届かない想い 26 | ネガティブ、アナログ人間

ネガティブ、アナログ人間

東方神起のユノとチャンミンが大好きです。
二人のあまりの格好良さに、二次元の世界のようで、日々妄想しています。
ここにでてくるお話は、あくまでも妄想であって、本人達とは、全く関係ございません。

基本アナログでネガティブです。



あれから、ユノさんからは、連絡はない。

あのときのキスは何だったのか、僕から聞く勇気もない。

そのまま仕事でも顔を合わせることもなく何日か過ぎた。

だが、今日は事務所のハロウィンパーティー。

事務所所属のタレントを仮装させ、対外的にも宣伝を行う日。

僕が特に希望もださなかったのがいけないのだが、渡された衣装とメイクは不思議の国のアリス。

冗談かと思ったが、かつらを被され、カラーコンタクトまでつけ、濃いメイクをされると、鏡映ったのは、まさに少女だった。

「やっぱり、似合うと思った。」

スタッフさん達は喜んでいるけど、さすがにこの格好は嫌だった。

「これで、でてかないといけないのですか?」

「あら、あなたは、まだメインキャラだからいいけど、兎の役の人もいるのよ。
ましだと思いなさい。」

新人の僕に、抗議する資格はない。

「チャンミン、綺麗になったんだって?」

マネージャーが笑いながら近寄る。

「おー!チャンミンじゃないみたい。」

「どうして、女装って教えてくれなかったのですか?」

「教えたら、こないでしょ。タレントに休まれたら、怒られちゃうわ。」

「怒るを通り越してあきれてます。僕だけ女装なんて、何の罰ゲームですか?」

「あら、あなただけじゃないわよ。ソジュ君も女装よ。」

その名前にちくりと心が痛んだ。

「ソジュも可愛かったわ。彼は天性の魔性タイプね。男も女も狂わせそうな。」

「そんなに、、、可愛い?」

「あら、気になるの?後でみてきたら?
今回、ソジュが白雪姫で、ユノが王子なんだけど、お似合いのカップルすぎて、びっくり。」

「ユノさんが、、、王子?」

「まあ、毎年、彼は王子なんだけどね。今年違うのは、相手役が女じゃなくて、男ってとこかな。
この行事のあと、彼のファンサイトからの抗議の対応に追われるし、彼の相手になる女性のイメージも悪くされちゃうから、今年は、男にしたってわけ。」

「どうして、相手がソジュさんなんですか?」

「彼は、モデルにしては小柄だし、華奢でしょう。女の子に間違えられるルックスも持ってるから、ソジュ以外に考えられなかったわ。」

「どうして、、、僕は、、、アリス、、、。」
小声で言った独り言が、地獄耳のマネージャーに聞かれる。

「あら、あっちがよかったの?でも、あなたがハイヒールはいたら、ユノよりでかくなるでしょ?」

「そ、そういう意味じゃなくて、、、その、、、僕も王子でよかったのに、、、っていう意味で。」

「ソジュがユノを指名したのよ。女装やるかわりに、王子は自分に選ばせてくれって。」

「ソジュさんが?」

「ええ。あの子、誰にでもなついているけど、ユノは特別みたいね。
ユノも弟のように可愛がってるし。」

あれから、連絡できなかった理由は、ソジュさんなのかなと思うと、二人に会うのが気が引ける。

重い気持ちのまま、会場に向かうと
「チャンミン?」

会いたくない二人が目の前にいた。