2015年流行語大賞は「爆買い」「トリプルスリー」が選ばれた。
個人的には「五郎丸」「安心して下さい~」が選ばれると思ったが、それはさておき。
最近になり爆買いが言葉と定着したが、骨董館にはだいぶ間から爆買い客がやって来ていて、逆に今は落ち着いた感がある。その差はなんだろうと考えた。
一つは富裕層の爆買いから中間層の爆買いへと変わったこと。もう一つは投機対象から必需品対象へと変わったことだろう。
美術品は、愛好家の対象でもあるが、投機家の対象にもなり得る。かつてバブル日本の時代でも絵を転売して給料以上の収入を得ていた人もいるくらいだった。
骨董館に押し寄せて来た中国人客は基本的にはそうした転売目的のタイプだった。ショーケースから様々な美術品を取り出させ、様々な質問を浴びせて来る。購入する本人は知識に乏しい場合もあり、しまいには「どれが高く売れる?」と聞いて来る人もいた。
5年前の取材映像
やがて、そういうエセディーラー的な人達は退場し、結局は確かな目と相場観と資金力のあるプロだけが生き残ることになる。
現状ではそうしたプロ達による冷静な相場観により、中国美術品の取引は比較的安定している面もある。
ただ今後の様々不安材料というのは山積みである。役人への倹約指導、人件費の高騰による企業の行き詰まり、国際ルールとの調整など。
先日ある免税店に貸し出しをしていた銀瓶や銀瓶が戻って来た。免税店に依頼されて出品したものの、1点も売れずに戻って来てしまったのだ。一時は飛ぶように売れた商品だったが。商売とはそんなものか。