1/8の日記。

 

昨日の時点で本旅のゴール地点であるニャチャン(Nha Trang)に到着しているものの、郊外の空港までは自走するので今日の分の日記も書いておく。

 

 

良いホテルだったけどあんまり眠れなかったな。

早起きせねばと気を張っていたことと、0時頃に部屋を間違えた宿泊客にノックされたことが原因。

あとはぶつ切りで4時半頃まで何とか寝られたかなと言う感じ。

本当に今旅は睡眠に関しては課題の残る旅になった。

 

 

 

郊外にあるカムラン国際空港までは35㎞ほどの道のり。

14時のフライトだが、ラウンジで豪遊する時間を加味して8時台には出発する。

 

 

 

昨日はノンラー風(ベトナム傘)だった街路樹が今日はなんというか、うん、これはソフトクリーム風。

綺麗な巻きの入ったソフトクリーム風。誰が何と言おうとソフトクリーム風。

 

 

うん、これもソフトクリーム風でかわいいじゃん。

少年向け漫画に出てくるソフトクリーム風じゃん。

 

 

 

崖沿いの道だったので少しアップダウンがあったけど無補給で10時台にカムラン国際空港に到着。

 

 

 

さっそく荷造りを始める。

本旅のMVPは初日の時点でわかっていたことだけども間違いなく神栖市のごみ袋である。

旅の前半の連日のような荒天や泥ハネから見事に荷物を守り切ってくれた。

ここでお役御免である。

 

 

通常チェックインは2時間前からなのが相場だが、ベトジェットは時々こういうサービスをやってくれる。

おかげで2時間半前に楽々とチェックインすることができた。

 

 

ここまで無補給で頑張ったのは、クレジットカードのラウンジ爆食いして帳尻を合わすため。

カムラン国際空港にももちろんラウンジは併設されている。

 

 

 

だが致命的すぎるミスをした。

何と、持ってきたカードの有効期限が2023年12月で切れていたのだ。

日本を発つ際は12月だったので全然気づかなかった。

あまりにも痛い凡ミス。

更新後の新しいカードを持ってきていればこんなことにはならなかったのに。。。

 

ラウンジでたらふく食べて、シャワーも浴びてすっきりして夜のフライトに備えるつもりだったが、計画はご破算となった。

 

 

というわけで楽園を追放され、久々に貧乏旅行の頃に戻った気分。

カードを持っていなかった頃は、どうやってフライトまでの時間を過ごしていたのかもはや思い出せない。

 

とにかく空港は何もかもが高い。カフェやレストランも空港料金である。

空港内のマックやスタバが市中と同価格なのは日本くらいだと思うよ。

 

 

隅から隅まで歩き回って安く食事ができる場所を探し当てた。

バインミー2本で80000ドン(500円)は空港と言えどもだいぶ安い。

 

 

あとは食べずにおいた補給食のキットカットで昼飯とした。

 

 

 

カムラン国際空港から乗り継ぎのタンソンニャット空港まではわずか45分のフライト。

400㎞程度しか離れていないのでバスと言う選択肢もあったけど、どうしてもベトナムでこれ以上バスには乗りたくないので飛行機を選択したのだ。

 

一番ムカムカしているのは、やはり初日にダナンからフエまで移動する際に予約したバスである。

こちらに無許可で大型バスからリムジンに変更された挙句、自転車は載せられない、返金もできないと来た。

いま予約サイトとの間で返金を求めてメールを送り合っているが、もう半分諦めている。

 

 

 

タンソンニャット空港に着いた後はいったん空港を出る。

次の成田までの便は夜23時台なので、時間をつぶすためにハイランズコーヒーにやってきた。

 

レモングラスが乗ったアイスティーは70000ドン(420円)なのでやっぱり市中よりも高価格に設定されている。

 

 

 

その後、自転車を積んだカートを押しながらマクドナルドに移動して夕食とする。

バーガー・ポテト・ドリンクのセットは100000ドン(600円)と良心的だが、ラウンジという名の楽園に入れないだけで+1500円程度の出費である。

 

2025年からは楽天カードの条件改悪でラウンジ利用が年5回までに制限されるそうで、それまでに使いまくってやろうと張り切っていた矢先の出来事だった。

 

 

 

 

さて、次回はいよいよ南北ベトナムをぶった切る旅の最終行程。

あとニャチャン~ホーチミンを走り切れば、これまでの旅と合わせてハノイ~ホーチミンがつながり、さらにハノイ~ディエンビエンフー、ホーチミン~シェムリアップもつながるという算段である。

 

夏はまたヨーロッパに行くとして、ベトナム編の仕上げは次の年末年始か、来年3月の春休みには決行できるはず。

お楽しみに。

 

 

 

走行距離:39km

走行時間:2時間14分

総走行距離:27020㎞

 

1/7の日記。

 

ニンホア(Ninh Hoa)のニャギーにて起床。

朝になってようやくニンニク臭は消え去ってくれた。

床には羽根虫の死骸が結構転がっていたけど、ニンニク臭にやられたのではないか。

 

 

 

今旅のゴール地点であるニャチャン(Nha Trang)の町まではあと30㎞程の距離。

10時台に出発してもまだホテルのチェックインまで時間をつぶさねばならないという余裕っぷりである。

 

 

 

 

早くも12時台にニャチャンの街に入ってしまったのでフォー食堂でゆっくり昼食とする。

僕の好きなフォーガーである。ガーというのは鶏肉のこと。ちなみに牛肉はボーという。

 

たいていのフォー食堂はフォーガーかフォーボーのどちらかしかやっていないが、稀にガーもボーも両方いける店もある。

そういう店では単に「フォー」と注文しても通じないわけで。

 

この店は両方やっていたのでガーの方を注文した。

ハノイから長いこと旅してきたが、ガーはハノイ周辺に多い気がする。

フエから南はボーのお店ばっかりだったな。

 

 

僕はガーの方が好み。理由はトリダシがうまいから。

しっかり2食いただいて満腹なり。

 

 

向かいのヴィンマートでコーラ買って公園でゆっくり休む。

全然疲れていないけど、チェックインまでまだまだ時間があるので休むのだ。

 

 

 

さらにポー・ナガール(Po Nagar)という史跡にも立ち寄る。

見ての通り、このニャチャンにもチャンパーの遺跡が残っているのだ。

チャンパーの遺跡はベトナム中南部の各地に点在しており、ミーソン、バンイットに続けて3か所目である。

 

 

 

 

まあまあの規模だけど韓国系の観光客がわんさかいてなかなか落ち着いて見学はできない。

遺跡の規模でいうとミーソン、秘境感はバンイット、このポー・ナガールはその中間くらい。

 

 

例のごとくリンガとヨニも展示している。

 

 

これは寺院の内部に入るためのレンタル衣装。

一応、ドレスコードがあって長袖長ズボンじゃないと内部には入れないのだ。

内部と言っても、仏像とリンガとヨニが置いてあるだけなのでわざわざ見学するほどのものでもないけども。

 

 

ポー・ナガールからの眺めはまあまあ良し。

あの高層ビル群がニャチャンのリゾート地帯である。

 

 

 

チェックインの時間が近づいたのでいよいよホテルに向かう。

青い海がとっても綺麗。

 

 

街路樹もベトナム風に剪定されていてなかなかオシャレ。

 

 

 

 

14時過ぎにチェックイン。

今旅で最も綺麗な部屋だけど、230000ドン(1400円)と安め。

部屋のすぐ隣が透明なシャワールームになっていてちょっとエロい感じじゃん。

 

 

景色は良いとは言えないけども窓があるだけで開放感がだいぶ変わる。

 

 

 

 

荷物全部置いて、ショッピングモールに土産物を買いに行く。

ニャチャンには韓国系のロッテマートが出店していて、そこで何でも揃うとのこと。

 

 

 

何度かこのブログにも書いているのでご存じの読者もいるかもしれないが、土産物とはコーヒー粉である。

Sang Taoという銘柄のコーヒーが僕は大大大好物なのである。

数字が大きくなっていくにつれて値段が高く、味が濃厚になっていく。

僕は毎回これの3番を土産に買っている。

 

 

だが今回は3番と5番を2袋ずつ購入した。

「理由は199000ドン以上のご購入で1番をプロモーションとして無料で差し上げます」と説明されたため。

3番だけだと2袋買ってもギリギリ199000ドンに乗らないのだ。

プロモーションの1番は2袋貰ったので合計6袋分のコーヒー粉を抱えて帰国することとなる。

 

このブログを読んでいる読者諸君も、ベトナムに旅行に行く際は是非Sang Taoのコーヒー粉を買って飲んでみてほしい。

極細引きで味は濃く、ナッツ風味のフレーバーもついていて本当に美味いのだ。アイスコーヒーにして飲むと特に美味い。

ヴィンマートなどでも売っているのでぜひおすすめしたい。

 

 

 

すっかり日が暮れたので夜風を浴びながら夕食へ。

 

 

何軒か回ってみたが、この巨大なメニュー看板のある店に決めた。

 

 

理由は空心菜炒めが他店よりも安かったから。

 

 

 

 

最後の晩餐だけあって、豪勢にシーフードヌードル、春巻き、空心菜を注文。

小ライスもつけてもらった。

空心菜は、昨日ほどではないけどもガツンとニンニク塩味がご飯によく合う。

 

お会計は160000ドン(約1000円)なり。

さすがに食べ過ぎたか。昨晩の宿泊費と同額である。

 

 

 

さらに近所のフルーツショップにも立ち寄り。

 

 

 

パッションフルーツのジュースを注文し、良い気分でホテルに戻った。

 

これで一応今旅のゴールを果たしたわけだが、明日は空港まで35㎞ほど自走せねばならないので、まだ旅が終わったような気分にはなれていない。

 

 

走行距離:38km

走行時間:2時間22分

総走行距離:26981km

1/6の日記。

 

トゥイホアのホテルにて起床。

今旅のゴールのニャチャンまでは後1.5日程度の距離である。

 

 

どうせ今日も追い風でしょと余裕こきまくってのんびりしまくり、9時半にようやく出発。

 

 

案の定追い風な上に曇り空と最高の走行日和。

蒸し暑いけども気化熱作戦せねばならないほどでもない。

 

 

見たこともないような平均時速でビュンビュン風を切って進む。

 

 

 

ところがここで思わぬ誤算が。

ハイヴァン峠のトンネル以外にも自転車通行禁止帯があるとは想定外だった。

 

 

おかげでトンネルを通れずちょっとした峠を迂回する羽目になった。

 

 

傾斜はそれほどだけども、道のりが長い。

まあここまでがイージーモード過ぎたので、これくらいの峠は軽くこなしておかないとと思う。

 

 

 

山羊の群れにも遭遇。

東南アジアでは動物の群れが道路を横切るのは割と日常茶飯事である。

 

 

その後、海に面した崖沿いの道を一気に下る。

ファーディン峠でダウンヒルを楽しめなかった分をここで一気に取り返してやった。

 

 

 

途中の街でフォー食堂を見つけたので立ち寄る。

ライムはお好みでフォーに絞るもの。僕はコーラに絞ってライムコーラを楽しんだ。

 

 

さらにカフェでソーダも注文する。

追い風で最高なのだが、太陽が出ていないと湿度が非常に高くなりムシムシと暑いのだ。

 

 

 

今旅で初めて自転車旅人と遭遇。

相手も追い風に乗ってガンガン漕いでいたので立ち止まらずに会釈のみ。

 

 

ニャチャンより25㎞ほど手前のニンホア(Ninh Hoa)の街で本日は終了。

ニャギーは一泊160000(1000円)と今旅最安である。

 

 

洗濯物乾かす用の扇風機もあるし、部屋まで自転車持ち込めるので必要十分である。

 

 

日が暮れた後に夕食に出かける。

安く浮いた宿泊費の分はレストランで豪華に使うとしよう。

 

 

春巻きと空心菜の炒めを注文。

 

 

 

春巻きはこのように具材を自分で巻くスタイル。

数日前に道端で乾燥させていたライスペーパーはこのように使うのだな。

チリソースに浸していただくと美味い。

 

 

そして極めつけは空心菜炒めである。

このニンニクの量を見よ。

 

油ギトギト、ニンニクどっさり、塩味ガツンと米が進みまくるじゃないの。

 

 

結構な量を食べたもののまだ皿の底にはこれだけのニンニクが残っている。

さすがにこれ全部食べ切ると人間凶器になりかねないので自粛しておいた。

 

2品と小ライスつけて85000ドンとお手頃価格であった。

 

 

 

水と朝食を買いにヴィンコムモールに立ち寄る。

さっき食べた空心菜のニンニクがかなり強烈で、自分でもわかるくらいのニンニク臭である。

 

 

 

しかもなんかちびっこ向けのイベントをやっていて、エントランス付近には子供たちが大勢集まっているではないか。

出入口はここしか無いから通るしかない。

ごめんよちびっ子たち、息を止めて通り過ぎるからニンニククサクサおじさんと呼ばないでおくれよ。

 

 

19時頃にニャギーへ戻ってきた。

安いニャギーなので隙間から侵入した小さな羽根虫が結構舞っていたけども、僕が入ってくるとみんな部屋の上空の方に避難していった。たぶんニンニク臭のせいだと思われる。

 

 

臭いを紛らわせるためにヴィンコムで買ってきたこいつをいただく。

数日前にまず過ぎて食べられなかったレンブに再チャレンジである。

買ってきたやつはちゃんと赤黒い色をしている。

 

 

が、味はやっぱり美味しくない。

リンゴと言うよりはほんのり甘みのついたキュウリみたいな感じ。

初めて台湾で食べた時も特別おいしいと感じなかったからリピートしなかったわけで。

 

 

そして全然臭いの紛らわしにもならず、夜中までしっかりニンニククサクサなのであった。

 

 

走行距離:95km

走行時間:5時間22分

総走行距離:26943km

 

1/5の日記。

 

 

クイニョンから南に20㎞ほどのニャギーにて起床。

部屋の窓からの景色はかなり良い。これで200000ドンはだいぶ当たりの宿だったと思う。

 

 

さて、ゴール地点のニャチャン(Nha Trang)までは200㎞を切っている。

しかし今回は余裕のある日程にしたのでたっぷり3日間かけて走破する。

今日の目的地はトゥイホア(Tuy Hòa)という街で、70㎞ほどの距離なので余裕たっぷりである。

毎日のように追い風にも助けられているし、こんな旅程は自転車旅人をダメにしてしまうよ、まったく。

 

 

 

曇りと晴れを繰り返しながら海沿いの道を快走する。

何かの養殖をやっているのだろうか。

そういえばベトナムに来てからまだ全然海鮮を食べられていないな。

 

 

途中の街で水を買い足す。ヴィンマートは大きな町にしかないので個人商店を利用するしかない。

街に入ると冷蔵庫のある商店を探すクセがついた。

 

 

 

追い風に乗って休むことなく30㎞以上漕ぎ続けてさすがに疲れたので昼食にしよう。

 

 

 

フライドチキンが添えられたチャーハンを注文。

タイで似たような料理を食べたことはあるけども、ベトナムでは初めてだと思う。

フライドチキンは揚げたての皮バリバリ食感が美味しかったのでもう一本お替りした。

 

 

スプライトもつけちゃう。

合計120000ドン(700円)はベトナム物価にしてはちょっと高かったな。

 

 

 

アップダウンの途中に景勝地らしき場所を発見。

看板にはラグーンとある。砂州に閉じ込められた潟湖のことである。

 

 

確かに砂州がずーっと続いていて外海と隔てているかのよう。

 

 

 

トゥイホアまでもう少しと言うところでコーラ休憩。

ほぼ追い風であんまり疲れていないため、贅沢しているだけである。

 

 

15時過ぎにトゥイホアの街に到着。

今日も今日とて全然疲れない行程だった。

 

 

 

近くのカフェでパッションフルーツティーを買ってきてホテルで冷房利かせながらゆっくりする。

手持ちの現金が少なくなってきたので、クレジットカード決済できるホテルを選んだ。

300000ドン(1800円)は今旅で一番豪華なホテルである。

 

 

 

 

2時間ほどゴロゴロし、日が暮れたので夕食を食べに外出する。

夜しか見られない景色もあるのだ。

 

 

夕食一軒目はここに決めた。

 

 

 

バインセオという料理らしい。

エビ・イカ・豚肉と野菜を生地で包んで焼くお好み焼きのようなローカルフード。

 

 

 

このような感じに焼きあがる。

つけダレはイカの内臓?塩辛?的な独特の臭みがある。

だがその臭みがうまいのだ。

 

 

美味かったのでもう一枚お替りした。3枚で45000ドンくらい。

露店は衛生面がかなり不安なのだけど、ここはしっかり焼き上げるから大丈夫かと判断したのだ。

そう考えれば、素手で常温の具材挟んで提供するバインミーはやっぱり危ないかも。

 

 

 

2軒目はここ。

スープケーキと呼ばれる料理を提供する店。

 

 

ケーキと言ってもお菓子のケーキではなく、こういう緑のものが提供される。

1杯20000ドン(120円)と大変お安い。

 

 

緑色の下には米粉とはちょっと食感の異なるモチモチした麺が隠れている。

 

緑の正体は刻んだニラである。

スープケーキはこのあたりの郷土料理らしい。

 

 

魚介風の甘じょっぱいスープはクセになるうまさ。結構好きかも。

 

 

ここでしか食べられないかもと思ってもう一杯お替りし、今度は唐辛子入れて辛くして食べてみた。

味変しない方が好みかも。

 

 

 

お好み焼き3枚に麺2杯食べればさすがに満腹。

今日だけで未知のベトナム料理3品を食べられたことは、旅人のチャレンジ精神をくすぐる大変喜ばしいことであった。

 

 

なおこの旅ではまだ1回しかまともにフォーを食べていない。

食の選択肢が多い都市部ではなるべくフォーを食べないように心がけているのだ。

 

今旅でベトナムは4回目であるなので、自分も“ベトナム通”の部類に入ってきたと思う。

それでいて人に勧められるベトナム料理がフォーしかないのはさすがに恥ずかしいなと思った。

 

 

 

走行距離:73km

走行時間:4時間34分

総走行距離:26848km

1/4の日記。

 

 

ベトナムの睡眠導入剤ことStiluxのおかげかどうかはわからないけど、ちゃんと7時間以上寝られた。

しかしやっぱり僕の旅は一筋縄ではいかず、0時を回った頃に不快感で目が覚めた。

 

 

ベトナム名物、例のアレである。

 

3回目となれば即座に例のアレであることを確信し、ソッコーでトイレに駆け込む。

1回吐いてベッドに戻ったがその後は普通に朝まで眠れた。

 

バインミーがあたったのか、単に食べ過ぎただけなのか。

もはやベトナム旅の恒例行事なので「なんだこの程度か」の印象しか残らず。

 

 

 

今日も追い風予報なので余裕ぶっこいて10時に出発。

 

 

 

 

途中で小学生の昼休憩に遭遇。

東南アジアでは給食というシステムがないようで、子どもたちは昼食の時間にいったん各々の家に帰るのが一般的らしい。

 

 

 

僕はカフェのカップル席で優雅にストロベリージュースをいただく。

 

 

店員が親切な方で、木になっていた果物をもいでくれた。

これはレンブという熱帯の果物で、僕は台湾環島編の時に食べたことがある。

水分と甘さは少なめでシャキシャキした食感だった記憶がある。

 

 

夜に宿でゆっくりいただくとしよう。

 

 

 

アンニョン(An Nhon)の街で良さそうなフォー食堂を見つけたので昼食とする。

 

 

 

見ての通りしっかり平麺だフォー。

牛ダシとコショウが効いた塩味のスープ。

 

 

美味しかったのでお替りするフォー。

 

 

 

滋養強壮のために卓のニンニクスライスをたっぷり入れてやるフォー。

口クサクサになるが今日は誰ともキスする予定はないのでセーフである!

 

 

店主と若者と3人でスマホの翻訳アプリ使いながら会話をする。

このアンニョンの近くにもバンイット(Banh It)というチャンパーの遺跡があるらしいので行ってみることにしよう。

 

 

 

 

探すまでもなく国道沿いに遺跡が見えてきた。

小高い丘の上に独特の突起物が建っている。あれに違いない。

 

丘を登るのが少しダルいなと思って一瞬スルーすることも考えたが、体調は完全に回復している。

それに今回の旅のテーマはコール・オブ・チャンパー(チャンパーの呼び声)である。

 

チャンパーへの理解を深めるためにも行くしかない。

高校世界史を教え始めて10年目になるが、イマイチ実態がわからない古代国家なのである。

 

 

 

予想していた通り、まあまあえげつない登り階段が現れる。

 

 

頑張って登っていくと門が見えてきたではないか。

 

 

 

これはいい!とてもいい!

小さな遺跡だが、観光客は僕だけで景色を独占できるじゃないか。

ミーソンの遺跡はツアー客でごった返していたからな。

 

 

このレンガの上から植物が生え始めてる感じとか最高にエキゾチックじゃん。

 

 

誰もいないので一人ではしゃぎまくるしかない。

これは僕がミッションを終えて異世界に帰るときのお別れのポーズである。

 

 

 

30分ほどバンイット遺跡を堪能した。

実際に足を運んでみるとチャンパーのことがだいたいわかったので、次年度以降の受講生にはたっぷりと授業で還元することとしよう。

 

 

 

国道1号を外れ、16時前にクイニョン(Quy Nhơn)に到着。

クイニョンは今旅ではダナン・フエに次ぐ規模の街である。

 

 

 

オシャレなカフェが入ったので小休憩。

緑色のジュースにカラフルな粒粒ゼリーが入ってるなんて、ワクワクが爆発するやつじゃないか。

想定通り甘さ強めだったのでミネラルウォーターで薄めながら頂いた。

 

 

 

さすが大きな町だけあってショッピングセンターもある。

水くらいしか買うものないけど一応立ち寄ってみる。

 

 

飲食店や洋服屋も入っていて若者のデートスポットにもなってるみたい。

3階には大型スーパーも入っていたけど、レジが混雑していてここで水買うのは諦めた。

 

 

 

あとは日没頃までひたすら南下するだけ。

海岸線沿いの道なので小刻みなアップダウンが続く。

進行方向に向かって右側に木々があると日差しを遮断してくれてとても助かる。

 

 

 

何度かいい景色に遭遇できたのでニュー一周号(ゴミ袋装甲)と記念撮影。

 

 

名も知らぬ離島を横目にアップダウンを越えていく。

 

 

 

18時に日没したので、ニャギーにチェックイン。

200000万ドン(1200円)と相場よりも多少お安めだった。

場所はクイニョンから20㎞ほど南下したあたりか。

 

 

夕食は商店で買ってきたスナックとレンブで済ませる。

 

 

と、思ったのだがレンブが熟していなくて酸っぱすぎる。

到底食べられる味ではない。

台湾で食べた時はもっと赤黒い色をしていたはず。それに比べるとこれは色が薄すぎる。

熟していないのか、ちゃんとした果物農家が作っていないからなのか。

それとも我々が甘い果物に慣れ過ぎたのだろうか。

 

 

走行距離:84km

走行時間:4時間56分

総走行距離:26725km

 

1/3の日記。

 

 

30代に入った頃から時々不眠症状があらわれるようになり、ひどいときは朝まで一睡もできない日がある。

自転車旅の時にも唐突に現れるので、僕の中ではテロレベルに警戒していた。

 

そして昨夜きた。

熱も引いてようやく万全のコンディションで旅に臨めるぞと思いきや、何時になっても眠れず。

持参した睡眠導入剤を飲んだものの、5~7時頃に浅く眠れた程度であった。

 

 

当然のことながら体は重たい。鏡にはクマの入った顔の自分が映っている。

ニャギーのチェックアウトは12時なので、それまでグダグダ過ごすか諦めて出発してしまうか考える。

 

まあグダグダしたところでどうせ寝られないのである。

ならば出発しよう。

 

 

 

頭ボーっとする絶不調の僕に今旅初の太陽はまぶしすぎる。

今日は曇り時々雨の天気で良かったのだよ。気が利かない。

 

 

追い風に乗って海岸沿いの道をどんどん南下する。

 

 

四日間雨に打たれっぱなしだったのでチェーンが錆び始めている。

出発前に自宅で塗った潤滑油はとっくに落ちてしまったようだ。

 

 

自転車修理屋を見つけたので注油をお願いする。

料金はサービスしてもらえた。

 

 

追い風のおかげでこまめに休憩しながら進めば何とかなりそう。

ドリンクの入った冷蔵庫と背もたれのある椅子が見えたら立ち寄りの合図。

 

 

 

コーラを頼み、ハンモックに横たわらせてもらう。

東南アジアではハンモックはいたるところで見られるけど、僕はこれが初体験なのだ。

 

 

少しだけでも昼寝できないかなと思ったけど、眠れる気配はなし。

寝心地の問題ではない。脳が覚醒してしまっているのだろう。

漕いでる最中は眠くてしょうがないのに。

 

 

太陽が出るとさすがに暑いので、公園のスプリンクラーで気化熱作戦を実施させてもらう。

間抜けな顔したペンギンは、そういうデザインのごみ箱。

 

 

眠すぎて食欲もないが、何か食べなければどこかでばててしまう。

コムを見つけたので立ち寄る。数日食べられていなかった野菜をたっぷり載せてもらった。

50000ドン(300円)はまあまあ高め。何種類も注文したからだと思う。

 

 

街道沿いにはピザ生地のようなものが干してある。

近づいて見てみると、生春巻き用のライスペーパーだった。

冷静に考えれば雨の日には見られるはずない景色である。

 

 

 

ボンソン(Bong Son)の街にあったカフェでまた休憩。

フルーツシロップの入った甘さ強めのアイスティーが最近のお好み。

コーヒーと違って喉も潤うし、程よくカフェインもとれる。

 

 

このアイスティーにはナタデココ?タピオカ?のような透明なグミが底にしきつめられていた。

これを太いストローで吸い上げるのだが、全部飲み切ってしまうと氷なのかグミなのかわからんがな。

読者諸君は見分けがつくだろうか。

眠くてふらふらなのに一人で宝さがしゲームに没頭してしまった。

 

 

今旅の目的地であるニャチャン(Nha Trang)の道標を初めて発見。

283㎞なら20代前半全盛期の僕なら2日でいけたな。

今回は4日に分けてのんびり行く。

 

 

16時頃に本日の目的地フーミー(Phù Mỹ)に到着。

 

 

宿は最初窓なしの部屋に案内されたが、断って帰るそぶりを見せたら+30000ドンでグレードアップした部屋に変えてくれた。

グレードアップしても280000ドン(1800円)である。

 

 

 

近くにバインミー屋があったので夕食はバインミーに決定。

追加でハンバーガーも注文。

 

 

宿に戻ってきていただく。

どちらも定番のハンバーガー&サンドイッチではない、ベトナム独特のエキゾチックなスパイシーさがあって本当にうまい。

明日の朝食もバインミーにしようかしら。

 

 

 

さて、眠りの時を待つばかりなのだが、道中でこんなものを購入した。

 

 

実に怪しいが、STILUX60というベトナムの睡眠導入剤である。

日本から持ってきた分は昨夜までに使い切ってしまったのだ。それくらい今回はここまで眠りに関しては質が悪かった。

今日は何が何でも朝まで熟睡するために薬局で買ってきたのだ。処方箋などもちろん要らない。

 

 

なおお値段は100錠入って100000ドン(600円)。

日本の睡眠導入剤は1錠100円程度である。

もしSTILUXがよく効いたら、一生困らないほど買い込んで日本に持ち帰りたいと思う。

 

効いたかどうかは、タイトルを参照あれ。

 

 

 

走行距離:82km

走行時間:4時間54分

総走行距離:26691㎞

1/2の日記。

 

結論から言えば宿は大ハズレであった。

 

 

部屋の向かいの施設がスクラップ工場になっており、早朝から大きな音を立てて作業し始めたのだ。こんなこと予想できただろうか?


ベトナムに限らず、東南アジアの夜は遅く朝は早い。彼らはいつ寝てるんだろうかと思ったが、昼間でもそこらじゅうでハンモック揺らしながら寝てる人いるし、分散して睡眠をとっているということなのか。

 

おかげでこちらは4時間半くらいしか眠れず。

解熱薬も服用し、一晩で完全に体調を回復するはずだったのに本当に悔しい。

 

しかも外はまたまた雨なので気合を入れて出発する気にもなれず。チクショー!!




二度寝もできず、小雨になったタイミングで10時半頃に出発することとした。

 


昨日に引き続き追い風な上にほぼ平坦な道なので非常に速いペースで進める。

 

 

しかも国道1号に戻ったので雨宿りできるような場所はそこら中にある。

このテントの下で1時間ほど大雨をやり過ごした。

 

 

 

小雨のタイミングを見て進み、雨脚が強くなるのに合わせて軽食休憩を取るという完ペキなプランニング。

 

 

フォーによく似ているが、これはブンという料理。

なんてことない、フォーが平麵なのに対してブンは細麺なだけ。

 

 

味付けが好みだったのでお替りもした。

食欲が戻ってきたようで少しテンションが上がる。

 

 

 

昼過ぎにクアンガイ(Quang Ngai)という大きな町に差し掛かる。

休憩するにはもってこいな商業施設を発見したが、小雨なのでスルーせざるを得ない。

 

雨の日はとにかく小雨のうちに距離を稼がないとあっという間に日没を迎えてしまうのだ。

 

 

 

夕方前に最後の休憩がてらカフェに立ち寄る。

店員は英語が話せずメニューもベトナム語のみ。

さっぱりしたフルーツジュースを頼もうとするも、まったく伝わらず。

最終手段として、Wi-Fiつながせてもらってグーグル翻訳使ってなんとか注文できた。

 

 

金を払おうとすると、結構だと断るではないか。

 

それどころかスマホの画面をみせてきて「旅の安全を願って」と日本語で伝えてくれた。

 

 

 

涙が出そうになる。

こういう旅先での現地人のちょっとした優しさに僕は非常に弱いのだよ。

 

夏にセルビアで無料でスポークを直してくれた自転車屋のようにグーグルマップで★5評価をつけようと思ったが、かなり新しいカフェのようでマップには表示されていなかった。

 

このカフェが長く繁栄することを願う。

 

 

 

暗くなった頃に本日の目的地デュックフォー(Duc Pho)に到着。

やっぱり1日80㎞程度がちょうどいい。

多少出発遅れても暗くなるまでに十分たどり着ける距離だ。

 

 

ニャギーは狭いけどまあまあ快適。

冷蔵庫には前の客の飲みかけの水が入っていたけど、冷蔵庫があるだけマシだと思うことにしよう。

 

 

近くのヴィンマートで冷たいコーラをグイっとやろうと思っていたのに、常温のドリンクしか置いてなくて唖然。

近くの個人商店を何軒か回ってみたがすべて常温のみ。

 

 

多少割高でもいいかと思ってホテルのスタッフに頼んでみたところ、お隣の一般家庭から冷えたコーラをもらってきてくれた。

なんとありがたいことか。

 

 

寝不足の疲れがどっと出てきたので21時前にはベッドに転がり込む。

 

 

 

走行距離:82km

走行時間:4時間28分

総走行距離:26609km

1/1の日記。

 

この日記を書いている時に能登沖の地震のニュースが入った。

被災地の人たちの無事を祈る限りである。

 

さてホイアン郊外のニャギーにて新年を迎えたが、体調は少し落ち着いている感じ。夜中に何度か起きてしまった。

完全に平熱に戻ったわけではないけど、しんどくてペダル漕げないレベルではない。

 

行けるとこまで行って、体調が悪化したら即チェックイン作戦を取り移動することとした。

 

 

今日は海沿いの道をひたすら南下するのみ。

天候は曇り、追い風、気温25度程度と、体調を除けば抜群のコンディションである。

しかも大型トラック通行禁止なので排気ガスやクラクションに悩まされることもない。

 

ところが、大型トラックが通れないためか街道沿いに店がほとんどない道であった。

 

 

進めども進めども道端には林と墓地しかない。

補給もままならずなかなか苦しめられた。

 

 

 

10~20㎞おきにカフェなどが現れる。まさにオアシス。

コーラは無かったけど冷たいオレンジジュースでさっぱりと体をいたわる。

 

 

 

 

なかなかフォー食堂やコムが見当たらなかったので、諦めて商店でポテチとコーラで昼食にすることにした。

ポテチは薄味すぎて途中から気持ちが悪くなってきた。

たっぷり運動してるんだから塩味が欲しい。

 

 

と思ったら直後にフォー食堂が現れるという始末。

調子こいて大盛にしてもらったのに胃もたれで半分以上食べられず。悪手連発だフォー。

 

 

 

ほとんど風景が変わらず、旅情を感じさせる写真はこれだけ。

 

 

追い風の中60㎞ちょい進んでヌイタイン(Nui Thanh)という町に差し掛かったところで再び体調が悪くなってきた。

「迷ったら休む」のが僕のポリシーである。

 

 

 

 

早々とニャギーに投宿。

オーナーのおばちゃんが優しい方で、同じ料金でグレードの高い部屋に変更してくれた。

冷蔵庫もあって外の景色も見られてうれしい限り。

なおアジアの大都市では窓なしの部屋というのがよくある。

何度か当たったことがあるけど、閉塞感でかなりしんどいので気を付けられたい。

 

 

 

チェックイン後、町の薬局に風邪薬を買いに行く。

1軒目の店主は英語が通じず、しかたなくおでこに手を当てたり咳をするジェスチャーだけで風邪薬をくれと伝える。

 

 

 

んで買った薬がこれ。

よく見たらフェキソフェナジンと書いてあるじゃないか。

これは完全に花粉症用の抗ヒスタミン剤である。やられた!

しかも1錠飲んでしまったし。

 

 

気を取り直して2軒目でようやく解熱薬を入手できた。

なおベトナムでは薬をパッケージごとではなくシートごとに買える。

解熱薬は8錠で20000ドン(120円)と驚くべき安さであった。

 

 

3日分のブログを書きまくって夜を待ち、解熱薬を飲んでベッドに潜る。

明日こそ復活してほしい。

 

 

走行距離:69km

走行時間:4時間

総走行距離:26527km

12/31の日記。

 

昨日からの不調が続いている。

身体が少し重いので、感覚的に今夜あたり本格的に熱が出そう。

ニャギーで籠城しながら発熱を待つのも性に合わないので、小康状態のうちに先に進むことにする。

 

 

 

天気はご覧の通り、曇り時々小雨。

田園の風景が実にベトナム的である。

 

 

さてさて、小康状態のうちに先に進むと言ってもこの先待ち受けるは今旅最大の山場であるハイヴァン峠である。

フエとダナンはハイヴァン峠を境にしている。

標高480mと中規模程度の峠だが、体調は極めて悪い。

 

 

峠を越えねば先へは進めないので、覚悟を決めて進むこととする。

ヴィンマートでたっぷり食料を買い込んでいざ出発。

 

 

 

 

自動車は迂回してトンネルをくぐれるが、自転車やオートバイは峠を越えねばならない。

行くしかない。体調はまだなんとかもってくれている感じ。

 

 

連日雨の日なので、じゃんじゃん湧水を放水してらっしゃる。

 

 

 

踏切にて一時停車。

 

 

ベトナムは踏切が自動化されていないので、ご覧の通りバーを上げ下げする専門の仕事をする人がいる。

「機械が仕事を奪う」とは無縁の国である。

 

 

サルも列車が通り過ぎるのを待っている。

 

 

 

傾斜8パーセントなのでほとんど区間は押して登るしかない。

この日はロードレーサーのイベントか何かをやっていて、荷車を押す僕の横を細いタイヤのレーサーがビュンビュン追い越していく。

 

 

 

ありがたいことにバナナと砂糖菓子の施しを受けた。

手持ちの食料に少し不安があったのでこれは嬉しい限り。

 

 

峠までもう少しと言うところで雨が強まってきた。

屋根も大きな木もないので、感情を無にして黙々と荷車を押す。

 

登り始めて2時間半で峠の頂上に到着。

観光客でごった返し&雨&寒いの3重苦のため、1枚だけ写真を撮ってさっさと峠を下ることにした。

後ろに見えている茶色のモニュメントみたいなのが頂上の証ということにしておく。

 

「ハイヴァン峠を境に天気ががらりと変わる」という旅行ガイドブックの情報もむなしく、下りもしっかり雨。

スリップせぬようブレーキ握りっぱなしですり減りまくった。帰国したら新しいブレーキパッドに変えることとする。

 

 

峠を下ったところの食堂で昼食をいただく。

ベトナムにはフォーの食堂だけでなく、街道沿いのいたるところにローカル食堂(コム)があるのだ。

コムでは、作り置きのおかずをご飯に載せていただくスタイル。ベトナム語がわからなくても指さし注文でなんとかなる。

空心菜の炒めが目に入ったのでこのコムにしたが、薄味で微妙だった。

塩味の強いスープに浸すとちょうどよい。

25000ドン(150円)と安いにも程がある。

 

 

ダナンの中心街に戻ってきてさっそくやるのは折れたスポークの修理。

夏にセルビアの田舎で折れた時は初めてだったこともありかなり動揺したが、もう3回目なのでへっちゃら。

ダナンはベトナムでもかなり大きな町だし、あちこちに自転車屋があるので修理屋もすぐ見つかるだろうと楽観的だったのだ。

案の定、2軒目で修理を引き受けてくれる自転車屋を発見した。

 

 

 

手慣れた手つきで30分ほどで修理完了。

料金は55000ドン(350円)と引くほど安い。日本だと2500円くらいするというのに。

チップを渡そうかとも思ったけど、ベトナム物価に甘えることにした。

 

 

 

昨日出発した奴隷船のターミナルを通過。

 

 

 

昼過ぎにベトナムのコーヒーチェーンであるハイランズコーヒーにて休憩。

本格的に体調が悪くなってきた。

ハイランズには分厚いクッションのフカフカの椅子があるのだ。

 

 

 

パッションフルーツジュースを注文。

Mサイズで49000ドン(300円)と、ベトナム物価にしてはお高い。

しかもほとんどが氷で、シロップのごとき甘さのジュースを氷で薄めながら飲むスタイル。

 

僕は以前、おそらく氷が原因かと思われる腹痛を起こしたことがあるのでなるべくベトナムで氷は摂取したくないのだ。

氷が融ける前にミネラルウォーターでちょっとずつ薄めながら飲むとちょうどいい。

 

 

見てのとおり、ほぼ氷である。

 

 

ダナンから南下すること10㎞ほどでマーブルマウンテンという観光名所に立ち寄る。

マーブルとは大理石のことで山全体が大理石でできているらしい。

なお世界史ピーポーはピンときたかもしれないが、”大理石”の由来は10~13世紀に雲南にあった国家”大理”に由来する。

 

 

 

洞窟と山登りの二つのアクティビティを楽しめるようだが、本格的に熱が出てきたようでフラフラである。

涼を取れそうなので洞窟には入ってみることにした。

 

 

入口にある池はなかなか悪趣味な感じ。

 

 

 

洞窟内は人間の手が加わりすぎていて神秘的な感じは何もなし。

 

 

 

ベトナム語はさっぱりわからないが、絵と1968という文字からベトナム戦争中に病院として使われていたのではないかと推測される。

 

 

10分ほどで洞窟見学を終えたが、さすがに山のトレッキングに行く気力はもうない。

エレベーターに乗って上まで上がれるみたいだけどそれももう無理。

発熱&雨&スポーク折れの中で峠を越えただけでもよくやったと思うよ、僕は。

トレッキングはまた次にダナンへ来るときの楽しみにとっておくこととする。

 

 

 

その後はリゾートホテルの立ち並ぶ海沿いの道をひたすら南下する。

豪華なホテルをバックに、道路沿いには廃墟のような一般庶民の家屋が立ち並ぶ。

色々考えさせられる風景である。

 

 

開発途中で打ち捨てられたであろう施設も見られる。

 

 

今晩のニャギーにチェックインする前に商店で山ほど飲み物を買い込む。

 

 

 

今晩の宿はホイアン郊外のホームステイという宿。

文字通り、一般家屋なのだが空き部屋を客室のようにして宿泊できるようにしている。

 

 

買い込んだ水分と食料たち。

悪寒がしたり、暑くて悶えそうになりながら年越しの瞬間を迎えたのであった。

 

 

 

走行距離:81km

走行時間:5時間56分

総走行距離:26458km

 

12/30の日記。

 

今日はいよいよ走行開始の日。

前の記事にも書いたが、スタート地点はダナンから100㎞程離れたベトナムの古都フエである。

 

まずはフエまで自転車ごと移動させねばならないが、ここで一悶着あった。

輪行袋につつんだ自転車を載せられるように大型バスの予約をしていたものの、土壇場でリムジンワゴンに変更されてしまった。

メールフォームで問い合わせて自転車を載せられるかと尋ねたが「載せられない」というではないか。

粘り強く交渉するも載せられないことは明らかで、だったら返金してくれと頼むと「嵩張る荷物があるなんて言ってなかったじゃないか」とおっしゃる。

「嵩張る荷物を載せることを見越して大型バスを予約したんだ」と反論してもニッチもサッチもいかず。

 

 

これ以上のやりとりは腹が立つので、フエまでのバス代約1500円はベトナムに寄付したものと自分を思い込ませる。

 

 

とはいえフエまでなんとか移動せねばならないので、自力でダナンのバスターミナルに行ってみることにした。

 

 

 

結論、フエまでのバスはあるにはあった。

だがいわゆる中型バスで荷物を載せるスペースはギリギリしかない。

さらに運転手は「自転車か、、、二人分の料金をもらうぜ」とおっしゃる。

これはしめたもので、二人分の料金を支払うことで何が何でも自転車を載せてもらうことにした。

ギリギリなんとか自転車を積むことができ、ほっと一息。

なお、二人分の料金と言っても20万ドン(1200円程度)である。

 

 

 

車内はかなり狭い。

フエまでノンストップかと思いきや、途中乗車の客をどんどん乗せていくではないか。

折りたたみ椅子まで用意して通路にもじゃんじゃん乗せる。

乗車賃がそのまんま運転手の取り分になるのだろう。

窮屈な姿勢で身動きも取れず、2時間半トイレを我慢するので必死だった。

 

なおこのバスは完全に地元民向けであって外国人観光客が乗ることを想定したものではないので、ダナン→フエの旅行を考えている読者は安心されたい。

 

 

 

フエのバスターミナルに到着。

小雨が降っていたのでやむなくトイレの屋根の下で自転車を組み立てる。

ぎゅうぎゅうに詰められていたので、破損がなくて心からほっとした。

 

 

いったん2㎞ほど北上して、クイーンカフェバスの事務所前で記念撮影。

ここは3月のコール・オブ・フォー編のゴール地点だった場所で、あの時もVIPバスと言いながらめちゃくちゃ狭い車内に閉じ込められて大変な思いをしたのだ。あの時は奴隷船のようなバスに二度も乗るとは思ってもいなかったよ。

 

 

ヴィンコムプラザのスーパーで補給物資を買い込み、いよいよ走り始めるのだ。

 

 

小雨→霧雨を繰り返す天気の中、植木屋のカートの後ろにくっついて南下する。

 

 

 

雨が強まったタイミングでフォー食堂に駆け込む。

 

 

フォーかと思ったらなんじゃこりゃ。粥じゃないか。

フォーですらカロリー低めでほとんど補給にならないのに、粥はそれ以下である。

必至な思い出底の米粒を掬い取る年の瀬である。

 

 

なお、神栖市のごみ袋のおかげで泥ハネしてもほぼノーダメージ。

おそらく今旅のMVPになるに違いない。

 

 

またまた雨が強まったのでカフェでフルーツジュースをいただく。

↑の写真に載っている緑色の雨合羽は初日にダナンのバイクオヤジにいただいたものである。

雨合羽を着用するタイミングを見誤ったせいで服が結構濡れてしまった。

身体が冷えてテンション下がる。

 

 

さて時間は5時を回ったあたりだが、後少し走るかどうか迷うところ。

「迷ったら行く」が僕のポリシーである。

売店でコーラをグイっと飲み干してもうひと頑張りする。

 

 

だが峠があるとは想定していなかったよ。

真っ暗になってしまったじゃないか。

しかも押して登っている間に後輪からカラカラと音がする。

前回の東欧編に引き続き、またしてもスポーク折れである。

今回は原因がはっきりしていて、車軸が少し緩んでいたのだ。

車体の向きを変えた際に重い荷物の負荷に耐え切れずにバキッといったに違いない。

もうなんというか非常に心細い。

 

 

 

さすがに真っ暗になってしまっては走れないので、国道沿いのニャギーにチェックイン。

 

 

 

オーナーのおばちゃんが気を利かせて扇風機を貸してくれた。

風呂場で手洗いして扇風機でガンガン乾かす。

 

 

夕食はポテチのみ。食欲があまりないのだ。

夕方のカフェで休憩していたあたりから薄々気づいていたが、たぶん熱がある。

 

原因に思い当たるフシが多すぎる。

冬期講習終わって間髪入れずにベトナムに来たことか、ダナンの排気ガス地獄にやられたか、奴隷船で体力を消耗したか、服が濡れて体が冷えてしまったか。

 

 

自転車旅中の発熱は3度目である。

1度目は2013年の北海道編、2度目は2022年のドイツ編、そして今回。

はやく体力が回復するよう願いながら床についた。

 

 

 

 

走行距離:74km

走行時間4時間20分

総走行距離:26377km