ふざけた妄想が止まらなくなったお話。

ジーニーが大好きで、山寺宏一さんの歌がたまりません。笑

原作・ディズニー・映画、ごちゃ混ぜです。

 

 

 

 

 昔々、チェ・ヨンという男がいました。

 チェ・ヨンは貧しい路地裏暮らしでしたが、生来の運動神経の良さと腕っ節の強さで護衛などをして日銭を稼いでいました。

 

「ほらテマン、今日の収穫だ!」 

 

 チェ・ヨンの肩には、いつも相棒の猿がいて、チェ・ヨンはテマンと名付けて可愛がっていました。テマンは投げられた果物を受け取ると、美味しいそうに齧りました。

 

 そんなある日のことです。

 

「貴様が噂に聞くチェ・ヨンか?」

 

 その男は、キチョルと名乗りました。ヨンの運動能力を見ての依頼だと話したのです。

 

「どんな依頼を?」

「なに、難しいことではない。ある洞窟の中にある古いランプを持ち帰ってこい」

 

 特に難しい仕事とも思えず、ヨンは承諾しました。そうしてキ・チョルは、チェ・ヨンを町から遠くはなれた谷間までつれていきました。男が呪文をとなえると、なんと地面がぐらぐらゆれ、ぽっかりと大きな穴があきました。

 

「良いか?穴の中の部屋のおくにある古いランプだ。その他の物には触ってはならぬ」

 

 キ・チョルはヨンに言い、ヨンは早速洞窟の中へ入って行きます。

 奥の部屋に行くには、険しい崖を降りなければならず、テマンはその高さにブルリと身を震わせました。ですがチェ・ヨンは軽々と岩から岩へと飛び移り、あっという間に奥の部屋にたどり着きました。

 

 奥の部屋に入ると、そこはキラキラと輝く宝石や金貨で埋め尽くされ、男はその光景に唖然としてしまいました。

 

「おいテマン、触るなよ」

 

 びくりとテマンが肩を揺らしました。

 チェ・ヨンはまっすぐに奥にあるランプの元へと向かい、古ぼけたそれを手に取りました。その時です。

 

 つい目がくらんで、テマンが宝石を触ってしまったのです。

 

「くそっ!また失敗か!馬鹿者めが!」

 

 入り口にいたキ・チョルの慌てた声がして、振り向くと入り口から姿を消していました。

 地面はグラグラと揺れ、音を立ててひび割れて行きます。どんどん周りの崖が崩れ、岩壁が迫ってきました。割れた岩場の下では炎がメラメラと燃えていて、落ちればひとたまりもありません。

 

「なんだ!?」

 

 慌ててヨンは割れて行く岩を飛び移り、なんとか出口を目指します。

 しかし、少しずつ地面がなくなり、炎の熱がヨンを襲ってきます。なんとか足場を見つけて飛び移る中、岩に挟まれてじたばたと暴れている絨毯がいました。

 不思議に思いながらも、見捨てるのはかわいそうだと思い助けてあげると、絨毯は自分に乗るようにとフリンジで伝えてきたのです。

 

「乗れと?」

 

 こくこくと頷くようにフリンジが揺れています。そっと上に乗ると、ふわりと絨毯が浮き上がり、ヒュンと飛んだのです。びっくりしてフリンジを掴むと、絨毯は嬉しそうにくるくると回転しながら、迫り来る炎と崩れる岩を避けて飛び進みます。

 

 洞窟が崩れる間一髪で、絨毯に乗ったヨンとテマンは外に出ることができました。

 

「助かった…おい、テマン」

 

 絨毯は照れたようにフリンジをゆらゆらと揺らし、テマンが身を小さくして反省しています。

 あたりを見回しましたがキ・チョルの姿は既になく、どうやら依頼の報酬を受け取り損ねたようです。

 

 残ったのは古ぼけたランプで、どうしたものかとランプを見ながらヨンはため息を吐きました。逃げるときに煤がついたのか、ランプは少し汚れています。汚れを拭こうと擦ったその時でした。

 ランプの先からモクモクと煙が出て、その煙はどんどん大きくなって行きます。

 一体今度は何事かと身構えたヨンの前に、煙の中から「ハロー」と呑気な声がしました。

 

「はろー?」

「あら?知らないの?じゃあ、こんにちはかしら?あ、でももう夜なのね!ならこんばんは!あー!外に出たのは久しぶりよ!いい夜ね。風が気持ちいいわ!あら絨毯久しぶり!元気してた?」

 

 ポン!と音を出して現れたのは、赤い髪と神秘的な青い肌を持つ美しい女人でした。姿は美しいのですが、とても元気の良い女人です。いや、女人と言って良いのかも分かりません。足はなく、腰から下がランプの先からヒュルリと出ているのですから。

 警戒したヨンに、その女人はあら?と言う顔をしました。

 

「あなた、私を知らないの?じゃあ自己紹介するわね!」

 

 コホンと咳払いをして続きました。

 

「私はウンス、ランプの魔人!およびとあらば即参上。ご用命は何なりと。願いを三つ叶えましょう。ご主人様のお望み通り!」

 

 歌うようにそう言ったウンスでしたが、ヨンは怪訝な顔をしています。

 

「信じてないの?ならこんなのはどう?」

 

 ボンと音がなると、テマンが人になっているではありませんか。爆発したような頭は、猿のボサボサ頭と同じです。

 

「そのお猿さん、あなたと話したそうだったから。ちょっとの時間だけだけど、大サービスよ!」

「わっ!お、お、俺!に、に、人間になってる!す、すごい!あ!あの、さ、さっきはごめんなさい!いつもありがとう!こ、こ、これからもよろしくお願いします!」

 

 そう言ってニコリと笑うと、またボンと言って猿の姿に戻ってしまいました。

 

「トライアルはこれくらいね!じゃ、願いをどうぞ、ご主人様!」

「願い…特に思い浮かばぬ」

「ええ!?なんでもいいのよ?お金が欲しいとか、モテモテになりたい~とか?ん?でもあなたその容姿じゃモテモテはもう必要なさそうね」

「?」

 

 顔を見てウンウンと頷いている魔人ですが、ヨンはなんのことかよく分かりません。

 

「王様になりたい、とか…後はそうねー…こんな能力が欲しいとか?」

「俺には必要ない」

「って言われても、3つ叶えるのが私の仕事だもの。なんか探さなきゃ。一緒に探してあげるわ!」

 

 こうして、魔人ウンスはアラジンとともに過ごすことになったのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?ヒロイン…?

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