届かない思い 29 | ネガティブ、アナログ人間

ネガティブ、アナログ人間

東方神起のユノとチャンミンが大好きです。
二人のあまりの格好良さに、二次元の世界のようで、日々妄想しています。
ここにでてくるお話は、あくまでも妄想であって、本人達とは、全く関係ございません。

基本アナログでネガティブです。



優勝は、まさかの僕達、不思議の国のアリスペア。

ハワイ旅行のペアチケットをいただいた。

「ハワイね、、、。あなたにあげるわ。」

「そんな、いただけません。優勝は先輩のおかげですから。」

「私、飛行機苦手なの。なるべく海外の仕事は引き受けないのに、プライベートで行くわけないわ。」

「でも、それでは、僕ばかり得をしてしまって、申し訳ないです。」

「わかった。今日、私に酒おごって。」

「え?それだけ?」

「ええ。でも、海外チケット譲ったんだから、お洒落なとこで飲みたい。
あんたみたいなイケメン連れて、行きたいとこあるのよ。」

連れてかれた場所は、ホテル最上階のバー。

夜景が綺麗に見える。

初めは、承諾したものの、こんな場所にきて、この先輩と噂にでもなったら?

僕は男だからいいけど、先輩は平気なのかな?

「何、気にしてるのよ。早く、ここ、ここ。」

僕の手をひき、カウンターに座った。

夜景が見える窓側も空いているのに。

「こんばんは。今日はお一人じゃないんですね。」

「そうよ。私にも、言い寄る男の一人や二人。」

冗談で言ってるのか、バーテンダーの方も笑ってる。

「この人ね、私がもてないと思ってるみたいだから、見せつけたかったの。」

うさぎのときとは、想像がつかないほど、女性らしいワンピースを着て、ばっちりメイクをしたのは、僕でなく、このバーテンダーがお気に入りだからのようだ。

「何飲む?」

「とりあえず、ビールで。」

「つまんない男。この人のカクテル最高なんだから、カクテルにしなさいよ。」

「無理なこと言ったら可哀想ですよ。お酒くらいお好きなものにしてあげてください。」

そういうと、バーテンダーは、細いグラスにビールを注ぐ。

細かな泡さえも、上品に見える。

「じゃあ、二人の未来に乾杯。」

先輩は、いつもの、と、バーテンダーに入れてもらった、青い色のカクテル。

「私ね、ここ大好きなの。」

「景色綺麗ですよね。」

「一杯が驚くほど高くて、酔えるまで飲めないけどね。」

「どなたに教えてもらったのですか?」

「昔の恋人。結婚しちゃって、子供も産んじゃったけどね。」

バイセクシャルと公言していたのは、本当なのか。

「ねえ、ねえ、黙られたら、その先言えなくなるでしょう。何で別れたのかって、聞いてよ。」

「す、すみません。どうして、別れたのですか?」

「彼女となら、この仕事やめてもいいかなって思ってたことがあったの。でも、そう思ったことが、彼女には辛かったって。自分のために夢をあきらめる人にはなってほしくないと、すぐに、私のとこから、去っていったわ。」

「潔い方なんですね。」

「そう。私よりずっと潔くて、スパッスパッて物事決めちゃうの。」

「女性の方が、そうなのかもしれません。」

「チャンミンは、ユノのことどう思ってるの?」

「一方的な片想いです。」

「実らせようとは思ってない?」

「自分の気持ちだけでは、どうにもなりませんから。」

「女々しいな。そうやって、人のせいにするとこ、だめよ。」

「でも、、、。」

「まだ、当たって砕けてもいないんでしょ?砕け散った方が、もっとすっぱり、割りきれるわよ。私みたいに。」

「はあ、、、。」

「さあ、砕けちりなさい。」

と、先輩が指差した方向に、ユノさんがいた。

「え?どうして?」

「私が呼んだのよ。」

ユノさんも僕がいたことに、少し驚いているようだった。

「あの、、、話って。」

「私じゃなくて、この子があるみたい。ここは、目につくから、これあげる。」

ホテルのカードキーを渡される。

「え?」「は?」

「チャンミンはまだ駆け出しだけど、ユノは結構、面が割れてるのだから、ここで飲むのもいいけど、部屋で飲む方が本音が言えるでしょ?」

「本音って、、、。」

「今日、チャンミンが見ているときは、目をそらしてたくせに、そうじゃないとき、ずっと見つめていたわよね。
男って、本当にわかりやすいわ。」

僕は驚いてユノさんを見つめる。

でも、やっぱり、ユノさんは僕を見ようとしない。

「ほら、受け取りなさい。」

先輩は、ユノさんの手にカードキーを握らせた。

「さあ、早く行って。私は一人で飲みたいの。」

「お会計は、、、。」

「次にするわ。もっと浴びるほど飲んだ時ね。」

「ミナ先輩らしいな。」

「え?知り合い?」

「ああ。いろいろ教えてもらってる。」

「体の関係以外はね。本当、そこは残念だわ。」

「ミナ先輩こそ、俺を男にみてくれないじゃないですか。」

「私の可愛い弟だもの。ほら、女々しい男ども、早く話しておいで。報告はするのよ。」

「わかりました。」

ユノさんは、僕の手首を掴むと、ずんずんと歩いていく。

焦っているのか、歩く速度も早いし、掴まれた腕が痛い。

エレベーターに乗り、やっと二人きりになったところで
「あの、、、痛いです。」

そう話すと、「ごめん。」と、手首を離された。

離されて、やっと痛みから解放されたのに、痛いと言ったことを後悔した。

ユノさんが触れた場所が熱い。

ずっと、触れられたい。

そう思ったら、僕の方から、ユノさんの手を掴む。

ユノさんは、始めこそ驚いた顔をしたものの、僕の手を握り直し、指と指を絡めた。