8/12の日記。
会津若松市の河川敷公園の東屋にて起床。
昨夜も雨がパラついたようで、テントに当たる雨粒の音で何度か目が覚めた。
コーヒーとパンで至福タイムを過ごす。
この大きな蜘蛛は丸太テーブルの縁を5周くらいしていた。
さて本日は午後から雨の予報。
午後に降り出してから数日大雨が続くという。
せめて郡山までは進んでおきたいが、会津若松と郡山の間には標高500m近い中山峠が立ちはだかっている。
降雨の中で峠を登るのはもちろんのこと、下るのも絶対に避けたい。
路面が濡れた下り坂でスリップした場合、間違いなく重傷を負うからである。
したがって、会津若松での観光はまたの機会に取っておき、雨が降らないうちに郡山にたどり着く作戦を取ることとする。
武家屋敷や鶴ヶ城など見ておきたい場所はあったけど、また来る機会もあるだろう。
峠を越える前に国道沿いのネットカフェに立ち寄る。
快活クラブというネットカフェは朝の時間帯に無料のモーニングサービスをやっているのだ。
フライドポテトを山ほど食べて峠越えに備える。最短の30分で出れば料金も230円で済む。
なんてことをしていたら、罰が当たったのかスマホの電源が入らなくなった。
長岡の甚平の店で液晶とバッテリーを交換したものの、その後もバッテリーの減りが早かったことはすでに書いた。
どうやら水が基盤に入り込んだようで、漏電をしてしまっているのが原因らしい。
調べたところ基盤を修理するしかなさそうで費用は2万近くかかるという。
このタイミングで完全に買い替えを決断し、Wi-Fiを使って通販で新しいものを購入した。
旅を終えて茨城に帰るころには届いているだろう。
というわけで再びスマホが使えなくなった状態で旅を再開することとなった。
便りになるのはノートパソコンと、会津大観音の御加護だけである。
よく見るとマスクをしているように口元がピンク色で塗られている。
曇り空&気温は22度と、峠越えにはこれ以上ないベストコンディションである。
3700mの登坂車線なんて初めて見た。
もちろん漕いでは登れないので1時間近くかけて押して登った。
峠を登り切ると猪苗代湖畔に出る。
水が青々として綺麗だ。
猪苗代湖畔にはところどころ浜辺があって、水上スキーを楽しんだりアヒルのボートに乗ることもできる。
実はこの猪苗代湖には忌々しい思い出があるのだ。
大学2年だったか、3年だったかの夏にサークルの合宿を猪苗代湖畔でやることになった。
合宿幹事をしていた自分は幹事仲間の男女何人かと事前に車で宿の下見に行き、その帰り道にこの猪苗代湖畔に立ち寄ったのだ。
実は下見の際に泊まった宿で仲間たちと飲み過ぎ、どうやら僕は相当羽目を外して騒いだらしい。
それが理由か元からだったかはわからないが、とある後輩の女の子に嫌われてしまい、翌日の車内の雰囲気は最悪だったのだ。
で、この猪苗代湖畔に立ち寄った際、アヒルのボートに乗ろうという話になり、じゃんけんでペアを決めることになった。
あとはもうお察しの通りで、僕とその女の子がペアになってしまったのだ。
喋ろうにも黙っていようにもただただ気まずい時間が流れ、30分間の制限時間が永遠と思えるほどであった。
軋むペダルとスクリューが水面を掻く音だけがむなしく響き渡っていた。
忌々しい思い出に再度蓋をして、猪苗代町内のリオンドールで昼食をとることとする。
スマホで地図を見ることができない中でスーパーにたどり着けたのは旅人の勘である。
意識の低そうなカップ焼きそばにイカゲソをぶち込んでいただいた。
猪苗代湖ともお別れ。
トンネルを抜けて峠を下ればあっという間に郡山である。
郡山市内のスマホ修理業者を立ち寄ってみたが、残念ながら基板修理は工場に郵送しないとできないらしい。
郡山でスマホが届くのを何日も待つことはできないので、やはり残りの行程はスマホなしでやりくりするほかない。
郡山駅前に到着。
自転車でここに来るのは、10年前の日本一周以来である。
確かこの郵便ポストの近くに座って佇んでいたら色んな人に話しかけられ、差し入れをもらったり記念写真を撮ったりしたのだ。
ませた金髪の家出少女にハニートラップを食らいそうになったのも10年前か、懐かしい。詳しくは#30を参照。
夕食は郡山の菜々家でいただく。
ここは東北地方にしかないチェーンレストランで訪れるのは3回目。
メインを頼むと惣菜とサラダが食べ放題なのだ。Wi-Fiとコンセントも使えて居心地は最高だった。
菜々屋を出るとぽつぽつと雨が降り始めた。
やっぱり会津若松での観光を諦め、本降りになる前に郡山まで来れたのは好判断だったと思う。
小雨の中、隣の須賀川市にある温泉まで自転車を走らせる。
須賀川のひばり温泉は550円の入浴料で、大広間で寝ころび放題、漫画も読み放題。
Wi-Fiも使えて言うことなしだった。
その後は小雨になったタイミングで温泉を出て、目を付けていた公園の東屋にチェックイン。
僕が公園に着くと、犬の散歩をしていたおばちゃんが逃げるように出ていった。
夜中の公園に大荷物の自転車で来るような輩は不審者かホームレスくらいだろうから仕方ない。
走行距離:82km
走行時間:5時間45分
総走行距離:22788km