世界最大の自動車アフターマーケットパーツイベントと言われており、毎年11月の第1週にラスベガスで開催される「SEMA show」が終わりました。ネバダ州のCOVID対応の影響から、FORD、シボレー、ホンダ、ヒュンダイ等が参加しないということが夏前から話題になっていました。各国の渡航条件緩和もあって、昨年よりは間違いなく客数が増えることが予想されていました。

 

私は今回HND->LAX->LAS->SAN->NRTの旅程を組み、ラスベガスには10月31日から11月3日まで滞在、イベントには3日行きました。どうやって座席まで登るの?という1M以上リフトアップ(車高をあげること)されている車や、どうしたらここまで綺麗に仕上げられるの?というクラシックカーや、巨大なトラックを積んでいるさらに巨大なトラックや、まぁとにかくいろんな車が展示されていて、一目見れば大人も子供も楽しめるある意味「アメリカらしい」イベントです。ワシントンDC(日本で言えば永田町)へのロビー活動もやっているとのことで政治的な動きもとっており、いろんな意味で話題にのぼることも特徴です。

 

誤解を恐れず言えば、私は展示されている車にはほとんど興味はありません。スマホで「映える」写真を撮るスキルも持ち合わせておらず、本当はSNSへのアップもできることなら他の人にやってほしいのですが、毎年一人で行っているのでそういうわけにも行きません。かといって、通常業務をとめて参加しているので好き勝手なことは言えず、数日後に何とかSNSをアップしましたが画像のみならずコメントもいけてない、ハッシュタグも超少ないためいただけるいいね!は一桁の下の方という惨状。つくづくセンスのなさを感じます。

 

んじゃ何しに行くのかというと人に会うために。今回は計9件のミーティングがありました。何万スクエアフィートという、坪数に換算すらする気も起らない果てしなく広い会場ですが、いわゆる「中の人」にならないと意味がないと思います。私はまだまだ「中に」入れてはいませんが、どうしたら他の人と違う時間を過ごせるか、を自分なりに考えています。きれいな写真を撮って素早くSNSにアップする、というのは自分にできないから。動画を撮ることもできない、展示されている車の背景を説明してどれだけ価値がある展示なのかを説明することもできません。知識もないし、もっと言ってしまえばそこにあまり興味がないから。個人のインスタグラムで今日初めてリール動画というものをアップしてみましたが、センスがないことを自覚しているのでSNS関係には敢えて触れないように意識して距離をおいています。

 

サンディエゴに住んでいたころから数えると15回(つまり15年)程度は行っているので、知り合いに「中の人」はいます。そこまで親しいわけではないので知り合いと表現しますが、私がちらっと見れる彼らのSEMAや日常の仕事は非常にエキサイティングです。数十億円でビジネスを売った人、フォードブロンコにOE(original equipmentの略、要するに一般のお客さんが車を買う時に既に車についている部品)パーツとして採用された人、1台1.1MUSD(1ドル150円換算で1億6500万円)の車をつくって販売前にも関わらず30台の受注をとっている人等々。イベントが始まると時間を確保できないので、朝食ミーティングも一般的です。

 

私は展示されているド派手な車を見るよりも、どうすれば自分が「中」に近づけるのか、できることなら「中」に入りたいと思ってやってきています。実力がないのでまだまだですが、車を見ずに人を見てると見た目でそれっぽいな、という人たちが会場にちらほらいます。当たり前ですけど。

 

 

やっぱり私はリアルが好きですね。リモートでは雑談できないから。相手の表情もいまいち分かりにくいし。

insider を目指して、今後も自分なりに工夫と努力を重ねます。いい年なので悠長なことも言ってられませんが。

 

アメリカ人の綺麗な英語で、商品の説明を聞いたりするのは私にとっては最高の贅沢です。

にしてもベガスは不便。水は4ドル、ジュースなら4.5ドル。サラダは13ドル(税別)、タコスは1個6ドル(税別)。ウーバーも混んでるから呼ぶに呼べないし、結局ホテルでいつも同じようなものを食べてました泣 私はまだまだ外の人ですね。