウンスの瞳に映る景色と、同じものを見ていることが—————四年の歳月を超えてこの腕に抱ける…その奇跡にどれだけ自分が幸せを感じているか、ウンスは分かっているだろうか。

 

 その分、ウンスを失うと考えるだけで心臓が凍りそうになる自分は、果たしてウンスを得て強くなったのか…それとも—————

 だが、ウンスが側にいさえすれば…ウンスを守るためであれば、自分は何にも負けはしない。だから…

 

 —————ずっと、側に

 

 そう伝えて口付けた時の赤く染まったウンスの顔は何よりも可愛く思えた。

 

 そこまで思い出して、確実に緩んでいたであろう顔を咳払いで元に戻す。気を抜きすぎだ…と呆れはするが、誰も見ていないのだから良しとしよう。

 

 今頃ウンスは、きっと茶会を楽しみ自分の帰りを待っているだろう。ふっと笑うと、目前に見えている兵舎へとヨンは急ぎ足を進めた。

 

 

 

「ただいま戻りました」

「お帰りなさい!テジャン!見てこれ」

 

 パタパタと駆け寄ってきたウンスに、ヨンの目は驚きに丸くなった。

 

 そこにいたのは、綺麗に着飾ったウンスで—————

 

 「どう?」

 

 ふふっと笑うウンスの目元はほんのりと赤く縁取られ、何もせずとも美しいというのに、服装と相まってさらに艶かしい。

 惚けた顔をしてウンスを見るヨンに「サプライズ成功!」とウンスが笑顔を見せた。ふっくりと柔らかそうな唇には紅が乗せられ、誘うように動いている。

 

 「—————とても、お綺麗です」

 「でしょう?王妃様にいただいたの!テジャンに見せたくって」

 

 そう言ってくるりと一回りして見せると、裾がひらりと揺れた。襟は大きく開き、肩がちらとのぞいているが、その上に重ねるようにしてウンスが纏っている薄絹がふわりと舞い、まるで…

 

 —————羽衣を羽織った天女

 

 どこかで聞いた昔話を思い出す。ウンスが来たのは天界ではなく、ずっと先の高麗だと知っていても、天女がいるとしたらまさにこの様な姿なのでは…などと、らしくないことを思ってしまう。

 

 微笑むウンスの紅の髪が、上品な衣に美しく映えて、華やかさと艶を醸し出している。

 

「皆が言うのも分かります」

「え?」

「知りませぬか?イムジャは周りから天女と言われております」

「ああ。でもそれは、天界から来たって思ってるからでしょ?」

「ええ。されど、そうでないと分かっている俺の目にも、まるで…天女のように見えます」

 

 そう言うと、ウンスが顔を紅くして口をはくはくと動かしたが、声は出ていない。

 

 —————可愛い

 

「ですが、俺はもうイムジャを天には返しませぬ」

 

 そのまま引き寄せ抱きしめると「…そう来るのね!」と、どこか悔しそうにボソボソと呟いていたが一体何のことか。

 

 自分に見せたかったのだとウンスは言った。一体自分をどれだけ喜ばせるのだろうか。愛しいと思う気持ちのままに、ウンスに顔を寄せ—————。

 

 「これ着て茶会に行こうかと思って!」

 

 唇まで後少しと言うところで、ウンスの言った言葉にヨンがピタリと止まった。

 きらきらと嬉しそうに笑顔を見せるウンスは文句なしに可愛いのだが————

 茶会のことなど、すっかり頭から消えていた。

 

 —————この、姿を皆に? 

 

「なりませぬ」

「え?!なんで?あ!も、もしかして…似合ってない?」

 

 そうではない。ヨンは改めじっとウンスを見つめた。似合うどころか、似合いすぎていて目の前のウンスは色が有りすぎるのだ。自分の前でだけならもちろん大歓迎なのだが、皆の目に触れるとなると話は別だ。

 

「そうではありませぬ」

「えー、ならいいじゃない!」

 

 こうなるとウンスはただダメだと言うだけでは聞かない。ウンスに悋気を見せるのも情けないが、ウンスのこの姿を人目に出すことを天秤にかけると、まだ前者の方がましだ。

 

「————俺が嫌なのです」

「嫌?」

「イムジャのその姿を、誰にも見せたくありませぬ」

 

 気恥ずかしさに、ウンスが弱いと知っていて敢えて耳元で囁く。

 

「天女の装いは…俺の前だけで」

 

 びくりとしたウンスの顔を覗き込むと、耳を抑えながら顔を真っ赤にしており、予想通りの反応にクスリと笑みが漏れてしまう。

 

「イムジャ?」

「もうっ!あなたは何でそう…!」

 

 よく分からないが「完敗よ!私ばっかり、悔しい!」と言っているからするに、恥ずかしがっている事が悔しいのだろうが、一体いつから勝負をしていたのか。

 

「テジャンのバカ、天然スケコマシ、ヤキモチ焼き屋」

 

 悔し紛れに小声で詰ってくるウンスに「はいはい」と言いながらも、その可愛さについ笑ってしまい、じろりと睨まれてしまう。

 

「何とでも言うてください。ほら、もう出ますから早う着替えて」

「せっかく王妃様から貰ったのに…」

「王妃様には俺からも御礼を申し上げておきます故」

 

 ウンスは少し困ったような嬉しいような顔をして「もう…仕方ないわね」と言いながらクスクスと笑った。

 

 そうして別の装いになったウンスは、ヨンの前で人差し指を立てにっと笑みを見せた。

 

「チェ・ヨン、あなたのためにわざわざ、仕方なーく着替えたんだから、貸し一つね!」

 

 そう言ってくるっと背を向け、扉に向かいながら「何してもらおうかしらー」と早速要望を考えているようだ。

 

「あ!じゃぁ…今度何か買ってくれる?」

「何でも。何が欲しいのです?」

 

 ぎいっと扉を開けて部屋を出たウンスに、ヨンは後ろからついて行く。

 

「んー、特に決まってないけど」

「ならば、次の休みに市場に行ってみますか?」

「良いの!?」

 

 扉がゆっくりと戻り、2人の声が部屋から遠ざかる。

 

 

「はい」

「デートね!嬉しいっ」 

 

 笑い合う声が微かに風に乗って—————

 

 

 

 パタリ、と静かに扉が閉まった。

 

 

 

 

 

 誰もいなくなった部屋の中—————窓の隙間からふわりと風が入る。

 

 

 

 本来の王妃がウンスに贈った目的は、ヨンのためだけの装いとして。つまり褥での艶っぽさを重視して作られたもの—————。

 

 

 

 壁に掛けられた天女の衣—————

 

 

 

 

 危うく人目に晒されそうになったが、どうにか己の本来の目的だけで済みそうだ…と

 

 

 

 

 安心したかのように、その裾をひらりと揺らした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨンの褒め台詞「天女のよう」が正解でした。当たった方います?笑

タイトル通りなので、割と当たってたりして…( *´艸`)♪

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