以前、自宅で次男の誕生パーティを開き、友達5人を招待しました。すると全員ゲームボーイを持ってきて、食事が終わると、たちまち全員脇目も振らずに無言でピコピコ・・・ときおりゲームに向かって「早く死ね!」とか「やった!殺した!」など叫ぶ程度で友達同士の会話もありません。あれで子供たちは楽しいのでしょうけれど、われわれ大人から見ると不気味な光景です。一緒にいるけれど、一人一人が別の空間にいるみたいです。
川島教授らが指摘していますが、TVゲームのやり過ぎは脳の発達に悪影響があるそうです。ゲームをやっているときの脳波は痴呆の人の脳波に近いそうですし、いわゆる「切れやすい」子供になるという説もあります。
子供たちはゲームが一番楽しいからやっているのでしょう。もっと楽しいことがあればやらないのでしょうが・・・

問題は、TVゲームを超えるおもしろい遊びがあるかどうかだと思います。ゲームは
・どこへでも持ち運びできる
・だれでも簡単にできる
・男の子の好きな戦闘形式である
・発展・変身・バージョンアップなどがあって半永久的に終わることがない
・敵をやっつけて手っ取り早く達成感が得られる
こうした、こどもたちにとっては魅力的な要素を兼ね備えています。これを超えるものというとなかなか難しいと思います。
囲碁・将棋は知的なゲームで、日本の伝統文化でもあり、非常にいいのですが、ルールを覚え、ある程度定石を覚えないと楽しめません。TVゲームに慣れた子供たちに果たしてそれだけコツコツ勉強する忍耐力があるかどうか・・・

ただ、「子は親の鏡」と言います。
「誰でも・努力しないで・仮想の世界で・手っ取り早く・満足できる」
なんだか大人の世界こそ、こうなっているのではないかと思いました。