8/4の日記
 
 
起きてすぐに熱は下がったと確信。
やはり昨日の水飲む→塩舐める→トイレ行く作戦が大当たりしたようである。
 
テントを片付けて9時に出発。
今日は猛暑日のようで出発時からすでに暑い。調べたら35度まで上がるとか。
 
 
 
 
道中の電話ボックス。ぬいぐるみのお部屋になっていた。
おそらく携帯電話の普及により電話ボックス自体が使われなくなったんだと思う。
 
 
 
さすがに塩味が恋しくなり、スーパーでソルとピーナッツを購入。
トマト味の塩がまぶされていて、実に美味しかった。改めて塩の美味さを思い知らされた。
この年になってもまだ人生は発見の連続である。
 
 
さらにコーヒー濃いめのカフェラテで喉を潤す。美味い。
 
本日はシュウェリーンという町を訪れる予定。美しいお城が有名だそうだ。
 
だがシュウェリーンに近づくにつれて段々体調が悪くなってきた。
吐き気がするのだ。
 
原因はおそらくキャンプ場の飲み水。
管理人は「飲める水だよ」と言っていてガブガブ飲んだが軟弱な僕の体には合わなかったわけで。
 
 
 
結果、道端で2回吐いた。
 
「吐けば楽になる」というのは大学時代によく飲みに連れてってくれた上村先輩の教えである。
 
 
 
 
シュウェリーン城はご覧の通り美しい。今旅初めての観光名所である。
世界史には登場しないので外観を観るだけにとどめておいた。
 
午後は今旅のメイン目的地であるリューベックに向かって走る。
がしかし、依然として体調があまり良くない。
 
熱はないが、さっきまで吐き気がしていたし、鼻水もよく出る。
おまけに猛暑でペダルもなかなか進まない。
よって今日は無理せず、シュウェリーン近郊のキャンプ場で一泊することに決定。
 
 
 
本日のテントサイトはご覧の通り広々としている。というかほぼ無人。
一昨日までのクソ狭キャンプ場はなんだったと言うのか。
 
近場のキャンプ場に早めにチェックインしたのは体調以外にもう一つ理由がある。
 
昨夜体温を逃すためにたっぷり汗をかいた防寒具たちをキャンプ場の洗濯機で丸洗いしてしまおうと思いついたのだ。
 
緯度の高いヨーロッパの夏は夜10時くらいまで太陽が照りつけている。
今日散々苦しめられたことを逆手に取り、太陽光線で一気に乾かしてしまう。
明日は雨予報なのでどうせなら今日のうちにということである。
 
 
セーターやモモヒキなどの防寒具を洗濯機を入れ、スイッチを押した後に僕は一つの真理にたどり着いた。
 
 
 
 
 
 
 
 
この世に神はいないという真理である。
洗濯機を回す前から雲が多くなってきたので怪しいなと思っていたが、迷った時は「ええい、ままよ」である。
 
今回はその決断が裏目に出た。
そして僕は大変な間違いをしでかした。
 
 
ダウンジャケットと今着ている予備の海パン以外を除くすべての衣類を選択してしまったのだ。
 
日中は暑くてたまらなかったが、ヨーロッパの夜はかなり冷える。
夜になるまでに太陽光線で乾かせると計算して全部洗濯したのだ。
 
つまり気温が下がる日没までに防寒具が乾かなければ、僕はドイツの片田舎のキャンプ場で凍死する運命を迎えることとなる。
 
 
途方に暮れる僕を見た管理人が「屋根付きの洗濯物干しがあるからそこを使って良い」と申し出てくれた。
非常にありがたい。だが問題は日没までに洗濯物が乾くかである。
 
 
 
 
しばらくして僕はこの目で神を見た。
 
 
 
大慌てで絶対に今夜必要なものだけ日向に移し、太陽光線を浴びせる。
わずか15分ほどだったが、少しだけ乾いた気がした。
 
あとはもう風の力に頼るだけ。
今日はそれなりに向かい風の区間もあってまあまあ苦しめられた。
 
今だけはその風の力を信じるしかない。だが風のヤツ、太陽と示し合わせをしたかのようにぴたりと止みやがった。
どこまでもこの大自然が憎たらしいわ。
 
 
凍死か、生存か、僕はどうなってしまうのか!?
 
 
その結末は記事のタイトルに!
 

 
走行距離:62km
走行時間:4時間19分
総走行距離:23319km