こんにちは( *´艸`)♪

皆さま、ご心配おかけしました。

やっと通常運転モードになりました!

 

風邪が治ったら治ったで、今度は仕事に追われています(´ω`;)

そして明日からは4日間出張に・・・。

その間更新ができませんので、すみませんがまた暫しお待ちくださいませm(_ _)m

 

まずは本日「君歌」の第6話ですヾ(●′ω`)ノ 

 

それではどうぞ〜。

 

 

 

 

 

 

 

 

 思わぬ再会に、ウンスとジュウォンは手を取り合って喜び、そこから韓国の話で盛り上がった。互いの家族のこと、何をしていたのか、はては好きな女優、俳優、番組など、懐かしい話題がウンスの心を踊らせる。

 ジュウォンにとっては7年も昔の話で、うっすらと瞳が潤んでいるのが分かった。

 

「ああ、でも嬉しいな。韓国の話が出来るなんて」

 

 はにかんで笑うジュウォンに、ウンスも私もよと笑う。

 

「旅楽団は皆良いやつで…でも、未来から来ただなんて誰にも話せなくてさ。正直、自分は頭がおかしくなったのかと不安になることもあって。だから、ウンス姉に会えて良かった」

「ええ、私もあなたが開京に来てくれて本当に良かったわ」

「実は、開京に来ようと提案したのは俺なんだ。これがご縁ってやつかな?」

「そうなの?開京は栄えているから?」

「違うよ。ほら、高麗には誰もが知っている名将がいるだろ?この時代に来たからにはその英雄を一目見ておきたくて」

 

 ”高麗の英雄” 

 

 思い当たる人物に心当たりがありすぎて、その人なら知ってると言おうとしたのが。

 

「それってチェ・ヨ…」

「そう、かの有名な崔瑩!”黄金を石ころのように思う人間となれ”を地で行く名将。子供の頃から憧れてたんだよね。本当は崔瑩が元から高麗を独立させた頃に来たかったんだけど、戦の状況と旅の都合で今になっちゃって」

「そ、そんなに?」

「ほら俺、子供の頃から昔から女みたいだって揶揄われてたから、男らしいのに憧れが」

「え、えとその節はごめんなさい」

 

 ウンスがジュウォンを女の子と間違えていたことも、きっと嫌だったにちがいない。申し訳なく思ったが、彼曰く「ウンス姉は、揶揄っていたんじゃなくて、ただ間違えてただけだからいいんだよ」らしい。からりと笑ってそう言う。なんていい子に育ったのだろう。

 

「この時期だとチェ・ヨンは大護軍あたりかな?きっとかっこいいんだろうなぁ。清廉潔白にして、戦では先鋒に立つほどの勇猛果敢さ!多くの危機から高麗を守った、まさに守護神!」

「え、ええ…そ、そう…ね」

 

 興奮したようにキラキラと瞳を輝かせ、熱く語るジュウォンに、ウンスはもう乾いた笑いしか出てこなかった。頬が引きつらないようにするので精一杯だ。

 ヨンはまごう事なき英雄で、ジュウォンの言う事は確かに間違ってはない。

 

 だが、その憧れの守護神は私に脱走されて、もうすぐ鬼のような形相でやって来るわよ…などと誰が言えるだろうか。

 

「ジュウォン…えーと、ごめんね。先に謝っておくわね」

「え?なに急に?」

「いえ、なんでもないわ…」

 

 訝しげに見るジュウォンはウンスを探るように見ていたが、ウンスは誤魔化すようにそう言えばと話題を変える。

 

「高麗では7年間、ずっと旅を?」

「え?ああ。いきなり知らない場所にいて、途方に暮れていたのを拾ってくれたのが、今いる旅楽団だったんだよ。運が良かったんだろうな…。元々、歌うのが好きだったから、仕事にも困らなかったし」

「あなたとても綺麗な声してるものね」

 

 素直な感想を言うと、ジュウォンは照れたように笑った。どうにも母性本能がくすぐられる笑顔だ。

 

「ありがとう。ウンス姉も…その…」

「あら、お世辞はいいのよ」

 

 自分がさほど上手くないことなど十分に自覚している。

 小さい頃にピアノなり楽器なりを習っていれば、音感も身についただろうに…と今更悔いても詮無い。ちなみに、なぜ習わせてくれなかったのかと親に冗談半分の愚痴を言ったことがあるが、親曰く幼少期に嫌がったのはウンス本人だったらしい。その時の自分を叱りつけてやりたい。

 

「それで…ウンス姉ちゃんは、今何を?」

「私は—————」

 

 答えようとしたウンスははたと止まる。はて、なんと言ったら良いのだろうか。自分で医仙だと名乗るのも違う気がするし、王宮の侍医というわけでもない。

 

「えーと?あ!い、医者よ。こっちでも、医者をやってるわ」

 

 答えてみれば、医者じゃなければ一体なんなんだと、すんなり答えが出なかった自分に呆れる。

 

 —————最近医者らしいことをしていないせいね。

 

 近衛隊なのだから訓練中でも多少の怪我人はいるはずなのに、全く治療はできていない。理由はもちろん「この程度の怪我、治療など不要です」と言って隊員に近寄らせてくれないチェ・ヨンだ。

 このままでは腕が鈍ってしまう。はぁとため息をつき、帰ったらヨンがなんと言おうと近衛隊の怪我人を治療して回ろうと決める。

 

 言い淀んだウンスを怪しく思ったのか、何かを考えるようにジュウォンがウンスをじっと見つめて来た。

 そうして、ガシと右手を強く握られる。

 

「あのウンス姉、もし良かったら…」

 

 ジュウォンが何かを言いかけたその時、急に店の外ががやがやと騒がしくなりウンスはギクリと顔を強張らせた。

 

 —————タイムリミットね

 

「ごめんね。もう一度謝っておくわ」

「は?一体…」

 

 バンっと激しく音を立てて扉が開かれ、ジュウォンは何事かと扉を見たが、ウンスは見なくても足音で分かる。

 

 迷いのない足取りでまっすぐ向かって来る男に顔を向けると、入って来たのは予想通りの人物だ。

 

 

「イムジャ!」

 

 

 その鬼のような形相に一瞬怯んだが、ここで負ける意地は持っていない。内心の冷や汗を隠して、ウンスは綺麗な笑みの形を作った。

 そうして握られていない方の手をひらりと振った。

 

 

 

「あらテジャン。遅かったわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デーデンデーデンデーデン♪(ジョーズのテーマ)

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