「チャンミンと付き合うの?僕、もう、いらない?」
チャンミンとキスをした日、ソジュが、やってきて言った言葉。
「僕の荷物出さないとダメ?」
頭が、、、心が、、、混乱する。
「ごめん。」
「どうして、謝るの?」
「少し、時間が欲しい。」
「いいよ。いくらでも時間あげる。」
「すまない。」
「謝らなくていいよ。どうせ、僕のこと初めから、好きじゃないのわかってたし。」
「そうじゃない。」
「あの子、、、チャンミン。思ってるより強い子だね。」
「どうして、そう思う?」
「ユノと付き合うことがどういうことかわかっていても、ユノを選ぶのだから。
あの子は、サラブレッドだよ。
ユノとの関係が、万が一、世間に知れたら、母親も大変なことになる。」
「何が言いたい。」
「ユノも覚悟あるんだよね。僕のときより、大変な相手を好きになったこと。」
「まだ、何も始まってない。」
「じゃあ、僕、まだここに来れる?ユノのとこに来れる?」
「今はだめだ。」
「一週間後?一ヶ月後?一年後?」
そう言って、ソジュは涙をこぼした。
「楽しかったのに、終わっちゃうんだね。」
「ソジュ、、、。」
胸が締め付けられる。
ソジュと体の関係で始まったと言え、付き合うからには、ソジュを大切に思ってきた。
幸薄かった少年時代を送ってきたソジュを幸せにしてあげようとも思った。
それが俺の傲りだったとしてもそのときは本気だった。
結局、俺は誰一人幸せになんてできないのかもしれない。
「そうだ、ユノ。ハロウィンの王子役は引き受けてね。」
「ああ。」
「じゃあ、帰るよ。」
「送るよ。」
「いい。」
「それならタクシー使え。もうこんな時間だ。」
「タクシーで泣いてたら恥ずかしいでしょ。」
「泣き止むまでここにいればいい。」
「ずっと、泣いてたら、ここに置いてくれる?」
「ソジュ、、、。」
「置いてくれるなら、体が枯れても泣き続けてやる。」
「ごめん、ソジュ。」
とうとう、その日は、ソジュを帰すことができなかった。