コロナ禍が明けようとしている2022年のゴールデンウィーク。
2年間お預けになっている海外自転車旅を再開すべく、僕は数年前からの懸案事項の見極めをすることとした。
懸案事項とは愛車「一周号」の状態確認である。
「一周号」ことGIANTのEscapeR3.1は2010年に購入したもので、2012年を除いて毎年のように長距離旅のお供をしてもらっている。
数年前からペダル回りの異音が気になり始め、ボトムブラケットやらなんやらを交換したものの一向に音はやまず。
去年は栃木県を走行中、ついにクランクが脱落するという事故も起きた。
コロナ前と同様に海外旅行ができることとなる今夏に備え、本当に「一周号」で海外に行けるのか、それともいよいよ買い替えるべきかを、このゴールデンウィークで見極めることにしたのだ。
5/2(月)、一周号見極めの旅スタートである。
スタート地点は愛知県豊橋市。前日のうちに茨城から豊橋まで車で移動し、公園の駐車場で車中泊をしたのだ。
車を買ったのは2年前で、セダンタイプにもかかわらず車中泊ができるように後部座席の背もたれを倒せるオプションをつけた。
これまで車中泊をしたのは1回切りで、3月ということもあって夜中は凍える寒さであった。
車を豊橋市内の有料駐車場に止め、自転車を組み立てて出発する。
今日は豊橋を起点に渥美半島を一周するのだ。
農業が有名だけあって景色は一面キャベツ畑。
菜の花かなと思って近づいたらキャベツの花であった。調べてみたらキャベツも同じアブラナ科なのね。
田原市内のガストで早めの昼食を取り、太平洋側に出るとサイクリングロードが現れた。
向かい風がまあまあキツイがなかなかの絶景である。
離れ小島のてっぺんには観音がいらっしゃった。
サイクリングロードを快走していると、あわや蛇を引きかけた。
死んで干からびてカピカピになった蛇はよく見かけるが、生きた蛇を見るのは初めてかもしれない。
道をふさぐように体を伸ばしておられた。
道の駅を見かけたので小休憩する。
ついつい冷たい自販機コーヒーに手が出そうになるが、持参した濃縮コーヒーを水で薄めて飲む。
昨年度は引率やら研修やらでホテルに泊まることが何度かあり、アメニティとして部屋に置かれているコーヒーとかティーパックを持ち帰りまくった結果、消費しきれないくらい在庫がかさんできたのだ。
それを旅でちまちま消費していけば節約になるのだ。
まもなく渥美半島の先端、伊良湖岬が見えてきた。
実はこの道は2013年に近畿地方をバイクで旅した時に一度走っている。
伊良湖岬から三重県の鳥羽港までフェリーが出ていて、それに乗ったわけで。
そして伊良湖岬の手前に強烈な激坂があったことを思い出してしまったわけで。
果たして激坂は記憶通りであった。13%の急こう配はこれまでの自転車旅でもまれにみるレベルでしんどかった。
だが激坂からの眺めは実に良い。
こっちの離れ小島は穴の開いた不思議な形状をしていた。
無事に伊良湖岬に到着。ちょうど鳥羽行きのフェリーが着岸したところであった。
今回はフェリーには乗らず、ここから折り返して三河湾を望みながら豊橋に引き返す。
豊橋から伊良湖岬まで45㎞ほど。向かい風がきつくて体力の消費がかなり厳しい。
いちゃつくネコたちに見送られて帰路につくのだ。
三河湾沿いの帰路は交通量も少なく静かな感じ。風も追い気味になって助かる。
三河湾を望む絶好の野宿スポットを発見。こんなところで朝を迎えられたら幸せの極みじゃないか。
夜がまだ寒いので今旅は野宿をしないけども。
47都道府県旅をして意味がわからない建築物ナンバーワンなのが、この写真のような休憩所。
屋根がついているように見えて実際には雨も日差しも防いでくれない。ただの飾りか、予算不足か。
この屋根になんの意味があるのかまったくわからない。
もちろんこんなところで野宿などできないので、発見してもぬか喜びするだけである。
田原市にてリアルなカカシを発見。
二枚目のおばあちゃんと子どもはリアル過ぎて、カカシかと思ったら人間で、人間だと思ったらやっぱりカカシだった。
ここ数年の国内旅では晩飯をスーパーの値引き品で済ますのが定番だったが、あまりの空腹で思わずとん㐂食堂(とんき)というトンカツ屋に入ってしまった。
ところがこのトンカツ屋、大当たり!僕の大好物である千切りキャベツだけでなく、ニンジンやコーンなどの生野菜や汁物、コーヒーもお替り自由である!
しかも、定食からライスを抜くと100円安くなるのだ。
日中は空腹にならないよう多めに食べるが、夜はなるべく炭水化物を控えるようにしているのでとてもありがたい。
トンカツ屋なのに唐揚げ定食ライス抜きを注文し、唐揚げが届く前にまずは第一陣の野菜達を腹に詰め込む。
唐揚げの到着と同時に第二陣の野菜達が到着。この後第三の野菜達も平らげて、満々満足であった。
とん㐂食堂を愛知県における地上の楽園に認定したい。
豊橋のこの一店舗しかないのが残念無念である。
その後、快活クラブでシャワーを浴び、車を止めた豊橋市内の駐車場に到着。
久々の自転車旅はさすがに疲れた。脚もおしりも痛い。
とんき食堂で野菜を爆食いしたせいか、寝る前に何度かお腹が痛くなった。
トイレのある最寄りの公園まで青ざめながら走ったあの夜をしばらく忘れないと思う(もちろん間に合ったよ)。
走行距離:96㎞
走行時間:6時間45分
総走行距離:22911㎞