12/28の日記。
チュークック(Thu Cuc)のニャギーにて起床。
山間部に入ったせいか朝晩は本当に冷え込む。昨夜は多めに持ってきた長袖を全部着て床に入った。
8時過ぎに出発。今日は峠越えの日なのだ。
予定では峠を3つ超える予定。それぞれ小・中・中レベルで、獲得標高は計1000mを超す。
さっそく傾斜10%のキツい坂が現れる。
漕いで登れるはずもなく、あきらめて押して登る。
道中広がる展望はまさにヴェトナムの山岳地帯。
霧のかかる中、段々畑がずっと先まで広がっている。
牛や鶏の鳴き声も聞こえてきて、情緒あふれる感じがたまらない。
ところどころ現れる集落ですかさずフォー休憩を挟む。
スープはあっさりだがショウガが効いてて体がポカポカになった。
坂道はきついが今日も子どもたちに励まされる。
立ち漕ぎでキツイ体勢でも、ハローが聞こえるとつい手を振り返してしまうのだ。
12時過ぎにフーイェンという大きな町に着いた。
大きいか小さいかの判断基準は信号機の有無である。
ホテルもあるので間違いなく大きな町。
昨日は一瞬ここまで来ようかなと迷ったが、到着まで3時間以上かかっているので、やはりチュークックで一泊して正解だった。
レストランの看板を見つけた。
毎食フォーばかり食べていて、このままではヨーロッパ編のケバブの二の舞になりそうなのでさすがに何か別のものを食べたい。
そこそこ高いだろうと見越して入ってみることとした。
メニューはヴェトナム語なのでわからないが、このシーフード焼きそばっぽいのを指さして注文した。
お値段は12万ドン、約600円である。食堂のフォーが4杯食べられる。
運ばれてきたのがこれ。想像していた以上にイカ・エビがしっかり入っていて野菜も盛り沢山。
味も美味しく、高いだけの価値はあった。
焼きそばを待っている間も食べている間もしきりに店主の娘と思われる少女が絡みに来る。
ヴェトナム語なのでまったく理解できないが、構ってほしくてしょうがない様子。
僕の近くに来ておもちゃを動かしたり、宝物が入っているであろうポシェットの中身を見せてきたりする。
控えめに言ってめちゃめちゃ可愛い。
懐いてくれて、最後は一緒に記念写真にも写ってくれた。
撮った写真を見せろとカメラをのぞき込んでくるのもまた可愛い。
なお、ポシェットの中身は小額紙幣がいっぱい入っていた。
そして、楽しませてくれたお礼にキットカットをあげたらお母様に怒られた。
フーイェンの街を出て、本日の目的地バクイェンへ向かう。
ここからまた峠を二つ越えねばならない。日没までに間に合うか。
道中の村で結婚式の準備をしているところに遭遇した。
会場の隣で男たちが牛の解体をしている。
盛大なお祝いのために牛をまるごと一頭ふるまうのだろう。
こういう田舎のお祝い事って何かいいなと思う。
バクイェンまでの上り坂は勾配が非常にきつい。
まったく漕いで登れないので2時間近く押して登る。
ところどころ立ち止まって休憩する。
崖のほうから声がしたので見てみると、少年が牛にまたがっているではないか。
しかも結構乗りこなしていらっしゃる。こういうのが見られるのは自転車旅の醍醐味である。
日没ギリギリにバクイェンの街に到着。危ないところだった。
ホテルで値段を聞くと一泊15万ドンとのこと。ニャギーと大して変わらないのでここに決定。
部屋はニャギーと大して変わらず。
値段が値段なので贅沢は言わない。
贅沢は言わないが一個だけどうしても解せないことがある。
キーホルダーを差し込むと部屋の電機製品がオンになるタイプの部屋が想像できるだろうか。
このホテルはまさにそのタイプの部屋である。
問題は、なぜ差込口が部屋の外にあるのかということ。
差し込んだままだと僕が部屋にいる間に誰かがホルダーを抜き取ることができる。当然セキュリティは皆無となる。
だがここにホルダーを差し込まねば電源はオンにならない。
どういう考えでこういう設計にしたのかを、責任者に問うてみたい。
仕方がないのでカギをホルダーから取り外して持ち歩くことにした。
夕飯はホテル横の食堂にて。昼に贅沢したのでフォーで済ませる。
おばちゃんが器いっぱい麺を盛ってくれた。ありがたい。
やはり平麺のほうがちゃんと食べたなという満足感がある。
ホテルに帰ってきてブログの更新などを済ませる。
ホルダーを抜き取る者がいないことを願いつつ床に入った。
走行距離:71㎞
走行時間:6時間23分
総走行距離:21199km