浦島太郎の真相 | なんとなく書いてみた

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興味を持ったニュースなどを独自の視点からお伝えします。
なるべく豆知識的な一言を加えていきたいと思います。

昔々、太郎という釣り好きの青年がおりました。

太郎が浜辺を散歩していると、何やら遠くの方に人だかりが出来ているのが見えました。

‘何だろう?’
と思って近付いてみると、そこには磨き上げた包丁の様な色をした、亀の様な形の物体が打ち上げられていました。

‘ありゃぁ、けったいなもんだなぁ。けれどありゃぁ、海の主に違いねぇ。あげな風に乗っかったり、棒切れで叩いたりしたら、きっとバチがあたるでや’

と、考えた太郎は、人垣を掻き分けてその物の近くまで行き、大声で叫びました。

「こんのバチあたりがぁ!海の主さ何しとぅと!?はよう海に戻してやらんと、とんでもねぇことが起きるだやぁ!」

太郎の余りの形相と、海の主という言葉に気おされた人々は、ザワザワと騒ぎ出しました。そして、口々に、
「そうだ!海の主にこったら事したら大変な事が起きるべ!おりゃあ何もしちゃいねぇし、見ちゃいねぇ!」
と、好き勝手な事を言いながら、逃げるようにその場から去って行きました。

そして、誰も居なくなった浜辺で、
‘オイオイ、誰かこの主を海に戻すの手伝ってくれよ’

と思いつつ、太郎は一人、その物を波打ち際まで押して行きました。
そして、あと少しで海に入るというところでその物は、カッと光を放ちました。すると、その物を力いっぱい押していた太郎の手が、すうっと中へ潜り込んでしまいました。

そして、太郎が、あっ!と思う間も無く、今度は太郎の全身が、その物の中に引きずり込まれてしまいました。

‘あぁ、海の主に喰われちまった!!’

と狼狽している太郎でしたが、不思議な事に、外の景色は見てとれる事に気づきました。

‘いったい全体どうなってやがんだ?’

と考えていると、今度は物凄い力で、床に押し付けられるような感覚に襲われました。その感覚たるや、見えない大きな手が、太郎の全身を押し潰そうとしているかのような苦しさです。そして太郎は、その余りのの苦しさに、そのまま気を失ってしまいました。


そうです。太郎は、不時着していた宇宙船に吸い込まれ、宇宙へと連れて行かれてしまったのです。



つづく