こんばんは(*´∇`*)

 

昨日に引き続き「君に唄う恋の歌」略して君歌の更新です。

 

さて歌と言えば。

話題のアナ雪2、今回の曲も良いですね♪ Into the unknown〜♪♬

見に行きたいなぁ。1よりおもしろかったと聞いて俄然興味!

 

さて本題。今回は喧嘩のターン。英語の曲だと分かった二人は…

 

それでは、どうぞ〜(。>ω<。)ノ 

 

 

 

3

 

 

 

 

 ばんっ!っと大きな音を立てて扉を閉めてヨンは部屋を出た。

 

「もうっ!チェ・ヨンの分からず屋!」

 

 後ろからウンスの怒鳴り声が扉越しに聞こえてくるが、無視してテマンを呼ぶ。テマンにウンスを見張っているように告げると、チュンソクにスリバンの者を呼ぶように伝える。

 

 こうなった経緯は、あの後だ。

 

 ウンスをあの場から連れ出した後、王宮に戻ろうとするヨンにウンスは、こともあろうに旅芸人と話がしたいと言い出したのだ。

 

「なりませぬ」

「なんで!?」

「彼らの素性が分からぬ以上、危険です」

「だって、私たちが見に来たのは偶然だわ?あっちだって、私のことなんか知らないわよ」

 

 ウンスはそう言うが、少しでも危険の可能性がある以上近づかせる訳にはいかない。

 

 高麗に医仙がいるということを聞きつけて、おびきよせた可能性もある。だが、そうだとすると『英語なるものを医仙が理解出来る』と知られていることになるが、その説明がつかない。

 ウンスは自分に「オッケー」だの「ファイティン」だの天界語を使うことがあるが、それが「英語」だという話が広まったことはない。そもそも天界語を知っていることがおかしいのだ。

 

「まずは調べさせます。それからです」

「直接話した方が早いじゃない」

「なりませぬと申しておるのです」

「だって!もしかしたら、私の時代から来た人がいるかもしれない。あなただってそう思っているんでしょ!?」

 

 その問いには答えなかった。抵抗するウンスを引きずるようにして近衛宿舎に戻り、ウンスを部屋に押し込む。

 

「ちょっと、話はまだ終わってないわ!」

「ここを離れませぬよう。じっとしていてください」

「いやよ!」

 

 そう言って喰らいついてくるウンスに、とうとうヨンが声を荒げた。

 だんっと大きな音をさせて、ウンスを囲うように壁に手をつき顔を近づける。

 

「危険に晒したくないと、何故分からぬ!?」

 

 だが、大きな声くらいで怯む女人ではないのだ。

 

「危険かどうか、会ってみれば分かるじゃない」

「何かあったらどうするつもりだ!?」

「だから!危険だなんて考えすぎだって言っているの!今日だってただの偶然だわ。それに、高麗の人は天界語すら知らないのよ?どう考えても、あの中に天界から来た人がいるって考えた方が辻褄が…んむぅっ」

 

 まだまだ続きそうな反論をする口を、自らの口で塞ぎ舌をねじ込ませる。ウンスはドンドンと胸を叩いたり押したりして抵抗していたが、その内くたりと力が抜けた。

 

「んっ…む……っ、ぷはっ」

 

 文句を言いたいのだろうが、目を赤く潤ませて睨まれても威力はゼロだ。

 

 

 そんなウンスをヨンは見つめてヨンはポツリとつぶやく。

 

 

「そんなに…天界を恋しくお思いですか。天界に…」

 

「え…?」

 

 かろうじて聞き取ったウンスは思わず聞き返した。

 だがヨンはくるりと背を向けて扉に向かう。

 

「ちょ、ちょっと!チェ・ヨン!?」

「いいから、大人しくしておかれるように。よろしいですね」

「よろしくない!あ、ちょっと!」

 

 そう言うウンスを振り切ってヨンは部屋を出て、話は冒頭に戻る。

 

 

 後ろからはまだ自分に文句を言っているウンスの声が聞こえてきているが、ヨンはそれを無視して足早にその場を離れた。

 

 そうして、やってきたスリバンに旅芸人の素性を探るよう告げた後、ヨンは王への謁見を申し出た。だが王は職務中で、火急のようでなければ少し待つようにと、別室に案内されてしまった。

 

 椅子に座りながら、自分の発言を思い出す。

 ウンスを危険に晒したくない。だから素性を調べるまでは会わせる訳に行かない。これは本当だ。しかし…

 

 会わせたくない理由を、自分を正当化しているだけのように思えてしまう。

 

 あの時ウンスが見せた、混乱しながらも、ひどく懐かしそうな瞳…。

 

 

 

 —————そんなに…天界を恋しくお思いですか。天界に…帰りたいと?

 

 

 

 あの言葉が、なにより自分の本音だ。ウンスの言う事は正しい。罠である可能性は、この状況からはどう考えても低いのだ。

 

 天界人と逢って里心がついてしまったら、やっぱり帰りたいなどとウンスに言われてしまったら…もしかすると、天界の者同士惹かれ合うモノがあるかもしれぬ…そんな思考が頭を離れない。

 

 もしそれが現実となったその時は、一体自分はどうすればよいのだ。

 離す事などできる訳がない。そうなってしまえば、自分はおそらく生きてゆけぬだろう。

 

 

 

「隊長?何か要件があると聞いたのだが…」

 

 思考の渦に沈み行くヨンに声をかけたのは、王だった。

 はっと気づいて急いで立ち上がり礼をとる。いつの間にか、随分時間が経っていたようだ。

 

 —————人の気配に気づかぬとは、なんたることか

 

 王の後ろに着いているドチも、目を丸くして訝しげな顔をしている。

 

「めずらしいな。隊長がそのように考え込むなど」

「ご無礼を」

「いや、よいのだ。楽にしてもらってかまわない。して、要件とは?今日そなたは休暇と聞いておったが…。そのような難しい顔をしておるということは、何か問題でも?」

「…火急というものではございませぬが、ご報告に参りました。高麗に来ております旅芸人の中に天界人がいるかもしれぬ、と医仙が申しております」

「なに?それは真か?」

「は。どうやら彼らは天界語を使うているようで、現在スリバンに素性を調べさせておるところです」

「そうか。して、それが真であったら隊長はどうするのだ」

 

 一瞬、ヨンは言葉に詰まったように瞳を閉じたが、意を決したように顔を上げる。

 

「医仙が会いたいと、話をしてみたいと申しておりますゆえ、その許可をいただきたく存じます。また、その折は護衛をさせていただきたく」

「ふむ。そうか、もしそうであったなら余も話がしたい。彼らが了承すれば、連れてきてくれぬか?」

「御意。それでは、御前を失礼いたします」

 

 部屋を出て、ウンスがいる部屋の前に来たところでヨンはピタリと止まった。

 

 —————イムジャ?

 

 中からの音が何も聞こえない。テマンは変わらず扉の前で見張っているのだが、このように静かにしている事がおかしい。急いで扉を開けると、中には誰もおらず開いた窓から風が入り込み日除け布がひらひらと揺れていた。

 

 —————やられた!

 

「テマン何をしている!医仙が脱走した!行くぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のポイント:かなりウンスの天界語を覚えてるヨン( *´艸`)♪

 

次回はウンスのターン!

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