アルバイト仲間がチョロQを集めていた事で、
彼の為のチョロQ探しが始まった。
最初のうちは、昔通った駅前の玩具店などを虱潰しに探してみる。
その時期、チョロQは低迷期に入っていたからか、
どこの店に行っても古いチョロQが売れ残っていた。
ある店には、「チョロQ1個180円」と書かれていて、殆ど投げ売り状態。
確かに昔見た車種もある。デッドストックの数を見る限り、
この店は当時かなりチョロQに力を入れていたのだろうという事がうかがえた。
ちなみに、この店で売れ残っていた物は、
A品番前期から中期、透明物、トライアスロンⅡ、
バキュームカーやタンクローリーなどの働く自動車、どっ金チョロQ4、
QQQビッグカスタムパックなど。
チェックリストを作り記入して保管した。
その後チョロQ探しは東京中に広がり、関東近県まで足を延ばす事になったが、
最初、東京以外はチョロQをわざわざ探しに行った訳では無く、
知人の家に行ったついでや、温泉へ行く途中、海やスキーの帰り道など、
ついでに立ち寄る程度。 それでもチョロQはどんどん集まって行った。
この時点で初期のA品番は既に番号だけでは9割が揃っていたと思われ、
ナンバー完全制覇まではあと数台だと推測された。コレクションとしてはいい形だ。
これを渡せばさぞかし喜ぶだろうと、飛び上がる姿を想像していた。
その頃、自宅が鎌倉にある彼は大学卒業と同時にアルバイトを辞め、
実家の家業(魯山人の作品を扱う銀座の老舗陶芸品店)を継ぐために、
京都に修行に行っていた。
東京に出て来る事も少なくなり、会う機会も殆どなくなっていたので、
溜まったチョロQはいつまでも僕の手元に保管される事となる。
僕は日々付け足してきたチェックリストを見ながら、チョロQを眺めていた。
良く見ると、同じ車種でも貼ってあるステッカーが違ったり、
タイヤやホイールにバリエーションがある事に気付き、調べて見たくなった。
更に良く見ると、フロントのヘッドライトの形状に違いがある車種も発見、
ルーフに着けられたパーツにも色、形共にバリエーションがある事など、
次々新事実を知らされる事になった。
透明ボディの物も数台あるが、全車種あるのだろうか、
チョロQは一体何車種出ているのだろうかと、疑問は尽きず、
これは自分で解いて行かねば気が済まない。
「もう俺がやるか!」
こう決心したのが23歳の時。
ここから僕のチョロQコレクションが始まったのである。
出会いから約10年、この期間に子供達の間で大ブレイクし、
後半には僅かに衰退気味になっていたなどという事を全く知らずに、
チョロQに再び触れる事となった。