天国と地獄の美女

江戸川乱歩の「パノラマ島奇談」　　１９８２年（昭和５７年）

　　「パノラマ島」。それは不遇の男・人見広介が夢想する人工の楽園。パラダイス。

　決して叶わぬはずのその夢が、広介と瓜二つの大富豪・菰田源三郎の出現により、死と恐怖に彩られた可能性を露わにする。やがて地上に誕生する、最後の桃源郷。そこで名探偵・明智小五郎が見た、大悲劇の恐るべき結末とはなにか？・・・。

　『ザ・ディ－プ』の記事で、ジャクリーン・ビセットの「透け透けヌード」の事を書きましたが、その時「透け透け」で思い出したのが、ご存知「土曜ワイド劇場」の大人気シリーズ「江戸川乱歩美女シリーズ」の一篇、『天国と地獄の美女』でした。

　シリーズ１７作目にあたる本作は８２年１月２日放送ということで、正月スペシャルの３時間枠で放送され、しかも第一部「カラスの化身」、第二部「エロスの園」という二部構成になっているシリーズ中最高の大作です。

　いきなり天知茂が登場し正月の挨拶をするのを見ていたら、「古畑任三郎」の原点は「刑事コロンボ」とこのシリーズか？と思ってしまいました。

　ストーリー的なこと云々は本シリーズには不要です。なぜなら、このシリーズを見るコツは『ギターを持った渡り鳥』、『女必殺拳　危機一発』でも書きましたがあまり深く考えないで見ることだからです。

　ところで、「透け透け」と本作の接点は？それは主演の叶和貴子が裸でシースルーの衣装を着ていたことです（一番下に写真載せておきます）。本シリーズの見どころの一つは主演女優のヌードなのですが、ほとんどがふき替えで実際に主演女優が脱いでる作品は、本作の叶和貴子と２０作『天使と悪魔の美女』の高田美和だけなのです。それも含め、本作はシリーズ屈指の出来ではないかと思っています。

　みなさんも、「チャラララー♪チャーラーララー・・・♪」のメロディを口ずさんでくださいね♪