8/12の日記。
バルカン山脈の山間にある町ボテフグラード(Ботевград)のキャンプ場にて起床。
このキャンプ場は言わば個人宅の庭のような場所で、駐車スペースがないことからキャンピングカー客は利用できないようになっている。
僕以外には小型車のキャンプ客1組だけだったので静かな夜を過ごすことができた。
朝日が建物の陰に隠れてしまっているので非常に寒い。
キッチンに椅子持ち込んで朝食をいただく。
霧が立ち込めているのは山間の町だからなのか。
昨日バルカン山脈の一番標高の高い地点は越えたものの、今日の行程はひたすら山地を東に向かって走るだけである。
地図を見た感じ、目的地まで大型スーパーは一軒もない。
ひょっとしたら昼食もまともに食べられないかもと思って大量に食料を買い込むことにする。
灼熱地獄にならない限りは、4リットルの水と2000キロカロリー分の食料があれば一日走れる。
リドルは営業時間前だったので隣にあったカーフランドで買い込む。
カーフランドもヨーロッパを代表するスーパーマーケットチェーンだ。
リドルよりも大規模で日用品もたくさん売っている。
カーフランドで好物のエビを見つけたが、さすがに11レフ(880円)は高すぎる。
日本に帰ったらエビ食べ放題のビュッフェレストランにでも行くとしよう。
ボテフグラードは山間の町なので、町から出るには上り坂を越えねばならない。
午前の区間が一番大変で、ほとんど上り坂だったのであまり距離が稼げず。
休もうと思ったバス停はなぜか板が撤去されているし。
仕方ないので廃ガソスタに腰かけて補給食のバナナをいただく。
今日は太陽光線も強くアップダウンも多いので疲れがたまりそう。
なので湧水スポットで貴重な気化熱作戦用の水を確保する。
ブルガリアは山ばかりの国だからか、このような湧水スポットに出くわす機会が多い。
1日に3か所くらいは見てる気がする。非常に助かります。
昨日と同様に高速に併設されている一般道を走行しているが、悪路なのは相変わらずである。
高速道路、石畳、剥がれた舗装、穴ぼこと散々な道を走ってきたが、今日の区間には小石が埋め込まれている。
おそらくはスピード超過対策なのだろうが、サイクリストにとっては迷惑極まりない。
これだけ無数に埋め込まれていると避けようがなく、石畳を走っているようなガタガタ感がある。
12時回った頃にヤブラニツァ(Ябланица)という中規模の町に到着。
何となく勘が働き、鉄道駅前の広場に行ってみるとケバブ屋を発見した!
今日は行程に大きな町がなく、朝に買い込んだ補給食だけで凌ぐつもりだったので非常に嬉しい。
ポテトがたっぷり入ったチキンケバブは4.5レフ(360円)と今旅最安。
ドイツではケバブにポテトを挟むなんてこと一度もなかったけども、バルカン半島を南下するにつれてポテト入りケバブが主流になってきた。
ボリュームは普通だったけど、切りたて熱々ジューシーなチキンと値段の安さを評価材料とし、満足ケバブ認定するケバ。
おめでとうケバ。
さらには小さなスーパーでレモネードも購入。
ヤブラニツァは意外と何でも揃う町だったのであんなに買い込む必要はなかった。
ケバブ食べてレモネード飲んで、気合を入れて午後の行程に入った直後にこの激坂が目に飛び込んできてげんなり。
北海道の美瑛にあったジェットコースターの路を思い出す。
気合は入ってるけども体力はないので押して登る。
この道路沿いのポプラの木なんかも完全に北海道とそっくり。
北海道はコロナ禍で海外に行けない時期に2回行ったけど、また行きたくなってきた。
道路沿いにレストランを見つけたので立ち寄ってコカコーラをいただく。
コーラは500mlで200キロカロリーくらいある。
糖分・カロリー・カフェイン・水分・清涼感をいっぺんに摂取できる万能飲料である。
今日はほとんど平坦な区間がなく、無数に続くアップダウンをひたすら進むので体力の消耗が激しい。
最後の150m程度の上り坂はのんびり押して登ろうと思ってたのに羽虫の群れに付きまとわれて、渾身の力を振り絞ってペダル回して振り払う羽目になった。
下り坂からは本日の目的地ロヴェチ(Ловеч)の町が見えてきた。
ロヴェチはまあまあ規模の大きい町なのでビラもリドルもある。
お気に入りなのはリドルだが、店舗があるのは2㎞先。今日はアップダウンの連続で本当に疲れたので2㎞遠回りする気力もないのでビラで夕食を買い込んだ。
ロヴェチにはポクリティア・モストという観光名所がある。
屋根付きの橋の中はアーケード街になっている。確かに珍しいかも。
中は土産物屋や手芸品屋が並んでいるが、あんまり活気はなかった。
半分くらいシャッター閉まってたし。
ロヴェチにはキャンプ場がないので今日はホテルに泊まる。
一泊60レフ(4800円)と、今旅一番高い宿である。
4800円程度で高い宿と思われる読者も多いだろうが、旅人の時の僕はいかに金をかけずにコスパ良く旅をできるかを意識している。別に金がないわけじゃないんだよ。
夕食は今朝買い込んだ補給食と、ビラで買ってきたトマトとチキン。
ブルガリアのスーパーにはお惣菜の量り売りコーナーがあることが多い。
今まで何となく避けてきたが、どうしてもチキンがうまそうに見えたのでついに注文した。
1羽2.4レフ(200円)とお得である。シンプルな塩味が実に美味しかった。
走行距離:107km
走行時間:7時間9分
総走行距離:25967km