皆さん、紙幣をよーく見て答えが解りましたか?
答えを楽しみにしていたという奇特な方もいらっしゃると思うので、早速答えを書きたいと思います。
はい、ズバリ答えは、
「透かし」です。
???の方は、お手元に、少なくとも2枚の紙幣を用意して下さい。はい、紙幣の種類は問いません。
次に、用意した紙幣を重ね合わせ、透かしに浮き上がる肖像を重ね合わせてみてください。
すると・・・あーら不思議、紙幣のはしがズレちゃった!
少なくとも0.5mm程度から、多いと3mm位ずれてることもあると思います。日本の紙幣というと、マイクロ文字なんていう細かな印刷が施され、印字が0.1mmズレても不良品なのに、透かしはこんなにズレててもオッケーなんですね。
なーんか不思議だと思いません?
このようなズレの発生は、透かし(実際には「すき入れ」というそうです)の形成方法と、印刷工程の特性が起因していると考えられます。
ちなみに、このズレを発見した時点で、「透かし ズレ」というキーワードで検索したところ、同じような疑問がアップされていました^^;
ところが、その疑問に対する回答が、あまりにも的外れなものでした。
ちなみに回答はこんなもの。
印刷するための紙を先に作っておいて、
カットしてから、印刷するために、
1.カットする時に、微妙に調整される、
2.印刷の時点で、微妙に調整される、
3.印刷の完了位置により、カットが微妙に調整される、
からでは、ないでしょうか。
まず、大量印刷する印刷物において、紙をカットしてから印刷するなんて手段は使いません。まぁ、ここでいう印刷は、上でいう「すき入れ」の事なのでしょうが、どちらにしても同じことです。
なぜ、紙をカットしてからの印刷が有り得ないかというと、位置合わせの労力が異なるからです。多色印刷というのは通常、一色毎に定められた版というものを利用して形成されたインク画を紙に転写することを繰り返すことで完成します。この際、1回1回の印刷位置がズレてしまうと文字や絵が潰れてしまうため、印刷を上手く重ねるための位置合わせが必要になるのです。
通常のカラー印刷は、M(マゼンダ:赤)C(シアン:青)Y(イエロー:黄)K(キーカラー:黒)の4色だと思います。この場合、例えば100枚同じ印刷物を刷ろうとした場合、1枚の紙に100個印刷できるとしたら、位置合わせは3回(1回目の印刷は位置合わせ不要と考える)で済みますよね。
これに対し、100枚の紙1枚1枚にそれぞれ印刷しようとしたら、位置合わせの回数は、3×100回になるのです。だから、こんなメンドウを省くため、カットは最終段階となるのです。
また、上記回答の「3」も、まずあり得ません。だって、そんな事を一枚一枚やっていたら、紙幣なんか出回らなくなっちゃいますから。
っとまぁ、紙幣の透かしのズレに関しては、珍回答しか無かったので、僕はちょっと独自のルートで調べてみたところ、なんとなく、その理由が見えてきました。
次回は、紙幣の透かしがズレる理由について書きたいと思います。