父が入院してからというもの、
スマホの着信音にずっと怯えていた。
病院から緊急の連絡ではないか、と…
今日か明日かと、気の休まることはなかった。
そして、それはついに二週間後の朝に…
急激に血圧が低下したと言う知らせ。
早めに会いに来てくれと。
(入院してから、コロナのせいで2~3度しか面会出来ていなかった)
それなりに早めに病院へ行き、医長を待った。
この1~2時間が貴重な時間だと告げられる。
父が個室へ移され、母と共に会うことができた。
が、酸素供給され、はぁはぁと必死に呼吸をしているしかない父。
会話など出来る由もなく、耳元で言葉を届けるしかなかった。
返事は無く、どこまで届いたかもわかる術もない。
ただ手を握っていることしか出来なかったが、一度だけ弱々しく握り返してくれた父、それが精一杯だったのだろう…
計測器のアラームも何度鳴ったことか…。
その日の夕刻、父は旅立った。
家族には迷惑をかけないと言っていた父、本当にその通りに逝ったな…